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カツラ Archive

京都市左京区 貴船神社のカツラ 本宮・中宮・奥宮


本宮のカツラ FUJIFILM X100F / Film Simulation PROVIA
中宮・奥宮のカツラ FUJIFILM X-T20 / XF 10-24mm F4 R OIS / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak

以前も訪れたことのある貴船神社のカツラに会うため再訪。
前回(本宮のカツラ中宮のカツラ)はうっかりスルーしてしまった奥宮のカツラにもぜひ会っておきたいところです。


2月末は竹ぼうきのような姿でしたが、本当に別の木なんじゃないかと疑いたくなる変貌ぶり。


御神木というと何だか厳かに聞こえますが、この時期のカツラだけあってフレッシュで生き生きとした印象しか受けませんでした。


御神木たる神々しさこそ感じられないものの、この溌剌と枝を伸ばす様を見ていると元気を分けてもらっているような気分になりました。ああ、健康的で良い巨樹だ。


続いて中宮(結社)の御神木。
本宮のカツラより明らかに大きく、単にサイズだけで見ればこちらのカツラの方が見応えがあるでしょう。


緑の爆発だ。ひこばえがわっさわっさと茂っていて下からだと幹が見えないくらいです。


少しのぞき込んだだけでもかなりの数の支幹が伐採されていました。もし伐採せずに放置していたら藤坂の大カツラのようにヤマタノオロチの如く縦横無尽に伸びた幹が見られたのかな…ちょっと勿体ないですね。


カツラの葉っぱはハートの形になるということで有名。
縁結びの神社である貴船神社らしくて縁起が良さそうです。


お賽銭…なのか?カツラの木に5円玉を引っかけたところで絶対に良縁に巡り会えたりしないので止めていただきたいところです。


非常に立派なカツラなんですが、この中宮自体がこじんまりとした空間なのであまりゆっくり見られないんですよね。木の前に張り付いて写真撮ってると他の参拝客の方の迷惑ですし。ゆっくり眺めたい、向き合いたいなら本宮のカツラの方がオススメです。「単にサイズだけで見ればこちらの方が見応えが…」と書いたのには、そんな理由があります。

さて、前回発見できなかった奥宮のカツラを目指すことに。本宮の案内板によると本宮のカツラより立派だということなので期待が高まります。


うーん。これ…だよな。奥宮の境内ではなく奥宮の裏手にありました。


確かに主幹の太さ、樹高だけ見るとカツラとしてはなかなかのものかもしれません。しかしこれは…うーん。ひこばえも一切無いし。参拝客も一切訪れない裏手だからか、何とも鬱蒼とした雰囲気が広がっています。正直に言うとちょっと気味が悪い。


裏手に回るとナニカが木に打ち付けてあります。
枝を折るな!とかその手の注意書きかなと近付いてみると…


!?
あかんて…これヤバい奴やん…

敢えてピントを外しましたが3名の男性の名前が書かれたボール紙。実はこの貴船神社、かつては丑の刻参りのメッカだったのです。(実際今でもクギを打ち込んだ痕と思われるものが御神木から多数確認出来ます。)そして今でも丑の刻参りに来る人がいるとか、いないとか…なんて都市伝説がまことしやかに語られていますが、そっちのアレだとしか思えません。


何だろう。貴船の名木の中では一番人目につかないから、その手の愛好家たちにはやはり堪らないんでしょうか。この奥宮のカツラ、市の天然記念物指定されているんですが個人的にはあまり良い印象を受けませんでした。本当にこの周辺、何か変なんですよ。ちょっと淀んでるというか。後味悪いなあ。

奥宮のカツラ(本宮・中宮は以前記載したので割愛)
京都市天然記念物指定
樹齢 約400年
樹高 約37m
幹周り 約5.18m

兵庫県篠山市 藤坂の大カツラ 訪問3回目


FUJIFILM X-T20 / XF 10-24mm F4 R OIS / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak
FUJIFILM X-Pro2 / XF 23mm F2 R WR / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak


天気は雨。これはもう行くしかないなとウッキウキで身支度して篠山へ。
藤坂の大カツラに会うのはこの短期間で3度目なので文章は少なめで行きます。


 


ダメだ…何度来ても飽きない。
京都市内からだと結構な距離なんですが、何かもう遠く感じなくなってきました 笑


到着時はしとしと降っていた雨も30分後には本降りに。
X-T20とXF 10-24mmはどちらも防滴仕様ではないのでバッグに放り込んで防滴タッグとチェンジ。


雨降りの森林は陰影が際立って実にフォトジェニック。


しかし最近のズームレンズって凄いですね。
重さとサイズさえ無視してしまえばもう単焦点なんて要らないくらい良く写る。しかもこれ、結構軽いんだよなあ。普段使いなら単焦点が楽しいけれど、撮影を楽しむよりむしろ対話に重きを置きたい巨樹に限ればズームだけ持ってくれば事足りるのかもしれない。


