- 2018-06-10 (Sun) 23:41
- FUJIFILM XF 10-24mm F4 R OIS | ケヤキ | 兵庫県 | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別)
FUJIFILM X-T20 / XF 10-24mm F4 R OIS / Film Simulation PROVIA
狛さんとの巨樹を巡る冒険もついに最終目的地へ。
丹波市柏原(かいばら)町の「柏原の大ケヤキ」、通称「木の根橋」を訪問しました。
木の根橋とは一体何なのか。私ごとき無知な素人が語るよりも、こちらをご覧いただいた方が話が早いのではないかと。
(手元にある「第29回全国育樹祭記念誌 ひょうごの巨樹・巨木100選」の一部を掲載させていただきます。この書籍の商業目的の発行ではないという特性上、「木の根橋」等の検索キーワードで来られた方の目に触れたとしても権利者の方々に不利益を及ぼすことはないだろう…との当方の勝手な解釈による無断転載です。もし権利者の方の目に触れ、「けしからん奴だ!」とご指摘を受けるようなことがあれば即座に削除致します。)
冷え固まった溶岩を思わせる頑強そうな樹皮。
ケヤキの根が橋のように川をまたいでいるというのは上の書籍にある通りなんですが、この根の太さがまた凄い。太さ約3.2m。これはもう根なのか幹なのか?というレベルの太さです。そこらの下手な街路樹より太いですからね。
これまた書籍からの抜粋で申し訳ありませんが、馬を引いてかつての木の根橋を渡る姿が描かれています。
木の根橋はこの柏原町のランドマークと言っても過言ではない存在のようで、無料の駐車場はおろか隣には観光案内所有り、樹の麓には観光ガイドの方がいらっしゃったりと、巨樹としては異例ともいえる厚遇を受けています。(もちろん巨樹専属というわけではありませんけど。)
書籍にも書かれていますが「巨樹を語ろう全国フォーラム」第一回大会開催地ということで、巨樹再生のシンボルとして全国的にも知名度が高いようです。
この木の根橋に施された保護作業がこれ。とんでもないでしょう。こんなのまともじゃないっすよ。言葉を失うくらいの大規模な工事。道路の一部を橋梁化、役場の一部撤去って!役場を建てるために巨樹を切るのが一般的だよなあ。
敢えて木の根という付加価値を除いて1本のケヤキの巨樹として見た場合、感動の1本!というほどの迫力を感じる巨樹ではないと思います。しかし1本の衰弱しつつある巨樹が人間の力で生命力を取り戻し、街のシンボルとして愛され続けている。その姿には人間と自然との共存という命題への何か大きなヒントがあるのではないでしょうか。
狛さんがどうしてもこの日の巨樹行脚はここで締めたいと熱望された木の根橋ですが、本当にこの日の〆にふさわしい意義のある巨樹だったと今更ながら強く感じます。このケヤキに関しては一人で来ず狛さんに同行する形で訪問することが出来て本当にラッキーでした。
人知を超えたの巨大さや奇怪なフォルム、数百年どころか千年以上の歴史に圧倒される…それこそ巨樹巡りの素晴らしさではあるのですが、やはりこうして巨樹を巡り続ける以上は巨樹について理解したい。そして樹々から何かを感じ取りたい。巨樹との向き合い方について考えさせられる重要な1本だったように思います。
それにしても気持ちのいい街並みでした。
次回はカメラ片手にスナップ撮り歩きなんてしてみるのも面白そうです。
深夜バージョンを追加。通りかかったので記念に。
柏原八幡神社の鳥居の脇に鹿がいました…
柏原の大ケヤキ(木の根橋)
兵庫県指定天然記念物
樹齢 1,000年以上(最近の調査により判明)
樹高 16.3m
幹回り 6.7m
兵庫県丹波市柏原町柏原1
コメント:4
- 狛 18-06-13 (Wed) 0:30
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上の、カツラ見に深夜行ったんですか!? おっかねえ!
