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旅の断片 志々島の大クス ※2023年9月より今まで以上に近付けなくなりました


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR

志々島に渡った一番の目的はもちろん大クスの下で過ごす時間。
しかし残念なお知らせが…

既にタイトルに記載してしまったので何ですが今年の1月に大クスに触れられなくなったところに思いもよらぬ追撃。
少し離れたところに鳥居が新設され、そこから先に立ち入ることが出来なくなってしまいました。


ええ、今までの立入禁止区域よりもさらに遠巻きにロープが張られています。
今年1月の措置に関しては個人的にも以前から時間の問題だろうと考えていましたが、今回の措置はちょっと納得いかないのが正直なところ。
ここまでする必要あるのか?いや、大クスを守りたいという気持ちは私だってよく分かりますけれども。

島民の間でも賛否分かれたそうで某反対派の方曰く、自治会の強硬派が勝手に進めてしまったのだとか。
樹木医の診断でも「いやいや、そこまでする必要はないと思いますよ?」が最終的な見解だったらしいのですが。うーん。


もちろん大クスそのものの魅力が損なわれたわけではない。今だって何時間でも眺めていられる素晴らしい巨樹です。
しかし、どうしても以前なら感じられた親密さを損なってしまったような気がしてなりません。

大クスに惚れ込んで移住を決意した某島民の方、そして先日たまたまお話しできた某巨樹愛好家の方。
彼らが共通して仰っていたのが「最近の巨木への対応は過保護過ぎる」ということ。
私個人としても流石にこれはやりすぎだろう…と首をひねらざるを得ません。


大クスが倒れてしまったら私だって悲しい。その際に人的被害が出てしまったらもっと悲しい。
ただ思うのは、あまり過度に人から距離を離して崇め奉ってしまうと、むしろ人の心が大クスから離れることに繋がりかねないのではないか。
大クスも生物である以上、いつか必ず倒れる時が来る。ただ愚直に巨樹の長寿を願うよりも、今生きている巨樹とどう接するかが大切なのではないかなあ。
「高齢の両親の元に帰省すると疲労で寿命が縮んでしまうかもしれない。だからもう会いに行くのはやめよう。一日でも長生きしてもらうんだ。」
この極端な考え方が間違いだとは言いませんが、私には正しい選択であるようにも思えないのです。

率直に言って今まで見てきた巨樹の中で志々島の大クスがナンバーワンだと感じている私ですら、これはちょっと魅力3割減だな…とガッカリしています。


今回の措置の是非については恐らく今後も協議が続けられるのではないでしょうか。
(だいたい鳥居の新調にしても別に必要ないのにお金かけるのはそこなの?と憤りを隠せない様子 笑 私も旧鳥居が好きだ。)
私もイチ巨樹愛好家として、ちょっとこれはやりすぎじゃない?とは申し上げておきました。
まあ色々な考え方、価値観があるのは分かりますが、もう少し双方歩み寄った形で何とかなるといいな…とは思います。はい。


志々島の大クスよ、永遠なれ。
(しかし遠いよなあやっぱり。)

コメント:6

yoji.koyama 23-09-24 (Sun) 19:44

遠っ!
それは残念ですね。
ロープや柵はやはりエゴでしかない。
だいたい志々島の大クスはずっぽり埋まっている訳でそこいらの木々より強いはず
人が歩いて固くなるほど人はこないだろうし。
私なんかはto-fuさんと違って理不尽なルールを気にしないタイプなのであれですが、
観光客も折角の触れられる機会がなくなりますね。
いずれ発言力が強くなったら過保護な柵の撤廃を言いたい

to-fu 23-09-24 (Sun) 21:57

> 小山さん
仰るようにこのクスの場合本来の根のカタマリは地中深いところにありますし、そもそも一日に一体何人訪れるんだよ…という。
いやー、これが他に観光客のいない早朝だったら私もこっそりロープをまたいで入っていたと思いますよ。
現地で話を聞いても立ち入りを制限される理由が分かりませんでしたからねえ。

私も初見がもしこの状態だったら、遠方からわざわざ何度も足を運ぼうとは思わなかったかもしれません。
次回宿泊する際にもう少し意見をあげてくるつもりです。あまりにも悲しすぎる。

RYO-JI 23-09-24 (Sun) 22:02

新たな立入禁止ロープの設置は、クスの保護に必要であれば仕方ないことですよね。
志々島に限らず天然記念物を管理する自治体としては、それは是が非でも守らなければならない大切なモノですから
同じく守りたい自治会賛成派の行動も当然なのかもしれませんね。
(賛成派vs反対派のアレコレは人同士の関わり合いが濃い分、都会よりも田舎の方がより激しそう)
ただし、どこまでの範囲を規制するのが妥当かどうかは現地に行ったことが無い私にはサッパリわかりません。
巨樹愛好家という同じ視点で見てしまう私も恐らくto-fuさんと同じ思いを抱きそうです。

