LEICA Q
ここ数ヶ月は月に一度か二度の遠出を楽しみに残りの日を完全に捨てて引きこもり、な生活を続けております。こちらは去る6月末日に再訪した巨樹。昨年からろくに巨樹めぐりが出来ない日々が続いていますが、そんな殺伐とした暮らしの中で(そんな暮らしの中だからこそ?)昨年訪問して特に印象に残っているのがこの途方も無いクスの大物「志々島の大楠」なのでした。この時期は定期的に訪れる睡眠障害に悩まされて神経がすり減った状態だったため、とにかくあの偉大な巨樹の麓でのんびり心身を休めたい…ただそれだけを目的に、香川県三豊市を目指します。
今回も恒例の深夜出発。与島SAでまだ夜明け前の瀬戸大橋を眺め、津嶋神社で日の出を拝んだら宮の下港へ。当然余所者の私は船内には入らずデッキに待機です。まあ私の場合、海に向かってパシャパシャ撮りたいのでコロナ関係なく毎回デッキですが 笑 わずか20分程度の船旅とはいえ、まだ朝もやがかった広大な海を眺めているだけで心が穏やかになっていくのを感じます。
そして志々島に上陸し、島の風景を撮影しながら大楠へと向かう。
大楠と対峙した瞬間の感動は…こんな時代だから、ということもあって言葉にできませんね。ええ、泣きそうになりましたよ。
白状すると当時の記憶を思い起こしながら記事を書いている今も泣きそうになっているくらいです。本当に酷い世界になってしまいました。昨年はウイルスが怖かったですが、個人的にはもうウイルスなんてどうでもいい。世界中で剥き出しになった人々の悪意が恐ろしい。この一年でとにかくそれらを避けようと、社会から随分と距離を置くようになってしまいました。それが良いことなのか悪いことなのか今の私には分かりかねますが、この地で1,000年以上も世界を眺め続けるクスノキの姿を見ていると、これでいいのかもしれないなと何となく安堵を覚えます。とにかく健全に毎日を生き抜こう。後は野となれ山となれ、です。
今回は撮影よりもむしろ時間の許すかぎりクスノキと向き合い、対話してみたかった。なので巨樹撮影用の一眼機は車に置いたまま小さなショルダーバッグにコンデジだけ詰め込んでやって来ました。コンデジとはいえLEICA Qは腐ってもフルサイズ機なので画質的には不満なし。Qの28mm単焦点だけでは臨機応変に対応できませんから初訪問の巨樹撮影には不向きかもしれませんが、再訪の巨樹とゆっくり向き合いたいときには悪くないチョイスだと感じました。
しかしこの素晴らしい立ち姿よ…
流れ落ちる汗を拭うためクスノキ前のベンチに腰掛けて瀬戸内海を眺めたり。
人間社会がどうなろうが、自然はいつだって変わらず美しい。
そう、美しいんです。他に言葉が出てこない。美しいなあ…と心が震えましたね。
やはり精神面がネガティブな方に向いているときはクスノキの大物を処方するのが一番効きます 笑
私と同じ便に乗船されていたご夫婦が来られたので、しばし場を譲って休憩。大楠の巨大さよ!
恐らく島を訪れる観光客の9割がハイキング目的なのではないかと。
世の中が落ち着いたら志々島に泊まって、私ものんびり島を散策してみたいものです。
最後に記念に一枚。
また遠くない将来この地を訪れることでしょう。
それまでどうかお元気で。
2021/6/29訪問
※巨樹の詳細なデータなどはこちらの過去の訪問記事をご参照下さい。
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