- 2018-06-01 (Fri) 17:28
- Carl Zeiss Sonnar 2.8/35 ZA | FUJIFILM XF 10-24mm F4 R OIS | カツラ | 兵庫県 | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別)
FUJIFILM X-T20 / XF 10-24mm F4 R OIS / Film Simulation PROVIA
SONY α7II / Carl Zeiss Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
さてさて。本日もちょっとだけ巨樹を巡ってきまして、ストックの数がえらいことになって来ました。どの巨樹も感動が新鮮なうちに言葉に変えてしまいたいわけですが、とりあえずまだ感想等をノートに書きつけていないこの「三方の大カツラ」から取り掛かることにします。
三方の大カツラは先の5月29日「常瀧寺の大イチョウ」の後に訪れた巨樹で、常瀧寺から車で30~40分くらいのところに位置していました。
丹波市指定天然記念物。幹周12mは兵庫県最大の「藤坂の大カツラ」と同サイズながら、13本の株立ちの姿だからなのか正式なランキングから除外されている悲運のカツラです。(ちなみに兵庫県にはこれまたランキング外ながら幹周19mの「糸井の大カツラ」という巨大カツラも存在するのです。)
ランク付けする以上は当然ルールに則るべきで、そのルール内においてOK、NGの線引きが必要になるのは仕方ないことでしょう。ただそんなものは所詮人間が人間のために作った他愛ない基準であって、樹そのものの価値とは何の関係もないものだと考えています。
このカツラは僕が愛読する巨樹の大センパイが訪問記事で大絶賛されていたもので、今回の丹波探訪にあたって絶対に行かねばならんなあと思っていた巨樹なのです。
こんなことを書くのは大変おこがましいのですが…正直なところ、出会った瞬間のインパクトはそこまでのものではありませんでした。「あぁ、確かに立派なカツラだなあ」といった具合で、それはあの対峙した瞬間に脳天を思いきりハンマーでぶん殴られたかのような衝撃(いや、死ぬって)からは程遠い感情でした。期待値が高まりすぎていたのかもしれません。
しかし不思議なことに、カメラを持ってこのカツラと向き合っていると時間の流れが変わったのです。ふと気付けば2時間近くこの巨樹と対峙していました。これは出会った瞬間インパクト型の「常瀧寺の大イチョウ」や「藤坂の大カツラ」を超える、自分が1本の巨樹と向き合っていた時間の最長記録だと思います。
原因は自分でもよく分からないのです。ただ本当に時間を忘れるくらい心地いい空間だったんだろうな、と。こんなタイプの巨樹もあるんだなあ。
画像ではよく見えませんが、この幹の根元に空洞(といっても傷みによる空洞化ではなく、幹と幹の間の隙間のような感じです。)があって、そこをくぐることが出来たら神のご加護が与えられるそうです。奈良の大仏のアレ的なアレですね。
うーん…これは…挟まりそうだぞ。
少年の心を持ったオッサンとしては試してみる気満々だったわけですが、空洞に巣を張ったクモが「てめえ入って来るんじゃねえぞ!」なんて巣をグアングアンと揺らしまくって威嚇していたので止めておきました。まあ、多分入ったら途中で挟まって抜けられなくなっていたと思います。
何か色々と着生しています。先の「常瀧寺の大イチョウ」でも同じことを感じましたが、もうこの大きさの巨樹になると1本の樹の中に主従関係というか小さな生態系のようなものが出来上がっていますよね。
(どこから撮影しても13本写らない…)
結局最後まで13本あるのかないのか、よく分かりませんでした。
「藤坂の大カツラ」のような神々しさを感じる巨樹ではないと思う。
でも、こうして見ても本当に文句なしに素晴らしいカツラだ。
車から降りるとすぐこの光景なので、ちょっとカタルシスに欠けるのかもしれない。レンジでチンするサトウのごはんの如く、あまりにもあっけないのですよ。やっぱり悪路に耐えて耐えて耐えた先に、勿体ぶって葉っぱの隙間からチラチラ現れる大ボスのような巨樹と比べてしまうのはちょっとアンフェアだわさ。
