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愛知県蒲郡市 清田の大クス


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR

国指定天然記念物にして中部地方ナンバーワンの大きさを誇るクスノキの巨樹。
愛知県の巨樹をめぐるため目立つ個体をリストアップすると嫌でも目に付く、ランドマーク的な存在ではないかと。
実は私も5年ほど前に訪問したことがありまして、その際もこの「清田(せいだ)の大クス」を軸にルートを組み立てた記憶があります。

気に入る気に入らないは別として、とにかくこの巨樹を見ずに愛知県の巨樹を語るのはモグリだ!と言っても大袈裟ではない。と思う。


まずこの清田の大クス。周囲一帯みかん畑に囲まれており、クスノキ周辺の細い路地は車両の通行が制限されています。
地元みかん農家の方の軽トラが頻繁に行き来していることもあり指定駐車場以外への駐車は絶対にお止めください。
徒歩2、3分のところに見学者用駐車場が整備されています。(GoogleMapsにも「清田の大楠の駐車場」として登録あり。)


このクラスのクスになればとにかくもうデカいに決まっていますから、駐車場から現地までそれはもうテンションが上がりっぱなしです。
気分はさながら遊園地のアトラクションに小走りで向かう子供のような…久々に童心を思い出しましたね。
朝っぱらからおっさん一人ニヤニヤしながら小走りする姿はさぞ不気味であったことでしょう。

おおお、5年前と何一つ変わらぬ雄姿!!分かっちゃいたけどデカい!!


幹周10mオーバーの健康なクスの巨樹という時点で既に勝利は約束されたようなもの。
スギの巨樹のような威圧感があるわけでもなく、ただただ大きく温かい。
集落の守り神を思わせるその立ち姿はクスノキの巨樹として理想的な姿に思えます。


おごそかで触れることも憚られる神聖な巨樹もいいものですが、この思わず抱き着きたくなるおおらかな姿こそクス巨樹の真価ではないか。
いえ、実際には周辺に柵があってクスの幹に触れることは出来ないのですが。
きっと数十年前までは地元の子供たちが木登りをして遊んでいたのだろうな…思わずそんな風景を想像してしまいます。


立ち昇る入道雲のような主幹から全方位に枝葉が伸びる。美しい樹形です。
まだ新芽が芽吹く前だというのに十分な生命感が感じられる。これは良いクスノキだ。


4月後半以降、新芽の淡いグリーンが混じり始めると一層美しい表情を見せてくれるのでしょう。
前回の訪問も真冬だったこともあって新緑の姿を拝めていないことだけが残念。


この数年絶え間なく四国の巨大クスを眺め続けてきた私にとって、本音を言ってしまうと驚異的な巨大さ!と感じるほどではありません。
それでもここまでの大きさになると中途半端な経験値など吹っ飛ばしてくれるだけのモノが感じられるから不思議。
普段どれだけデカいクスを見ていようが、慣れて感性が鈍ってしまうことはないのだなと。立派なものは立派だわ。ただただ、すごい。


朝日が射し始めると樹冠がきらきらと金色にかがやき始める。
これがまた美しくて…


早朝の色温度の低いクスノキもいいものですが、朝日に透けるクスの葉の美しさは格別。
この大クスに限らずクスの巨樹はぜひとも朝早い時間に眺めていただきたい。
あの空間全域を独り占めしている感覚は味わっておいて損はないように思う。


これはたまらんですな…


辺りには高い建物がないこともあって遠くからでもよく目立つクスノキ。
どことなく徳島県平野部的な雰囲気を感じる。


中部地方におけるクスノキの巨樹として代表的な存在であることから昭和4年に国の天然記念物に指定されています。
昭和初期に選定された国天にはちょっと首をかしげたくなるものも目立つ中で、このクスは文句なしの存在感を放っていると思います。

この辺りは明治初期までは巨大なクスが何本も生い茂るクスの林だったのだとか。今では清田の大クスたった一本のみ。
解説板から昭和10年頃のクスの姿が確認できますが、左下に見えるこんもりした樹冠はやはりクスなのでしょうか。
これらのクスたちも共に成長していたらさぞ素晴らしいクスノキの森になっていたかと思うと残念極まりない。
今後もまだまだ成長が期待できるクスノキだと思うので、残った大クスだけでもどうか元気に成長を続けてもらいたい。


