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京都府京都市北区 讃州寺跡の五本杉


Nikon Z f / Nikon NIKKOR Z 24-70mm F4 S

毎年こっそり紅葉を眺めに来ている鷹峯の讃州寺跡。
すぐ近くに源光庵や光悦寺といった混雑スポットがありながらも、ここに来ればほぼ確実に一人きりで紅葉を楽しむことが出来る。
然林房の西に千束坂という勾配率21%超えの超激坂があり、その坂の麓に入口があります。
言葉で説明すると難しいのですが千束坂の目の前に立てば誰もが「ええ…この坂ね 笑」と苦笑いするに違いなく、迷うことはないかと思います。
私は一度だけ自転車で千束坂チャレンジしましたが、あまりの急傾斜に前輪がウイリーしてひっくり返りそうになったので諦めました 笑

そういえば讃州寺の本堂の目の前に立派なスギの木が生えていたのを思い出したのです。


今年はもう随分と紅葉が散った後の訪問となりました。
この石段を登った左手に目的の五本杉がそびえているのですが、ちょうど隠れてしまって見えませんね…


本堂側から眺める。
潔さすら感じるほど堂々とした合体樹ではあるけれど根元もまとまっており見事な立ち姿。

樹齢は伝承350年。
元々讃州寺は室町幕府の讃岐守だった細川成之が別の地(詳細不明。やはり現在の香川県?)に創建し、17世紀中頃にこの鷹峯の地に移転しています。
移転の際にスギが植えられたと考えると樹齢350年の整合性があるように思えます。


5本同時に写すのがなかなか難しいのですが…分かりますかね。
ちなみに左側の2本は地上10mあたりで折損しており、残る右側3本の幹が空高く背を伸ばしている状態です。


(今回自転車だったのでハンディサイズのミニ三脚で…流石にフルサイズ機+ズームレンズは苦しかった。)

樹齢350年ということでスギの巨樹としてはまだまだ今後に期待といったところか。
とはいえ真下から見上げると流石に迫力があります。迫力そのものに合体樹だとかそんな理屈なんて関係無いわけで。
周辺に高木の少ないお寺で静かにたたずむ大杉というだけでオーラがあると言いますか、ただならぬ雰囲気を感じます。
たぶんこのスギを知る方なら巨樹に興味が無くても「ああ、あれか。たしかに存在感あるわ。」とご理解いただけるのではないか。


環境省の巨樹DBはもちろん、恐らく数ある巨樹サイトでもまだ紹介されていないスギだと思います。
幹周6mクラスの合体杉ということで巨樹界のレギュレーションに当てはめると地位は低くなりますが、雰囲気いいんですよ。本当に。


24mmの広角レンズでは収まりきらない背の高さ。
誰もいない静かなお寺をうろうろ歩き回って巨樹を撮影して、ちょっと腰掛けて紅葉を眺めながら一休み。
おごそかなスギの大木がこの静けさと最高にマッチするのです。


この静けさには秋冬の冷たい空気が合う。おすすめの訪問時期はやはり紅葉の秋ですね。
京都の紅葉スポットはとにかく混雑しますから、鷹峯エリアの有名寺院…からの讃州寺跡で一休みは個人的に結構イケてる散歩コースではないかと。
そのまま歩いて南下すると吟松寺→しょうざんリゾートの辺りまで混雑なしで綺麗な紅葉が楽しめます。

2023/11/24訪問
「讃州寺跡の五本杉」
樹齢 推定350年
樹高 約40m
幹回り 約6m

京都府京都市北区大宮釈迦谷

コメント:6

23-11-26 (Sun) 21:59

どこか北茨城の奥地みたいだ、と書いたら、違う!と怒られるかもしれませんが笑、見るからにひっそりとした空気がいい感じです。
まあ、茨城の北は自分以外ホントに誰もいなくて、寒々しくておっかないんですけども……
ここは優先度的に観光客には回る余裕がないか、そうでなくても急な坂が訪問者をふるいにかけてるかも。
地元の人だからこそ訪ねられるスポットのような雰囲気を感じます。