クスの保護もその理由だと思いますが、それより倒木や枝の落下による人的被害を避ける意味合いもあるかもしれませんね。
昨年だったか、どこかの小学校で大枝が落下して下敷きになった校長先生が亡くなられた事故がありましたし。
もし起これば責任問題に発展するのは必至で、管理者としてはこういう対策を事前にしておくべきとも言えますし。

巨樹記事にするほどでも・・・と思っていたスギの巨樹がある神社を先日通りかかったら伐採されていたんで近所のオジサンに聞いてみたんです。
そしたら倒木して下にある民家に何かあったらいけないということで宮司さんが伐採に踏み切ったらしいと。
神様はそんなこと(事故)は望んでいないだろうからと。

私もイチ愛好家として残念でならない気持ちはありますが、樹木の保護や人命などを守るためならこういう処置は仕方ないとも思います。
色々難しいですね。

to-fu 23-09-24 (Sun) 22:38

> RYO-JIさん
どこまで保護するのかに関しては正解がないだけに難しい問題ですよね。
地域性と言いますか、その土地に住む方の価値観によっても対応が変わって来そうなだけに、これだ!と断定できる答えがありません。
巨樹との関わりが親密そうに見える大阪なんか家が潰れようが隣人の巨樹と共存する道を選んでいる印象ですが、これが京都だと
何かのちょっとしたきっかけでバッサリいかれます。どちらが正しいかは分かりませんが、正しい道を模索し続けることに意味があるのだと思います。

ただ、人間と数百年共存してきた命を現代人の事情だけで絶つことの重みについて、我々はもっと考える必要があると思いますねえ。
本当にそこに道路を通す必要があるのか?家を建てるのはそこでないとダメなのか?などなど。
明治時代の神仏習合で多くの巨樹が失われたはずですが、今また同じ愚行を繰り返しているように思えてなりません。

志々島の大クスに関しては実際通った上で「1月の措置についてはやむを得ない、今回の措置は理解不能。」ですね…
多くの人々の人生を変えてきたくらい力のある巨樹。
私もこの巨樹に価値観を大きく揺さぶられた人間の一人として、こんな形になってしまうのは残念でなりませんよ。
賛成派も反対派もお互いに歩み寄って双方が納得できる答えを見つけてもらえたら嬉しいですね。

23-09-26 (Tue) 19:09

倒壊! とかではなくて良かったです。笑
冷淡な奴と言われそうですが、近いうちこうなるだろうとは思ってました。
「幹から謎エナジーを吸い取る変なテーマパークにはしたくない」、あるいは「そっとしておいてほしい」的な心情も感じつつも、遠地の人間としてはわかりかねるところで、今はまだ過渡期のようにも思えますね。

勿体ない、賢くない、無粋だと見えたとしても、傍観者としてはまず現地そのものを尊重する他ないですし、その現地で意見が割れているのなら存分に議論を続けてもらいたいです。
幸い過保護なくらい守られているし笑、なるべく視野を広くもって気長に待つべきかなと。
次の休暇にベストショット撮れないからといって☆1レビュー書いちゃう人にはなりたくないし、比較価値ばかりに踊らされてる人にこんなトコ来ないでほしいし。
それでも納得いかないなら、自ら乗り込んで島に改革を起こすしか! (そっちかも)

to-fu 23-09-26 (Tue) 19:53

> 狛さん
これ以上倒壊のニュースは勘弁していただきたいです 笑
なんと言いますか、志々島にかぎらず限界集落の観光客、移住者誘致の是非って世代間でも価値観が違うし必ず揉めますからねえ。
「ここままでは集落が滅びる、若い人を呼び込まないと派」と「もういいからこのまま静かに滅びさせてくれ派」。
巨樹めぐりをしていると今でも各地で感じることですが、10年後20年後には日本中こんな感じで揉めてるんだろうな、きっと…。

大クスの扱いに関しても、これはもう本当に議論を続けてもらうしかないのだと思います。
あの素晴らしさを肌で感じてしまった人間としては、これだけの感動の機会を次の世代から奪ってしまうのは
大きな損失だと感じるので現地で意見は上げてくるつもりですが。私としては島が滅びて定期船も廃止になったらやっぱり悲しい。

幸いなのは、人間がいかにワーワー騒ごうと大クス自体は何も変わらずここに立ち続けてくれているということですね。
島の未来がどのような形になろうと、こうして何かの縁で接点を持ってしまった以上ずっと見守るつもりです。
微力ながら何かお手伝い出来ればいいんですけどねえ。

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