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タブノキ Archive

香川県三豊市詫間町粟島 梵音寺のタブノキ


LEICA M10 / TTArtisan 28mm F5.6

今まで気になっていながらも、瀬戸内の離島粟島の巨樹ということでなかなか立ち寄る機会のなかったタブノキ。ええ、巨樹的に見るとどうしてもこちらより「志々島の大クス」を優先してしまうわけで。今回単独で粟島に3時間半滞在できるということで、この機を逃すわけにはいきません。

そういえば愛媛県のカツラ以来再訪の巨樹ばかりが続いていたので、今回昨年秋以来の新規巨樹ということになります。

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香川県三豊市 財田駅前のタブノキ


LEICA M10 / Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8 ZM

香川県の善通寺市を南下して徳島県三好市を目指す。そのちょうど中程の山中にタブノキの巨樹があるというではありませんか。前回巨樹を撮影してから数ヶ月が経過してしまいましたが、果たしてまともに撮影できるものか…今回はいつもの一眼機+ズームレンズではなく、MFのレンジファインダー機でスローに撮影することに。もちろん一眼機も持参していたんですけどね。なんとなく無我夢中にガシガシ撮りたい気分でもなく、今回はもっとのんびり巨樹と向き合いたかったのです。うーん、前日歩きまくったので疲れていたのかもしれませんねえ 笑

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茨城県神栖市 波崎の大タブ


SONY α7II / SONY FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G

「波崎の大タブ」。このタブノキはその筋の本やWebサイトで姿を知ってから、ずっと訪れたかった巨樹の一本です。全国のタブの巨樹の中でも代表格であることは間違いないでしょう。全国的にも稀に見る大きさのタブノキですが、ただ大きい木を回るというだけの観点で見ると、もちろん国内にはこの巨樹よりも大きなタブだって存在するんです。しかしどうでしょう、この心安らぐような光景は。写真から察するだけでもこの巨樹には何か数値では測れないものがあるに違いない、そんなことが伝わってきます。

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千葉県香取市 府馬の大クス


SONY α7II / SONY FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G

国指定天然記念物「府馬の大クス」。大クス、つまりクスノキと呼ばれながら実はタブノキであるということで、県下はおろか全国の巨樹マニアにもその名が知られています。全国の錚々たるタブノキの巨樹の中でも代表的な1本であると言い切ってしまっても過言ではないでしょう。本来ならば関西在住の僕が気軽に訪問できる巨樹ではないのですが、現地在住の狛さんに案内していただくことで相対することが叶ったのでした。

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福井県三方上中郡若狭町 信主神社のタブノキ


FUJIFILM X-T20 / XF 10-24mm F4 R OIS / Film Simulation PROVIA
FUJIFILM X-Pro2 / XF 35mm F1.4 R / Film Simulation PROVIA


上村家のタブノキを撮影する前に訪れていたのがこちらの「信主神社のタブノキ」です。以前から小浜を訪れる度、いい感じにこんもりとした森があるなあと気になっていました。熊川宿の道の駅から少し若狭方面へ、右手にファミリーマートが見えたらその向かいに位置しています。信主神社本殿の真横に注連縄が巻かれた大きなケヤキが生えているのですが、地元の方いわく「そっちはご神木じゃない」との事。注連縄なんて巻かれていないばかりか本殿の裏手にひっそりとそびえ立っている、こちらのタブノキがご神木なのだそうです。ややこしいな。


ここを訪れるにあたって何よりも大切なことがあるんですね。
声を大にして言いたい。頭上注意ですぞ。


タブノキのてっぺん付近に多数の鳥の巣があり、幹の麓はそのフンで地獄絵図と化しています。正直なところ、うわあ頭に落ちてきたら嫌すぎるなあ…という不安が頭から離れず、この巨樹と真剣に向き合うことが出来なかったように思います。だって…ねえ。頭に鳥のフンはちょっと嫌だよ。(その昔三鷹の会社で働いていた頃、昼休みに近くをふらふら歩いてたら頭にハトのフンが落ちてきたことを思い出すなあ。公園の水道で頭洗ったっけ。)


そこらに散乱する卵。風で落ちたのか、別の鳥に落とされたのか。
鶏卵のSサイズくらいあります。何の鳥の卵なんだろう。


推定樹齢は1,100年。冷え固まったマグマを思わせる重厚な樹皮。近くで見ると岩の塊のようにも見えます。


本殿側から見ると健康そうなタブノキですが、裏手に回ると片方の幹がゴッソリと欠損していました。ズシンとそびえ立つこの巨樹は鬱蒼と覆い茂る森の中ではいささか窮屈なように見え、その息苦しさも相まってとにかく痛々しく思えます。


根元からはタブノキの新しい命が…というわけではなく、別の種類の苗木に侵食されようとしています。幹には引っ張ったらターザンごっこ出来そうなくらい頑丈なツタも伸び、ちょっと綺麗サッパリ整えてあげたいなという気になりますね。


森の中は日中だというのにほとんど日が差しません。せっかく人が来てくれるから近々綺麗に整備したいんだと仰っていました。先ほどの鳥のフンの問題もそうですが、正直今の状態では一般の参拝客の方がここまで足を踏み入れることはないでしょう。夏はやぶ蚊も多そうですし、僕もマムシとかいないだろうなあ…なんてビクビクしながら近づきました。


このタブノキは若狭町の天然記念物に指定されています。
が、お墨付きの看板を送って来るだけで結局何もしてくれないんだとぼやいておられました。あまり裕福ではない集落の場合、その天然記念物や有形文化財を維持するだけでも大変なのです。これは美山の「かやぶきの里」の方も仰っていました。美山の場合、かやぶき屋根は観光資源になる分まだマシでしょう。お金をかけてこの森を整備して、果たして採算が取れるのか。結果は誰の目にも明らかです。

ああ、何か暗い話になってしまって本当に申し訳ありませんが、これから更なる少子高齢化が進み限界集落が増えた地方には、巨樹を愛でられるだけの余裕があるのだろうか…そんなことを考えさせられる1本でした。

信主(しんしゅ)神社のタブノキ
若狭町指定天然記念物
樹齢 約1,100年
樹高 約25m
幹回り 約6.6m

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