と言いつつ、夜の柏原、木の根橋の姿を見ることができて幸せです。これもいい雰囲気。
街の中の巨樹、巨樹と街の人々という関係、それも好ましい姿を象徴するかのような樹で、ほんと大きさ以上に……この「樹の根の橋」という珍しさをも超えて意味を感じる樹だと思いました。
それも、本などで知識として知るのと、現地でああしてミスターたちにもてなされて見て知るのとでは、また全然違う。地元の熱意と愛情をすごく感じられて、良かったです。
陳腐な言い方ですが、巨樹探訪するなら一度行っとけよ、みたいなところなのかもしれません。屋久島などとは違って街のど真ん中にあるからこそ、より深い意味を発しているのだと。
いや、でも、あの横に伸びた部分、想像よりもよほど凄かったですね。一見の価値はある。
あの部位を発達させてしまったがために、主幹はそこまで太くならなかったのでは? もう、合計10メートルでもいいんじゃないの? とか、そんなことを考えてました。笑
街自体もどこか憎めない感じ?で、また行きたくなるような雰囲気でした。
何より、こんな巨樹がド真ん中にあるなんて羨ましい……ここが柏原町柏原1なんですもんね。すごいことです。
兵庫の巨樹の本もなかなか熱が入っていていいですね! これ、読みたいです。笑
今回、探訪をご一緒できて最高に楽しかったです。
いつもちょっとだけ無茶をしつつ、自分たちの信じる価値を求めて突っ走ることの面白さを、昔(昔?)と変わらず味わわせて頂けて、あほみたいにはしゃいでしまいました。
この人たち、いつかとんでもない失敗をやらかすんじゃなかろうか……例えば脱輪、転倒、ハチ、電気ビリビリ、クマさん、他多数……とは思いつつも、やめられないんですよね、こういうの。笑
またどっか行きましょう! - to-fu 18-06-13 (Wed) 16:34
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> 狛さん
はい。自分でも頭がどうかしてるんじゃないかと思いますが、深夜出発です…
それにしてもこのケヤキの愛されっぷりったら凄かったですね。あの爺ちゃんたち、東大に行った自慢の孫の話でもしてるような表情でしたもん。
(良くも悪くもあまり写真を撮れなかったので昨日再訪しましたが、何と今回も写真はほとんど撮れませんでした 笑)
同感です。この巨樹は人里の巨樹巡りをする以上、ちょっとした聖地みたいなものかもしれません。巨樹を中心にした集落というだけならよく見かけますが、あそこまでの規模はちょっと他に無いんじゃないでしょうか。観光資源に恵まれていそうな街並みではありましたが、それでももし木の根橋が無くなってしまったら雰囲気が完全に損なわれてしまうような気がします。
何日も前からプランを練ったり実行すると上手くいかなかったり。こんな楽しさを体験できているのは本当に狛さんのおかげです。(そして狛さん、RYO-JIさん…苦楽を知る者同士、それをネタにしてバカ笑いできたことが何より嬉しかったです。)取り返しのつかない失敗だけは避けたいものですが、トラブルも前向きに捉えて楽しんでしまいたいですね。
次回のサミットも楽しみにしています! - RYO-JI 18-06-15 (Fri) 20:22
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はぁ~、なるほど、こうなっていたんですね!
存在は知っていましたが、変わった巨樹だけれどサイズ的にもインパクトがなさそうなんで
何かのついでに見ることはあってもわざわざ見に行くことは無さそうと思っていましたが・・・。
猛省です。
やっぱりちゃんと自分の目で見ないといけませんね。
こんなに手厚く保護され、町のシンボルになっているというか町並みの一部になっている巨樹も少ないでしょうね。
しかも根がこんなことになっちゃってるって唯一無二。
これを旅の〆の一本にする狛さんもさすがだなぁ。
狛さんと談笑するオジサンの姿からも自慢の一本だというのがよく伝わってきます。 - to-fu 18-06-16 (Sat) 23:00
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> RYO-JIさん
僕もずっと全く同じイメージを持っていたので優先度は決して高くなかったです 笑
巨樹を取り巻く環境であるとか地元の人々の想いなんていうのは、やっぱり現地に行ってみるまで分かりませんよね。得てしてそういうものは巨樹から受ける印象に大きく影響するので難儀なものです。
ここに至るまでに「安田の大杉」から始まって10本近い巨樹がひしめいているので、この兵庫県の玄関口ゾーンだけでも充分一日楽しめると思いますよ。オジサンの話は非常に貴重なもので是非聞いておきたいところですが、なかなか写真を撮らせてもらえないので、話も聞ける→彼らが仕事を終えて撮影に集中できる夕方前の訪問がオススメです 笑
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