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京都府京都市 藤木社のクスノキ


RICOH GR III

ここを目的地に決めていたわけではないのですが、運動がてら宝ヶ池までと自転車を漕いでいた通り道にあるもので今回立ち寄ることに決めました。今まで何度も前を通っていながら撮影を後回しにしていた巨樹。ちなみに私事ではありますが、ここで巨樹撮影していてGR3のセンサーダストに気付きました。巨樹は大抵F8まで絞って撮るもので…今まで主に室内で開放気味に撮っていたので気付かなかったんですよね。帰宅後即サポセンに怒りの電話(いえ、別に穏やかな口調でしたが…)を入れてリコー送りです。


さて、カメラの話はどうでもよろしい。ここ藤木社(ふじのきのやしろ)はすぐ側にある上賀茂神社(加茂別雷神社)の末社。クスの麓を流れる明神川の守り神として信仰されてきました。上賀茂神社は世界遺産にも登録されているくらい有名なので、訪れたことがあるという方も多いのではないでしょうか。反面、藤木社の知名度となると相当に低いのではないかと察しますが、ご覧のとおり周辺含めて非常に風流な景色が広がっており地区全体が保存地区に指定されています。立ち並んでいるのは上賀茂神社の神官の家系の社家。正直なところ外国人観光客だらけの祇園エリアよりこの辺りの方がずっと、古の京都の空気を色濃く残しているように思います。


藤木社に寄り添うようにそびえ立つのがこの「藤木社のクスノキ」。クスノキの巨樹としてはまだまだひよっこサイズかもしれませんが、周辺に高層階の建物が無いので非常によく目立ちます。また、街並みに溶け込んで生きる様が、いかにも人里の巨樹という佇まいで良い。巨樹に特別興味のない方でも、ついついスマホを向けて写真を撮ってしまいたくなりそうな、そんなフォトジェニックな雰囲気があります。


幹周4.2mということですが、ちょうど一番くびれた箇所で計測されているので可哀想な気もします。まあクスはそんなこと気にも留めないと思いますけれど。全身が着生植物だらけなのも恐らく気にしていないのではないか。少なくとも私が見た限りでは嫌がっているようには全く見えません。樹齢約500年。年齢以上にやたらと貫禄のある、心の広そうなクスノキではありませんか。いやいや…私もこうありたいものです。(たかだかデジタルカメラの初期不良くらいで苛立つなんて情けない。)


もう何がなんだか…ですよね。クスノキ恒例のノキシノブと、赤っぽい葉っぱのものはナンテンでしょうか。あとはもう何だかよく分かりませんが、不思議と痛々しい印象は受けません。だからこそこのまま放置されているのではないでしょうか。いえ、本当に見放された木であるとか、そんな印象は全く無いんですよ。


しつこいようですが、決してクスノキの巨樹としては目立った大きさではありません。先日紹介した徳島県の「壇の大クス」と比較したら1/5とか1/6とか、それくらいの大きさしかないかもしれませんね。でも実に良い木だと思うんです。理屈なしに気持ちの良い巨樹です。


仕方のないことですが、知る人ぞ知る抜け道ということでそれなりの交通量があります。地元京都ということもあって「落ち着く!ゆっくり眺められる!」とポジティブに紹介したいところなんですが、まあ実際あまり落ち着きません 笑 思うんですが、この手の保存地区くらい地元の方以外の自家用車を進入禁止にしてしまってもいいんじゃないですかねえ。


本当はこちらからのアングルも綺麗なんですよ。しかし最後まで引っ越しのトラックが停車していたので今日は諦めて撤退することにしました。あちら様はお仕事ですから文句なんてありません。また再訪して若干写真を差し替えたいですね。はい。

