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旅の断片 志々島の大クス 前編


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR

志々島を目指す。
もちろん島そのものが愛すべき存在ですが、やはり一番の目的はここ「志々島の大クス」なのです。
何度対峙しても自然と笑みがこぼれ、おおおー…と声にならない声を上げてしまう。


本当に素晴らしい巨樹です。
いや、私にとってはもう巨樹という枠を飛び越えてしまっているかもしれない。
志々島の大クスと出会える人生でよかった。決して大袈裟ではなく本心からそう思う。


どこから眺めても素晴らしいフォルム。
腕のように広げる大枝から比べると主幹がやけにコンパクトに見えませんか?
実はこの斜面、過去に土砂崩れが起きており、大クスの幹は数メートル分土中に埋まっているのです。
現在の姿ですらとてつもなく巨大なこの大クス。本来の姿はこんなものではない…のかもしれません。


先月訪問した際に膨らみ始めていた新芽が一斉に開いていました。
美しい。例えが悪いかもしれませんが、あまりにツヤツヤしたその葉はまるでプラスチックか何かで出来ているのでは?と疑いたくなるほど。


ちょうど芝桜のシーズンということで志々島の「天空の花畑」がメディアに取り上げられる機会が増え、花畑目当てのハイカーが大勢来られていました。
土日や祝日は定期船を増やしても乗客が乗り切れず、海上タクシーも出動するほど賑わっているみたいです。
まあ賑わうといっても皆さんひたすら島中を歩き回っているので静かなものですが 笑

天空の花畑は孝子さんという島のおばあちゃんと島外に住む息子さん夫婦の3人だけで世話をされているのですが、これがまた「え?これを3人だけで?………またまたご冗談を。」と言いたくなるくらい見事なもの。いや、本当にすごいんですよ。私なんか雑草を抜くだけでも倒れてしまうくらい広大な花畑。必見です。


それにしても、どの角度から眺めても良い。
人間がミニチュアのようだ。


単独だとここに三脚を立てて斜面を下りて…となかなか大変なので助かります。
まあ、巨樹撮影はそういう試行錯誤も含めて楽しいのですが。


裏側から眺めても実に立派な枝張り。
パースの付きすぎる超広角レンズって個人的にはあまり好きではないのですが、相手がこのクラスになると超広角でもないかぎり太刀打ちできません。


こちらのベンチに腰掛けて眺めるもよし。
生憎の薄曇りでしたが青空と瀬戸内海、そして大クスが一望できるのはヤバい。(語彙が中学生レベルになる)


友人は二度目の志々島ですが、私の思惑通り島とクスの魅力にハマってしまった様子。
「島」なんて一括りにしてしまいましたけど実際は島に住む「人」がいいんですよ。


都市生活に疲れたときにはぜひ訪れてほしい島。
大クスに会ってただ驚いて、何も無いところで何もせずに過ごす時間の贅沢さをただ感じて帰ればいい。
そして慌ただしい日常へと戻り、島パワーが恋しくなったらまた訪れたらいいのです。

さあ、シンプルに生きよう。

コメント:8

23-04-28 (Fri) 9:43

背中方向からの逞しい幹姿には惚れ惚れしますが、それを加味してもこのアンバランスで奔放な枝展開は凄すぎる。
また、パンフォーカスが描き出す異様なリアリティに、ぞわっときました。
この巨樹のためだけに超広角レンズを手に入れたってイイと言えますね。
すでに元はとった! とか。笑

ニュアンス写真=うまい写真みたいになりがちで、みんなで似たようなステキ写真を量産してるわけですが、一方では超広角を使いこなせない現実もあると思いますね。
巨大な全体像が放つ圧迫感、その場での専横的な立ち振る舞いなど、超広角でしか撮れない意味・意義がある。
でも、それがまず被写体として非現実的だから、余計に異様な写真・画角だと思われてしまうのでしょうけれどね。笑

はっ、超広角シフトレンズがたった一つの正解……?(ザ・異常心理)

to-fu 23-04-28 (Fri) 14:14

> 狛さん
加茂の大クスとはまた違ったベクトルで美しいクスノキですよね。
規格外に大きくて広がりのある枝張りを多角的に楽しめる。撮影するには最高の巨樹だと思います。
仰るように「ああ、広角レンズの到着が間に合ってよかった!」と神に感謝しましたよ 笑

超広角って下手に迫力を本物より誇張できてしまうので、超広角的表現に頼ってしまうと記事を読んですっげえなあ…なんて
思ってくれた人が実際訪れてガッカリ…ということにもなりかねないのが難しいです。そういうのは避けたい。

実を言うと狛さんの「阿豆佐和気神社の大クス」の記事を読んで、超広角も使いようだなと気付かされまして、
私も積極的に導入してみようと思い立ちました。これ一本では難しい巨樹も多いけど、これがあるとより理想に
近い撮影ができる巨樹もある。当たり前の話ですが適材適所ですね。高いおカネ払って買った機材なので、
今後はフル活用しようと思ってます。

超広角シフトレンズは建築物を撮る人だけでなく、巨樹カメラマンにも渇望される一本ですよねえ 笑

MK1121 23-04-28 (Fri) 15:24

ひょんなことから東京発一泊二日で岡山・香川(三豊)・松山・しまなみ海道・尾道のドライブ旅に行くことになりました。
降って湧いたような友人からの誘いでしたが、なんと志々島をかすめる旅程ではないですか。
to-fuさんのブログを拝見していなかったら志々島も大楠も知り得ませんでしたが、これも何かのお導き!?、
須崎食料店でうどん食ってから志々島往復してみようかと思ってます。