愛知県を代表する巨樹「清田の大クス」。
他県から巨樹目当てで遠征するならまず真っ先に目指しておけば間違いないでしょう。

個人的には少し北にある岡崎市の「寺野の大クス」や「夏山の根上りスギ」などと絡めて回るのがおすすめ。
蒲郡岡崎エリアの巨樹がハイレベルすぎて、この辺りの巨樹さえ見ておけば味噌カツでも食べて帰ってしまってもいいのでは?と感じるほどです。

2024/3/13訪問
「清田の大クス」
国指定天然記念物
樹齢 約1,000年
樹高 22m
幹回り 14.3m

愛知県蒲郡市清田町下新屋91

コメント:4

RYO-JI 24-03-19 (Tue) 22:19

愛知県の巨樹と言えば真っ先に思い浮かぶ存在ですね。
それだけに実物は見たことなくせに『久しぶり!』と声をかけたくなるような親近感が(笑)。
姿形が特徴的なのもその要因のひとつかもしれません。
しかしさすがに大層立派なクスですよね。
ドンと太くてバーンと大きな樹冠、周囲が開けていてわかりやすくて気持ち良い。
珍しい樹種やしみじみ良いなと思える巨樹とは違ってストレートに凄さが伝わってきます。
一般の方々の目に留まりやすいこういう巨樹がもっと増えれば巨樹人気はもう少しアップするかもしれませんね。

to-fu 24-03-20 (Wed) 15:59

> RYO-JIさん
愛知県の巨樹といえばやはりこのクスノキですよね。下手な県内の巨樹よりも既視感があります 笑
私もこの趣味にハマって間もないころからマップにチェックしていたくらいですよ。

とにかく巨大なことは当然として周囲に建造物のない立地やアクセスの良さ、まさに理想的なクスの巨樹だと思います。
巨樹に興味を持ったらまずこういう巨樹を見ていただきたいですね。何故ただ大きいだけの木に魅入られる人間がいるのか、
何となくでも共感してもらえそうな気がします。この趣味に興味のない家族や友人連れでも気軽に立ち寄れる、我々にとって貴重な巨樹ですね…

24-03-20 (Wed) 21:55

地図を東から西に送っていくと「行けそうか?」という辺りで目を捉える巨樹ですよね。同時に、「ちょっと無理か……」という辺りでもあるんですけど。
なぜか「せいた」だと思ってたりもして、新たな発見でもあります。
巨大クスと呼ぶにふさわしい規模、洞窟化していない幹と大きな樹冠。うーん、素晴らしいですね。
確かに、九州や四国を巡ってきた後では衝撃的とまでは言わないかもしれませんが、上記のように東から西を目指す者としては巨大クスの登竜門のひとつとして捉えられるかも。
そう、いきなり九州に飛ぶんじゃなくて、熱海で来宮神社へ行き、この清田のクスに行き、大阪で薫蓋樟に行き、四国で加茂……と、巨樹巡りのあるべきストーリーとして、着実にクスロードを歩むべきだったんじゃないか。なんて。
それにしても、昔の人、重機類もなかったでしょうに、よくもまあ大クスの森なんかを切ろうと思うもんですよ。
おかげで巨樹の森を見られなくなってしまったと思うと、とてつもない労力かけて何してくれてんだ! と抗議したくなってしまいました。

to-fu 24-03-21 (Thu) 14:19

> 狛さん
「せいだ」は一発では読めませんよね。私も現地に行くまでは「せいた」だと思っていました。
こちらから見てもやはりあの岡崎~浜松あたりが東西の分水嶺的ポイントで、その先の静岡市とか焼津市になると
途端に東側のイメージが強くて特攻するには躊躇してしまいます。あの辺行くなら関東と変わらねえよなあ、なんて。

東から順にクスロードをめぐる旅は面白そうですねえ。やはり締めは鹿児島県の「蒲生の大クス」でしょうか。
私がもし学生だったら、くそ長い夏休みを利用してチャレンジするんですが…お金がないか。人生うまく行きませんね 笑

しかし屋久島の巨大杉然り、よくもまあわざわざ伐採したもんですよね。労力考えたら割に合わないだろうに。
数百年かけて成長した森をもう一度蘇らせるには当然また数百年育む必要があるわけで。
もうちょっと未来を見据えた考え方をしてほしいですねえ。それが文化に繋がるんじゃないの?と。悲しくなります。

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