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FUJIFILM X-H2のダメな点


FUJIFILM X-H2 / FUJIFILM XF 35mm F1.4 R

GFX50S IIのサブ機としてX-H2を導入してから3ヶ月が経過しました。
まず誤解の無いよう申し上げておきますが、とても良いカメラです。もちろん気に入っております。
というか、この令和の時代に発売されるデジタルカメラがダメダメなわけがないのです。
ミラーレス黎明期の平成末期であれば迷カメラに珍カメラ、果てはクソカメラまで存在しましたが、現在はもうそんな段階ではありません。
今のデジカメはどれを買っても完成度が高いし、何ならチャレンジングな機種を開発する余裕なんてカメラ業界にはなくなってしまいました。

とても良いカメラだ。買って損はない。今すぐ買え、X-H2を。
そんな前提の元、個人的に気になって仕方がない点を2つだけピックアップします。
だって世の中「これは良いカメラだ!買ってよかった!」ってレビューばかり溢れていても気持ち悪いじゃないですか。



・相変わらずのサッポロポテト現象が目立つ


ご存じですか?サッポロポテト現象。
詳しくは調べていただければと思いますが、右上のドット柄みたいになった規則的に並ぶゴーストがそれです。
元々どんなデジカメでも構造上起こりうる現象で特にSIGMA dpシリーズに顕著だと言われますが、実はX-Trans CMOS機もこれが発生しまくります。
(というかこの写真でもかなりマシな方。酷いときはまんまサッポロポテトな模様がガッツリ写り込みます。)
逆光に向かって撃て!すると簡単に再現できるはず。他社の現行デジカメではまずお目にかかることはないと思われます。

かつてX-Pro2、X-T20を使用していた頃から気になって仕方なかったクリティカルなネガなんですけど、不思議と世間ではあまり声を聞きません。
恐らくX-Trans CMOS固有の問題だと思うのですが、最新センサーなら解決しているだろうと甘く見ていた私が悪かった。全くの未解決でした。
現行X-Trans CMOSは素晴らしい解像感で一昔前のフルサイズセンサー(我が家ならLEICA Q、PENTAX K-1)となら互角に戦えるとすら感じます。
が、私はこのサッポロポテト現象が解決(あるいは超軽減)されるまで、FUJIFILM Xマウントをメインに据えようとは考えられません。

なお通常のベイヤーセンサーを用いるGFXにもX-Trans CMOSを!との声を一部で聞きますが、個人的には断固として反対します。
脱ベイヤーするなら私は黙ってGFマウントから離れよう…というレベルで反対。
何でみんなこのSP(サッポロ・ポテト)センサーを異常に持て囃すのか私には理解できない。



・質感、チープすぎません?


なんだろう。手に持ったときアガる感じと言うのでしょうか。全く感じなくないですか?少なくとも私は全くアガらない。
全体的に漂うそこはかとない安っぽさ。具体的に申し上げるとボタンを押したときのフニャフニャした感触とか。
視覚的に分かりやすいのはここか。フラッグシップ機を名乗りながらボタンやボディに文字をプリントってどうなん?と。
分かりづらいですかね。


では比較画像を出しましょう。

同社のGFX50S IIのボタンですが、単にボタンに文字をプリントするのではなく文字のところを凹ませて白い墨が入れてあります。
なお、DISP/BACKの箇所や軍艦部に刻まれたON/OFFやモードダイヤルの表記等も同様にボディを凹ませて墨が流し込まれています。
細部へのこだわり。フラッグシップ機ってのはそういうものなんじゃないのか?と。

GFXを持ち歩いているとよく高そうなカメラですねえ、なんて声をかけられるのですが、正直X-H2はせいぜい10万円くらいのカメラにしか見えません。
いえ、庶民の私には10万円のカメラ自体が高級機なわけですが、実売価格より遥かにチープに見えるフラッグシップ機とは?と甚だ疑問に感じます。
ラージフォーマットとAPS-Cの違いがあるとはいえ、GFX50S IIってラインナップの中では廉価機に位置するのでは?

ちなみにこれを上位ラインに徹底できているのがSONY、Canon、Nikonという売れ線の上位者たち。
流石ですね、売れるメーカーは分かっているのです。売れるには売れる理由があるということです。

たぶんそこまで頭回らないんじゃないの?と思われるのがOM SYSTEM、そしてPENTAX。
フラッグシップ機たるOM-1もK-1もダメダメで「こういうところだよな」と残念な気分にさせられます。
ちなみにOM SYSTEMやPENTAXはコストカット以前にそういう審美眼が無さそうなのでワタクシ的には無罪判定。
GFX機で出来ていることがXマウント機では出来ないFUJIFILMさんは悪質で、これはもうコストカット以外の理由が考えられません。
C社N社のレフ機上位ラインをお持ちの方がX-H2を触ったら、間違いなく「ふん、所詮ミラーレスなんて女子供のオモチャよ」と感じることでしょう。
※女性、お子様に他意はございません。ワタクシ子煩悩で愛妻家のおっさんです。

せめてフラッグシップ機くらいは質感にこだわってくれないだろうか。
開発者なら自社のカメラを愛でていないで他社のカメラを触りまくっていてほしい。触った上で何も感じないというならもうアレですが。
手に持った瞬間もう塀を飛び越えて写真を撮りに行きたくなってしまうくらいテンションのアガるカメラを何卒。

ということで気になる2点でした。

コメント:2

RYO-JI 23-04-29 (Sat) 21:33

相変わらず切れ味鋭いto-fuさんならではの説得力あるレビューですね。
サッポロポテトは好きですけど、この現象はちょっと困りものですね。
普通のゴーストくらいなら気になりませんが、これはちょっと。
OM SYSTEMとPENTAXが無罪判定だったくだりは爆笑でした(笑)。
ユーザーではなくとも充分楽しませてもらいましたよ。

to-fu 23-04-30 (Sun) 10:47

> RYO-JIさん
かっぱえびせん派の私としてはサッポロポテト現象は受け入れがたいのです…
少し絞り込むと写り込み始めるので、カチッと写したい巨樹撮影だとわりと致命的なんですよね。

OM SYSTEMはこの令和の時代にPCとカメラをUSB接続しないとファームアップできないんですよ?信じられます?
Nikonさん然り、売れているところはテスターのカメラマンもしっかりしてますし現場の意見を上手く取り入れてますね。
マイナーメーカーはそもそもテスターも自称写真家みたいな人が多くて色々アレなんだと思います。

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