こんなことならOMの7-14mm F2.8 超広角ズームを売らなければよかった、
K-3III モノクロームと三姉妹をお迎えする為に、先週ドナドナしたばかりです。
買ってから1年以上全く出番がなく手放した矢先、絶好の撮影機会が
来ようとは、なんともタイミングが悪いです、あと数日違えば手放さなかったのですが。

ということで、勝手に出鼻を挫かれた思いで撮影意欲は少し削がれましたが(笑)、
さらに青々と繁った大クスを目の当たりにするのが今から楽しみです。
(友人の優先順位は圧倒的にうどんなので、うどん食ってる間にフェリーに
乗り遅れたら万事休すです)









 

to-fu 23-04-29 (Sat) 13:48

> MK1121さん
おおお!一泊二日でしまなみとはなかなかの距離ですね!
志々島は船の便が少ないので時間的に厳しいかもしれませんが、もしタイミングが合えば是非とも大クスを見ていただきたいです。
ちょうど花粉や黄砂も収まってきましたので志々島が無理でも瀬戸内の海沿いはフォトジェニックだと思いますよ。
天候に恵まれたらしまなみなんて良い写真が撮れるでしょうねえ。
(私はこの数年で二度しまなみに行きましたが、超曇天と一寸先は霧状態でろくな写真が撮れませんでした 笑

超広角を手放されたのは残念ですが、ここは敢えてK-3 IIIモノの活躍のチャンスではないでしょうか。
モノクロームの瀬戸内海、そしてモノクロームのうどん(立体的で以外にモノクロ向きの造形かも)…楽しみにしております。
しかし香川のうどんはどこで食べても美味しいですよねえ。しかも安い。
私が香川県に移住したらうどんの食べ過ぎで数年内に糖尿病間違いなしだと思います。

MK1121 23-04-30 (Sun) 8:30

はい、うどん食べて13時過ぎのフェリーで行って15時のフェリーで帰ってくるという
強行日程なので、行けるかどうかはうどん次第です。
確かに、モノクロームうどん、被写体として最高かもしれません。

K3IIIモノクローム、届きました。初めてのPENTAX機ですが、とても気に入りました!
ハードウェアとしては、一番好きなカメラかも知れません。確実にA7RIV/OM-1/GFXよりしっくりきます。
私の手に収まる絶妙なフォルムと見た目以上の重さ、でかいペンタ部、見やすいOVF。
一番は、マウント部が飛び出していて(そこが不格好だなぁ。。。と買うまでは嫌だったのですが)、
その飛び出しが手のひらにちょうどフィットして撮影に集中できる感じです。

初夏のしまなみ海道をモノクロだけで撮影する、ロマンありますね〜 

K3だけでいくのか、、、ここは覚悟が試されます(笑)。
でもそういう邪念を捨てる為にモノクロ専用機を買ってみたので、
これは今後のK3との付き合い方の試金石になりますね。

ちなみに、連れも私もすでに糖尿病持ちなので、こちらも決死の覚悟で
香川のうどんを食べたおす所存です。

to-fu 23-04-30 (Sun) 11:04

> MK1121さん
PENTAX機は実際持ってみると質感いいですよね。
コロンとして可愛らしいのに、手に持つと中身がみっちり詰まっているような質実剛健さが感じられます。
最新ミラーレスと比べるとAFが鈍くさかったり背景に抜けたりと色々ストレスもありますが、我々のように
デジタルMというAFすらない遺物も使っている人間からすると些細な問題に感じられます 笑

K-3だけで行くのはかなりの覚悟が必要ですね…
カラー機も持って来るべきだった!と叫びたくなるのは想像に難くないですが、そこまでしたからこそ
得られる一枚や旅の思い出もありそうな気がします。私ならどうするか。やはり出発前夜まで悩むでしょうねえ。

ご病気の件、大変失礼いたしました。
美味しいうどんを食べまくって春の瀬戸内の景色を満喫してきてください!
(私もしまなみリベンジしたくなってしまいました…尾道も雰囲気いいですよねえ。)

yuriy 23-04-30 (Sun) 16:26

素敵な写真の数々をありがとうございました。御馳走様です。
眩しすぎて直視できないほど、後光が射して見えました。
ちょっと寸足らずな胴に見えたのは、幹が地中に隠れているのせいでしたか・・。
色々と想像を超えてくる生き物ですね。
各地の御神木や巨樹は、神さんが降りてくる依り代として崇め奉られる存在ですが、
この大楠だけは、これそのものが神さんにしか見えないところが凄い。
夜中に突然喋りだしても、たぶん違和感なく会話に応じられる気がします。
むしろ喋りたい笑。

to-fu 23-04-30 (Sun) 21:28

> yuriy.さん
そうなんです。本当の根元は地中に埋まっているらしいのです。
大クスの根っこが支えていなかったらあの周辺全域の土が海に流れて崖のようになっていたかもしれません。
ああ、やっぱり島の守り神なんだなあと。

私もこのクスノキは樹木という存在から昇華して、神様とかもっと位の高いモノになっているように感じます。
たくさんの巨樹を見て回ってきましたが神様のように感じたのは、この「志々島の大クス」と岐阜の「石徹白大杉」だけですねえ…

大クスとの会話は是非してみたいですね。
実は宿泊したとき、夢に出てくるかも!と少し期待したのですが、疲れのあまり夢すら見ずに終わりました 笑

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