次回は同じルートを「三方の大カツラ」→「常瀧寺の大イチョウ」の順番に訪れてみると結構印象が変わりそうな気がしています。
三方の大カツラ
丹波市指定天然記念物
樹齢 約300年
樹高 約30m
幹周 約12m
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コメント:4
- 狛 18-06-03 (Sun) 23:08
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不思議な空間演出力(というのかどうか知りませんが)を備えた桂なんですね。
これはその場に身を置いた人しかわからないものなのでしょう。
うーん、確かにそうだ、どうしても僕は神々しい藤坂のカツラの方になびいてしまいそうですが(笑)、気づけば2時間というのはすごい。
何か感じなければ、そこまではなかなか居ないものですよね。
その先達の方の大絶賛というのも、どういう感じなのか読んでみたいもんです。
なかなか大絶賛というほどのを読んだ覚えがないですし……なおさら不思議な桂だと思うかもしれませんが(笑)。
巨樹ストックが蓄積してきましたか! これはもうプリントしてファイルしてめくってニヤニヤするしか。
あるいはカード状にして並べて、ニヤニヤするしか。
でもほんと、訪問時に感じたことは余さず記しておきたいものですね。必ず何かを考えるので。 - to-fu 18-06-04 (Mon) 20:41
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> 狛さん
このカツラは発見した興奮を抑えきれず狂ったようにシャッターを押したくなるタイプの巨樹ではないように感じます。
僕も藤坂の大カツラと三方の大カツラのどちらか一方しか見られないとなると、絶対に藤坂の山を登ってしまいますね。
ただ何でしょう…経験値の乏しい自分にも、この樹には何かがあるということだけは分かりました。狛さんのようにもっと多くの巨樹と向き合ってから再訪すると、今とは違った印象を受けられるのかもしれません。
僕も気に入った巨樹くらいはプリントしておきたいなと思ったのと、あとはやっぱりリアル地図にゴチャゴチャ書き込みながら自分だけの巨樹マップを作りたいなーなんて考えてます。ちょうどいい地図がなかなか見つからないんですけどね。
そういえばあの四本杉。先達の方のログを読んでいたら、ほふく前進で最下段の電撃ロープをくぐって入ったらしいですよ。年甲斐もなくヤンチャしちゃったぜ!なんて思ってましたが上には上がいますね 笑 - RYO-JI 18-06-06 (Wed) 21:23
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どうもカツラ初心者の自分です(汗)。
先日の福井旅で初めてカツラの巨樹を見た訳ですが、これはそれと全然違っていてビックリ。
というかこれが少し異質なんでしょうか。
カツラと言えば、ヒコバエだらけでそれがどれで何が幹なんだって感じなんですけれど、
これはどれもが幹に見えるし、イメージするカツラとはまったく違う樹種なんじゃないかと思う程ですね。
正直、私的には一本の樹木なのかどうか判別できないんですが、そんなことはどうでも良くて単純に存在がスゴイですね。
ほんと色んなヤツがいて面白い世界ですよね(笑)。 - to-fu 18-06-07 (Thu) 16:46
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> RYO-JIさん
僕もひこばえで覆われたものばかり見てきましたが、各センパイ方のサイトを見ているとこのような株立ちのカツラはむしろスタンダードなものらしいですよ。うーん、やっぱりひこばえがワサーっと茂っている方がカツラらしいなあと思ってしまいます。
根元が1本で、そこから枝分かれするように幹が伸びていれば1本の巨樹と認められるようですね。
正直なところ僕も見ている分にはそんなことどうでもいいかなと思ってしまいます 笑
凄い巨樹は理屈抜きに感動しますもんね。
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