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兵庫県美方郡香美町 長瀬八幡神社のタブノキとホオノキ


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 32-64mm F4 R LM WR

鳥取県の海岸沿いを撮影しながら兵庫県入り、新温泉町を抜けてやって来たのがこちら「長瀬八幡神社のタブノキとホオノキ」。
なお今回新温泉町方面から県道550号線経由で立ち寄りましたが、これがもう筆舌に尽くしがたい悪路で…
地図上では全く悪路に見えないのが罠。一度突入すると転回不可能な超悪路のため酷道険道マニアの方以外は通行をオススメできません。ご注意を。
どれくらいの悪路なのか興味のある方はこちらをどうぞ。(車幅1800mm以上の車両は通行不可です。冗談抜きで死にますので厳守してください。)


最強険道の疲れを「道の駅 あゆの里矢田川」で癒し、そこからは車で目と鼻の先。
駐車場はありませんが目の前に車を停めても邪魔にならないくらいのスペースがあったためそちらに駐車させていただきました。
階段を上った先、拝殿の左手には既にそれと思われるものの姿が確認できます。


関西圏ではあまりメジャーでないタブノキの巨樹。
幹周5.3mは正直タブノキの巨樹として見ても目立った数値ではありません。
推定で全国に数百万人はいらっしゃるであろう目の肥えたタブノキファンの方からすると物足りない感は否めない。
しかし、これでも兵庫県最大のタブノキです。普段あまりタブを見る機会のない私からすると十分な見応えがある。


主幹は既に枯損しており、葉を付けているのは右上に見える大枝の部分のみ。
樹勢としてはもう衰退期に入っているのは間違いないでしょう。
周辺に植えられた樹木の枝葉や幹に付着した着生植物で上手くカムフラージュしてありますが、もしこれらを刈り取ったら寂しい姿になりそうです。


こちらのタブノキを含めた3本の樹木が県に郷土記念物の指定を受けています。
タブノキ2本とヤブツバキ1本ということで表題のホオノキは対象外のようです。
藪をかき分けて残りの2本も見に行きましたが巨樹記事に写真を掲載するほどではなかったので割愛。


巨樹として見ると決して「感動の一本!」であるとか「パワースポット!」とか、そういった類の巨樹ではないと思います。
しかしこれだけ満身創痍になりながらも懸命に生きようとする様は何かグッと来るものがある。
人口の少ない集落にありながらタブの周辺が丁寧に手入れされているのも見てとれました。大切に扱われているのでしょう。
これからも地域の守り神として末永く長瀬の集落を見守ってもらいたい。


さて境内にはもう一本の巨樹が。こちらのホオノキです。
見てのとおり株立ちの姿ですが、流石にこれだけのまとまりがあると一本の巨樹としての見応えがある。
巨樹のサイズや迫力を重視される方には先のタブノキよりもこちらの方が印象に残る一本かもしれません。
(実のところ私もタブノキに加えてこのホオノキがあるからこそ八幡神社を訪れました。タブだけだったら今回は別の巨樹を目指していたかも…)


ホオノキといえばやはりこの大きな葉が魅力。巨樹の真下に立ち空を見上げると陽光を浴びて薄緑に輝く葉が実に美しい。
飛騨地方の郷土料理「朴葉味噌」を作る際の受け皿としても有名ですね。朴葉の上で焼いた飛騨牛に朴葉味噌を付けていただく…絶品です。


八幡神社の外側からホオノキを眺める。樹勢は上々で今後もさらなる成長が期待できるでしょう。
現時点では天然記念物無指定ですが、これだけ立派なホオノキは貴重なので天然記念物指定してあげてもいいのではないかと。
関西圏ではあまり見られないタブノキとホオノキの巨樹を同時に楽しめるということで、立ち寄って損はないと思います。

なお神鍋高原エリアの巨樹と併せて回られる場合、地図上では遠回りに見えても必ず県道4号線、国道482号線ルートを通行してください。
県道258号線が最短ルートに見えますが慢性的に通行止になっている上にこちらも恐ろしい悪路です。
(神鍋高原近くはジムニーのような四駆の軽自動車かセローのようなオフロードバイクでないと通行できないと思います。)
他人様のサイトですが、こちらのブログ記事が分かりやすいかと。時間的にも間違いなく国道へ迂回する方が早く着きます。くれぐれもご注意を。