びしょ濡れになりながらも結局1時間以上滞在してしまいました。
森の中で聞く雨音ってどうしてこんなに気持ちいいんだろう。
そしてこのカツラ…本当に好きだわあ。


拭いても拭いてもきりがないくらいに雨足が強まってきたので帰ることに。


さよならの1枚。
近いうちにまた来ます。

兵庫県篠山市 藤坂の大カツラ 再訪


FUJIFILM X-T20 / XC 16-50mm F3.5-5.6 OIS / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak

友人とちょっと山歩きでもしようか…という話になり、そういえば昨日鞍馬に行った際もうカツラの木に新芽が出ていたなあと思い出しまして、様子見がてら藤坂の大カツラに会いに行きたいと提案。ちなみにこれが前回の藤坂の大カツラ探訪です。雨上がりの前回とは違い今回は雲一つない晴天。霧がかった神々しい姿に感動したけれど、さてさてあの神秘的なヴェールを剥がれたカツラはどんなものなのか。


再会直後のファーストショット。
いや、やっぱり凄いわ。言葉が出ない。
まごう事なきカツラの神様ですわ。


まだまだ新芽が芽吹き始めたところ…といった感じですが、それでも前回とは違う生命観溢れる姿にやはり感動してしまうのです。


朽ちて命尽きる支幹を横目に「自分こそが次の幹だ」とでも言わんばかりにニョキニョキ成長するひこばえ。1個の巨大生命体の中にも生存競争があるのかもしれません。


人間ってちっぽけですよねえ。でもちっぽけだからこそ、このような巨樹の偉大さに感動できたりもするわけで。しかしソロプレイと違ってヒューマンスケール撮影が楽ですねー。基本集団行動があまり好きでないのでどうしても単独で動くことが多いto-fuさんですが、三脚立ててタイマーセットして走って…なんていう恥ずかしい姿を晒さずに済むなんて!と感謝の気持ちで一杯なのであります。ヒューマンスケール用に等身大のアイドルのポスターでも持ち歩こうかしら 笑


カツラは水辺でよく育つそうですが、この大カツラも横を流れる小さな沢の付近に根が集中していました。よくよく考えると凄い嗅覚だよなあ。


聞こえるのは小鳥のさえずりとカツラの幹が立てるギギギギ…という音のみ。
やっぱりここ、好きですわ。友人にも感動してもらえたようで何より。


去るのが本当に名残惜しい。
でもまた来ればいいのです。カツラ様はいつだって暖かく迎え入れてくれるから。
次回はまた雨上がりか、大雨の中のカツラ様に会ってみたい。

藤坂の大カツラ
兵庫県天然記念物指定・新日本名木百選
樹齢 不明
樹高 約20〜38m(30m強ではないでしょうか。)
幹周り 約13m

兵庫県篠山市藤坂 藤坂の大カツラ


FUJIFILM X-Pro2 / XF 23mm F2 R WR / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak
FUJIFILM X-T20 / XC 16-50mm F3.5-5.6 OIS / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak

安田の大杉前のローソンからさらに車を走らせます。国道173号線(綾部街道)を5kmほど北上して左折、県道300号線に入ってまた数km。すると「ここから幅員減少。走行注意。」みたいな看板のある区間に入ります。幅員減少区間を抜けてすぐの左手に藤坂の大桂の看板が見えるので、この付近のスペースに駐車します。近くにはナビに登録するような目印が一切無いので参考になれば幸いです。


農道をちょっと歩くと鉄扉で封鎖されているポイントに辿り着きます。
これは山中の野生動物が集落に降りてこないようにするための防護柵なので入ってしまってOK。ただし内側からまた栓をかけて施錠しておきましょう。(轍が見えますがあくまで地元の林業従事者のための道です。車で進入するのは止めましょう。見つかったら怒られると思います。)


林道を少し歩くと看板が。林道を逸れて沢沿いに登っていきます。


おぉ…結構先まで階段が見えるぜ…
実際登ってみると大した距離ではありませんが、かなりの急勾配です。転倒しないように注意。


おや、何か見えてきたぞ?
たぶんこの辺で興奮を抑えきれなくなると思います。
僕は転倒とか滑落とか一切頭から吹っ飛ぶくらいテンションが上がってしまい、自分がおっさんだということすら忘れて一気に駆け上がりました 笑


おぉぉ…あなたが神か!
荘厳なその姿はあまりに神々しい。これはもうカツラ神だ。
言葉にならない。ただただ呆気にとられてしまいました。


当然ながら事前に分かっていることですが、カツラは常緑樹ではありません。
正直なところあまり期待していなかったのです。
まあ場所も分かりにくそうだし篠山に行くなら下見程度に見ておこうかな、くらいの気持ちでした。