「藤木社のクスノキ」
樹齢 約500年
樹高 10m
幹周り 4.2m

コメント:4

RYO-JI 19-07-02 (Tue) 22:19

GRⅢ、そんなことに・・・。
それはいくら心の広い人でも許せないですよねぇ。
なんならもう手放されていても驚きませんよ。
私はどうもその辺が疎いのでセンサーゴミにそもそも気付かないと思います(笑)。
まぁそっちの方がある意味幸せですよね。

さて、ここ、学生時代に毎日のように原チャで通ってましたよ(笑)。
当時はそれほど交通量も無かったように思いますが、昨今の京都は人出がスゴイですからねぇ。
さすがにこのクスノキのことは覚えていませんが、いまなら興奮して撮ってますね。
そして風情のある街並みに相応しいクスノキじゃないですか。
決して自分が主役になるのではなく、街にうまくとけ込んでいる気がします。
計測場所によって巨樹ランクが下がってしまっているのはよくあるパターンですが、
やはりサイズで選んでしまってはいけないということを改めて実感させてくれる巨樹だと思います。

to-fu 19-07-03 (Wed) 13:53

> RYO-JIさん
私なんか心の器の大きさはお猪口にも劣ると専らの評判ですからね 笑
私も撮影中はちっとも気付かなかったんですが、PCで見るとあら不思議。参っちゃいます。
フィルム時代は大抵のアラなんて全く気になりませんでしたけど、デジタルは神経質になってしまっていけませんね…

良い通学路ですねえ。この辺りは当時とあまり変わってないのではないでしょうか。
本当に京都はここ5年くらいで一気に人手が増して雰囲気が変わってしまいました。たった10年前ともえらい違いです。
いやホント、京都も奈良もどうしてこうなっちゃったんでしょうね…
この巨樹は本当に街並みに上手く溶け込んでますよね。関西のクスだなあという感じがして好きです。
樹齢500年にしてはコンパクトに感じますが、あまり大きくなるとバッサリ行かれてしまいそうなので、
空気を読め!的な京都人の陰湿さをよく理解して自ら成長を抑えているのかもしれません 笑

19-07-04 (Thu) 10:21

さすがGR3は、ブログレベルではぜんぜん見劣りしない写り……コンデジだけで巨樹めぐりしたっていいんじゃないか?
……などと感心していましたら、もう入院ですか!
確かに、この段階でこういうことがあると、なかなか愛着を感じることが難しくなりそう……。

こちらのクス、町の風景とマッチしていて、まあ大きさのこともあるんでしょうが、どこかクスというよりはモミジの巨樹のような佇まいだと思いました。
秋になって、しれっと紅葉していても、なんら不思議を感じなさそう。笑
気候の差がもたらす変化なのかわかりませんが、同じ種類でも土地によって性格が違うように見えるところはかなり興味深いですね。
人間がその文化に当てはめてちょうどよく形作っているというところはもちろんあると思いますが、そんな風に微妙に変化しながら、土地・風土に溶け込もうとしているように見える。
この樹も、クスにしては(九州・四国勢には感じられない)品があるように感じました。

to-fu 19-07-04 (Thu) 17:31

> 狛さん
等倍に拡大してみても、シャープさや解像感はなかなかのものですよ。A3までの印刷なら全く問題ないと思います。
ただ、やっぱり絞り込んでも周辺の光量落ちが凄まじいですね。雰囲気を出すためにわざと残しているのかも。
スナップ撮影には面白い効果を生みそうですが、はっきり言って巨樹には邪魔なエフェクトですよね 笑

秋に訪れると着生植物たちが色付いて、モミジ感が一層強まりそうな気がしますね。
クスにしては佇まいがどこか風流ですよね。大胆さよりは繊細さを感じる巨樹です。
仰るように、僕もこのクス自身が風土に溶け込もうとしているように見えました。
そうやって考えてみると徳島のクスはやっぱり何処か徳島らしいし、彼らも色々考えて生きてるんでしょうねえ。
(その観点でさらに考えると、例のオリーヴみたいに他所から拉致してくるのはやはり好ましくありませんね…)

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