2023/7/3訪問
「長瀬八幡神社のタブノキとホオノキ」
兵庫県郷土記念物指定(タブノキ)

《タブノキ》
樹齢 不明
樹高 23m
幹回り 5.3m

《ホオノキ》
樹齢 不明
樹高 20m
幹回り 8.9m

兵庫県美方郡香美町村岡区長瀬48

コメント:4

23-10-12 (Thu) 20:15

ああ……このヤバい道の。想像しただけでイヤな咳が出ますねえ……。
そして、この兵庫県の解説板、懐かしい。ビリビリトラップをああしてこうしたことが思い出されましたよ。それこそ電撃的に。笑

タブには南国系なイメージがありつつ、一概に南や西へ行けば巨樹がたくさん出てくるわけではないところ、興味深いですね。
ホオノキが山中にあるのは納得ですが、その隣にタブというのは珍しい取り合わせ。「波崎のタブ」「九本ダモ」みたいに、お前さんがいるべきは浜通りじゃないのかね? と。
タブって写真で見るとけっこうグロく見えるんですが、実物だと何となく親しみが湧くというか、温かみがあるというか。
不思議な樹種だなと思っています。

ホオノキは、隣接してる樹(複数?)と競いあっているのか、まるでカツラみたいなやる気が十分ですね。
東北や新潟ではそれなりに見かけますが、幹一本一本が太く大きくなっているケースにはほとんど出会えてません。
材としては悪くないのに、扱いづらさゆえに雑木扱いを受けてしまうのか……と、個人的には何とか再評価してほしい樹種です。
葉っぱも花も魅力的で、見つけると嬉しくなってしまうんですけどね。

RYO-JI 23-10-12 (Thu) 21:37

クマやスズメバチも怖いですが、酷道もそれらに負けず劣らず最近は怖くて仕方ありません。
多少の無理ができる(何も考えていなかった)若い頃とは違い、命あっての・・・と考えてしまう年頃ですから(笑)。
そういう意味でも先人の記録や忠告はとても貴重ですよね。
ニッチな趣味ですけど残す意義は大いにある筈で、誰かがそのログを見て命拾いするかもしれませんしね。

タブノキはもちろん知ってますが、巨樹となると関西では確かにあまりピンとこない存在です。
全貌を見てしまうと正直残念感が拭えません。
それでも生きようとする姿には惹かれるものがありますね!

ホオノキといえば、やっぱり朴葉味噌。
葉っぱはいくらでも手に入るので(庭から)、飛騨牛さえあれば・・・(笑)。
強い日差しを浴びるホオノキの葉っぱを見上げる美しさは、トチノキと並ぶくらいかと思ってます。

to-fu 23-10-13 (Fri) 14:57

> 狛さん
とにかく道が細いタイプの悪路は気付いたときには引き返せないところまで来ていたりしますからね。
あのビリビリトラップ…また一緒に行きたいです 笑

タブはやはり温暖な浜通りの印象が強いですね。
京都の日本海側最果ての地(失礼)京丹後に10mオーバーのタブノキがあって、いつか見に行ってみたいと思っています。
仰るようにクスやケヤキとは違う陰の気配がありつつもスダジイほどではないという。タブにはどこか愛嬌を感じます。

このホオノキは主幹だけでも6mくらいあるそうなので巨樹として見ても相当なものだと思うのですが、むしろ周囲の
ひこばえが元気すぎるが故に主幹があまり注目されないのは気の毒だなと。カツラは比較的すぐに天然記念物指定して
もらえる印象があるので、なんとなくタイプ的に似ているホオノキがスルーされがちな現状は寂しいですね…

to-fu 23-10-13 (Fri) 15:06

> RYO-JIさん
この手の場所で車ごと転落してしまうと、仮に怪我で済んだとしても恐らくレッカー車も入れず多くの人たちに
多大な迷惑をかけてしまうことになるので、そのときはもう巨樹引退だと思っています。そうならないように
己を過信しないよう臆病でいることが一番ですね。いやホント、しょうもない自分の楽しみのために他人様に
迷惑をかけるのだけは最低です。

タブの巨樹は京都でも日本海側に出ないと見当たらないので、奈良の方にとってはとてつもなく遠い存在でしょうねえ。
しかしお庭にホオノキが植えてあるなんて最高ではありませんか!私なんか京都の山奥から葉っぱを持って帰ってますよ。
これで後は庭で牛サンでも育てたら完璧ですね 笑

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