Home > FUJIFILM GF 32-64mm F4 R LM WR | ケヤキ | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別) | 滋賀県 > 滋賀県長浜市 柏原野神のケヤキ(八幡神社のケヤキ)

滋賀県長浜市 柏原野神のケヤキ(八幡神社のケヤキ)


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 32-64mm F4 R LM WR

「清滝のイブキ」を離れて向かったのがこちらの「柏原野神のケヤキ(八幡神社のケヤキ)」。
滋賀県最大のケヤキ…ということで数値だけ見ると僅差で多賀大社の御神木である「飯盛木」に軍配が上がりますが、あちらは樹勢の衰えが著しいため実質的にこちらが最大のケヤキと言ってしまって差支えないかと思われます。こちらにも5年前に来たことがあるのですが、日の入り直前の時間帯にして駐車スペースが見つからないという散々な状況だったので諦めてスルーせざるを得ませんでした。


そう、駐車スペースがない!
前回は私の立ち位置の手前側にある集落を徘徊したものの細い路地が続く一方でどこにも駐車することが出来ず、泣く泣く諦めたのでした。
信号の先へ50mほど進むと左手に老人ホーム「けやきの杜」があり、その正面が市民公園?の広い駐車場になっています。
けやきの杜に一言断り、今回はそちらに駐車させていただくことにしました。

なお、南北に抜ける国道365線を走る大型車の運転の荒さがゴッサム・シティ級なので信号を渡る際はくれぐれもご注意を。
私が信号を渡った際も赤信号に変わってとっくに数秒経過しているところをダンプが余裕で走り抜けて行きました。デンジャーすぎる。
過去には死亡事故も起きているとのこと。


巨大な岩のような主幹から多くの枝を伸ばすイソギンチャクのような形状。
周囲はチェーンで立ち入りが制限されており、やけにたくさんの解説板が確認できます。


デカい!!
あくまでも主観ですが、現時点でわざわざ他県から見に行くだけの価値を感じる滋賀県のケヤキというとこの巨樹くらいかなと…
全盛期の飯盛木もきっと見応えがあったのだろう、とは思いますが。(私が2018年に訪問した直前の巨大台風で大枝が倒壊していました。)


「八幡神社のケヤキ」として滋賀県の天然記念物に指定されているこのケヤキ。
八幡神社のケヤキなんて名称は恐らく全国各地に無数に存在するだろうということで「柏原野神のケヤキ」と呼ばれることが多い。
※偉大なる巨樹界の先輩のサイト、巨樹と花のページでは八幡神社の野神ケヤキとして紹介されていました。

滋賀県の湖東・湖北地方では巨木を「野神(のがみ)」として崇める風習があり、野神のスギや野神のカシなど多くの野神が点在します。
ロードバイクで野神めぐりするのも楽しいかもしれません。


平成3年時点では8.4mだった幹周が平成22年には8.96mにまで成長しています。
令和5年現在では恐らく9.5m近くに達しているのではないかと。

なお平成22年には滋賀県緑化推進会が土壌改良と枯れ枝の剪定等の治療活動を行っています。


無数のこぶが生み出す陰影が凄みを放つ。
幹の洞には矢のような飾りがぶっ刺してありました。何か伝承や謂れがあるのか。
毎年8月には五穀豊穣を祈願して野神祭りが行われるそうです。
近くで清掃されていた方の話によると、コロナ禍でずっと開催できなかったので今年は数年ぶりのお祭りなのだとか。


やはりケヤキの巨樹は真下から樹冠を見上げるのが一番気持ちいい。


小さな葉が風に吹かれてさらさらと揺れる音に耳をすませる。
生憎の曇り空でしたが、これが晴天だったらさぞリラックスできることでしょう。


広場側から。
根元が腐朽しているのが確認できますが葉の付きも良く樹勢は悪くなさそう。


ケヤキの巨樹の宿命と言ってもいい。内部の空洞化が進んでいそうです。
恐らく平成22年に治療されたものだと思いますが、腐朽した箇所が当て布で保護されています。


広場には小さな児童公園とベンチ、そのまま八幡神社の境内へと繋がっています。
撮影前に参拝しましたがすぐ側に国道が通っていることを忘れてしまいそうなくらい静かな空間でした。
写真右手のケヤキもなかなかのサイズ。