1〜2kmほど離れた春日神社の御神木とされていて、毎年5月10日には24本の小枝を切り取って祭礼用に用いているそうです。村の人々に親しまれ…の言葉どおり周囲はカツラのためのスペースがしっかりと設けられ、ここに至るまでの道程を見ても本当に大切に保護されていることが伺えます。


十数本の幹やこのひこばえに葉が茂ると、さぞかし生命観溢れる表情に化けるのでしょう。
祭礼用に切り取られるのは恐らくこのひこばえなんでしょうね。
どんなお祭りなんだろう。遠くからでいいからコッソリ見てみたいなあ。


空を見上げるとまるで幹が光に溶けていくみたい。
本当に美しい。


先程の安田の大杉とは打って変わって、このカツラを眺めていると時間の概念までが溶けて無くなっていくようです。
見て愉しむだけではない。吹き下ろす風を肌で感じ、霧を深く吸い込み、木々の奏でる音に耳を傾ける。
身体の五感がフル活動しているのが分かります。あぁ、こういうのを味わいたくて巨樹を回ってるんだよなあ。

何時間でもいられる。山を下りてしまうのが勿体ない。本当にそう思わされます。実際に2時間近く滞在していました。


幹が1本欠損していますね。
真下にその幹と思われるものが横たわっていましたが、恐らく20m近いのではないでしょうか。
その他の幹にも20m近いものが数本見受けられ、強めの風が吹く度にギギギギギ…と音を立ててしなっていました。
これがまた凄い迫力。


これは葉っぱの茂った季節にも絶対再訪しないと!
近所だったら毎朝見に来るのに…というくらい惚れてしまいました。
ここまでの感動は狛さんと京北の伏状台杉を発見したとき以来だ。


これはもうカツラの神様と呼ばせていただきたい。
再訪する時期だけが悩ましいのですよ。どうしようかなあ。当然葉っぱが茂ってから来たいのだけど、沢が近いこともあって梅雨〜夏頃にかけては致命的にヒルが多そうなのです。ヒル地獄だけは避けたいし4月末くらいかな。

このカツラは本当に文句無しにオススメですが、自分のようなソロプレイの場合クマとの遭遇と滑落には充分ご注意下さい。滑落に関してはろくに車どおりも無い県道にずっと車が停まっていれば誰かが不審に思ってくれる可能性が高いですが、クマ避け鈴を忘れた場合は一人カラオケでもしながら登山した方が良いでしょう 笑

– 追記 –
2018/4/19 再訪しました!

2022/5/2 何度か再訪していますが、本日訪問したところ大枝の折損を確認しました。詳細はこちら。残念ですが、身体の一部を欠損してなお素晴らしいカツラの巨樹です。

兵庫県篠山市藤坂 藤坂の大カツラ
兵庫県天然記念物指定・新日本名木百選
樹齢 不明
樹高 約20〜38m(30m強ではないでしょうか。)
幹周り 約13m

貴船神社 中宮(結社)のカツラ


FUJIFILM X100F / Film Simulation Classic Chrome → Velvia
FUJIFILM X-T20 / XF 18mm F2 R / Film Simulation Velvia / Grain Effect weak

本宮から中宮へ移動。
移動といってもほんの100m程度ですけど。


結社の由来です。
コノハナサクヤヒメというとアレですね。火を放たれた屋敷の中で出産したという織田信長も真っ青な肝っ玉母ちゃん。それにしても現代人のto-fuさんからすると別にイワナガヒメノミコトが恥じる必要なんて無いように思えます。しかし神話にツッコミを入れ始めるときりがないわけで。神話って日本のものに限らずどうしてまああそこまで過激な内容ばかりなんだろう。


結び文。
願い事はこうして形にしたり、日頃から口に出すことが大事だと思っております。


御神木の桂の木はそんな中宮の裏手にひっそりとたたずんでいます。
本宮の御神木より竹ぼうき感(そんな言葉無い)が強く、葉の落ちた冬にもかかわらず目を惹きますね。


こちらも樹齢約400年。
木に結ぶと枝が枯れ、あなたの気も枯れてしまいます。なんて素敵な言い回しじゃないですか。
昔は御神木に結ばれまくっていた記憶がありますが、たった一つの結び文も見当たりませんでした。素晴らしい。


暖かくなったら絶対に再訪したい…


周囲に御神木を遮る杉が多く、歩ける範囲も限られているので似たような写真ばかりになってしまうのですよ。
やっぱり撮影スペースが確保出来ない場所の巨樹を撮影するのに28mmではストレスが溜まるなあ。
次回はキヤノンと広角ズームのセットも持ってこないと。
ん?フジのラインナップに14mm、16mmの単焦点なんてのがあるぞ…

↓この桂の木に関しては何故か樹齢以外の情報が一切無いみたいなので推定です。

貴船神社 中宮(結社)の桂
樹齢 約400年
樹高 約30m(本宮の桂同等に見える)
幹周り 約5.5〜6m(本宮の桂よりは明らかに二回りくらい逞しい)

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