五本杉は収まりのいい姿形、大きさですね。
異常に分岐しているわけでもなく、つい力んで「樹齢1200年ン!」と言い出したくなるようでもなく。
歴史相応に大きいのは確かだけど過度に主張しすぎない、紅葉とともに絵になる風景を作っていると思います。
通好みかもしれませんが、こういうのがまたいいんだよ、などと言わせてくれそうな巨樹ですね。

RYO-JI 23-11-26 (Sun) 22:47

廃寺にこんな見応えある合体スギが・・・そりゃto-fuさんがゆっくり過ごす訳ですね!
紅葉という時期も良いでしょうけど、廃寺にあるというのが惹かれます。
しかもあらゆる巨樹サイトにも紹介されていないだなんて山奥ならまだしも、うーむ、不思議でなりません。
私だったら独り占め感があってより愛着が湧く存在になりそうです。

あと10年もしたら建物が朽ちてどう印象が変わるのか気になります。
が、ちょっとおどろおどろしい感じになって凄みが増すかもしれませんね。

to-fu 23-11-27 (Mon) 14:38

> 狛さん
この辺りはもうほとんど山間部の入口なので、気候的にも袋田の滝とかあの辺りの雰囲気に近いかもしれませんね。
一昔前までは雪が降るとタクシーに断られて家に帰れなくなってた。そんなところです。
おいおい、あのダイナミックな滝とただ何もない田舎を比べるんじゃねえよと怒られてしまいそうですが 笑
北茨城は巨樹的にかなりアツいエリアですよねえ。お引越しされる前にもっと案内してもらうべきでした。

合体樹、株立ち系統はまとまりの良さがキモになる気がしますね。
数字だけ立派でもただ細い単幹が並んでるだけじゃねえか、みたいなものも少なく…止めておきましょう。
リスト上では目立たないけど目の前に立つとオーラのある巨樹。こういうのと出会えると冥利に尽きます。

to-fu 23-11-27 (Mon) 14:45

> RYO-JIさん
そうなんです。撮ろう撮ろうと思いつつ忘れがちだった巨杉がこんなところに 笑
地元民的には有名寺院は観光客にくれてやるから、ここは放っておいてくれ。そんな場所です。
ということで私もこの闇サイトのようなブログで紹介はしましたが、GoogleMapでのレビューは控えました。

恐らく、ですが定期的に管理者の方が掃除に来られているのだと思います。いつ来ても境内が綺麗なんですよね。
イタズラ対策で閉鎖されてもおかしくないところ、わざわざオープンにして下さっている心意気に感謝です。

123 23-12-02 (Sat) 1:51

良いサイズの杉ですねえ
木は一見一本の木だと思いきや大昔別々の木が癒合していた物だったり
逆に別物だと思っていた代物が実はかなり低い位置で別れていたり複数幹を出しただけで
同じ個体だったりする場合があります
なので個人的には余程根元通しだけで更に距離がそれなりに離れてでも無い限りは一個体と思うようにしてます
そちらの方が夢もありますしね

しかしこの時期は気温としても風景としても良い頃合いなのでつい出かけたくなりますね

to-fu 23-12-03 (Sun) 16:52

> 123さん
仰るとおりで、見栄えが良ければ合体樹であろうが株立ちであろうが問題はありませんね。
環境省の測定基準はあくまでも目安の一つですから、リストの数字=巨木の魅力度は成り立たないと思います。
細かいレギュレーションは所詮人間が決めたもの。実際見て感動出来たらそれで充分です。

もうそろそろ景色も寒々しく変わり始めますので、この時期は毎年多少無理してでも出かけるようにしています。
夏も長いですが冬もやっぱり長いですからねえ。

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