大阪能勢の「野間の大ケヤキ」のように遥か遠方からその巨樹を見るためだけに旅行プランを組むまでの存在感はありませんが、そうなるだけのポテンシャルは持っているように思います。このエリアの巨樹は私が知るかぎりでもここ10年内の台風で深刻な被害を受けている(先述した飯盛木の大枝折損だけでなく「唐川の野大神スギ」が倒壊、「天女の衣掛柳」が倒壊などなど…)ため、自然災害による被害だけが心配です。願わくば末永くこの柏原地区の野神として集落を見守っていただきたい。

2023/6/14訪問
「柏原野神のケヤキ(八幡神社のケヤキ)」
滋賀県指定天然記念物
樹齢 300年以上
樹高 22m
幹回り 8.96m

滋賀県長浜市高月町柏原739

コメント:6

RYO-JI 23-07-30 (Sun) 22:15

そうそう、〝野神〟という名称が独特でどれも凄みを感じるんですよねぇ。
(唐川の野大神スギも是非とも見ておきたかった一本です。)
八幡神社のケヤキというありふれたのではなく、野神のケヤキの方が絶対にいいです!

ケヤキもこのサイズになると重量感が半端ないですね。
力士を思わせる筋肉質なボリューム、樹皮から感じる歴戦のツワモノ感、にしては若々しい枝葉。
これは見ていて爽快だろうなぁと思ってしまいました。

『どうした?』と聞いてしまいそうになるほどの解説版の多さは自治体のドヤ感の表れかもしれませんね(笑)。

to-fu 23-07-30 (Sun) 22:46

> RYO-JIさん
広域にわたって「野神」という風習が残っているのもすごいですよね。
たしか、あの池寺の大スギも野神だったかと思います。
八幡神社の〇〇、白山神社の〇〇は多すぎて罠化しますからね…我々が揃って間違えた大野の白山神社のスギのように 笑

このケヤキはもう少し静かなところに立っていたらもっと注目を浴びていたのでは?という気がします。
国道365号線があまりに殺伐としてるので、ケヤキに気付かず突っ走ってしまう方が多いのかも。
ただケヤキ自身は駐車スペース皆無で本当に見たい人だけ見に来たらいい、みたいなこの感じが気に入っているようにも思えますね。

yoji.koyama 23-07-31 (Mon) 17:24

この季節の柏原野神のケヤキいいですね。
私が訪れたのは11月中旬だったので全く別の木のように感じます。
葉が元気な今の時期再訪問してみたいとこちらの写真を見て思いました。

to-fu 23-08-02 (Wed) 21:38

> 小山さん
ケヤキの巨樹は訪れる時期で随分印象が変わりますよね。
落葉時は枯死しているのでは?と疑うようなものも、春になるとまるで別モノのように
生き生きしていることがあって驚きます。

123 23-08-09 (Wed) 22:26

空洞や枝枯れはあるものの活き活きとした良いケヤキですねえ
菌等との戦いの証でもある要所の瘤も長寿の貫禄として味があります
サイズの割りに成長ペースも良いので大事にして欲しい巨樹ですね

to-fu 23-08-10 (Thu) 11:00

> 123さん
仰るように成長ペースの早さに驚きました。たった30年ほどでここまで変わるものか!と。
ケヤキは10mクラスになってくると、いよいよ空洞化や菌類との戦いが熾烈化してくる印象があるので
大切に保護してこの景観を守り抜いていただきたいものです。

コメントフォーム
Remember personal info

トラックバック:0

このエントリーのトラックバックURL
https://withphotograph.com/wp-trackback.php?p=30087
Listed below are links to weblogs that reference
滋賀県長浜市 柏原野神のケヤキ(八幡神社のケヤキ) from with photograph

Home > FUJIFILM GF 32-64mm F4 R LM WR | ケヤキ | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別) | 滋賀県 > 滋賀県長浜市 柏原野神のケヤキ(八幡神社のケヤキ)

CATEGORIES

Return to page top