- 2019-11-24 (Sun) 17:06
- TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD | イチョウ | 岡山県 | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別)
SONY α7III / TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD
西日本のイチョウの巨樹としてはトップクラスの大物「菩提寺の大イチョウ」を離れ、同じDNAを持つ親木だという「阿弥陀堂の大イチョウ」を見るため山の麓まで戻ります。おおよそ15~20分くらいでしょうか。長閑な山道なので特にストレス無く移動することが出来ました。私は勝手に国道53号線沿いに立っているものだとばかり思い込んでいたので少し迷ってしまいましたが。国道53号線、奈義トンネルを抜けた北側すぐ左手にチェーン着脱用のスペースがあり、ちょうどその東側の小川を挟んだ先にそれらしきイチョウの巨樹を発見したのでした。
勿体ぶってもアレなので全景をどうぞ。ええ、ご覧のとおりあの凄まじい「菩提寺の大イチョウ」と比べると何とも…台風か落雷で折れてしまったのでしょうか、それこそ今年あちらの大イチョウにも被害をもたらした噂の広戸風によるものかもしれません。主幹は高さ10mに満たない辺りでゴッソリ欠損していました。県指定天然記念物ではありますが、当然それは高名な相方ありきということで、単体の巨樹として見ると見応えは無指定相当…と言わざるを得ません。
菩提寺の大イチョウの解説板にも書かれていたとおり、最新の調査でこちらのイチョウと同じDNAを持っているということが既に解明されています。このイチョウが推定樹齢1,000年と聞くと明らかにマユにツバですが、菩提寺の大イチョウが推定900年、こちら阿弥陀堂の大イチョウは親木とされているので100年プラスして約1,000年…といった具合でしょう。
どうなんでしょう。私としては菩提寺から持ち帰ったイチョウの枝を麓にぶっ刺して育てたものがこちらのイチョウなのでは…という気がしなくもないのですが、別にまあそういうことは大した問題ではないのかもしれません。
一部白骨化が進行しているものの葉の付きもよく「おらが地元の大イチョウ」としては申し分ない大木であるとは思います。地元の方々は観光客が押し寄せる菩提寺よりも、むしろこちらでのんびりと黄葉を楽しんでいるのでは。そんな想像が膨らみます。
白骨化した幹のアップ。よく見ると垂れ下がってきた気根が白骨化した箇所を飲み込み、覆い隠してしまおうとしているようにも見えます。
やはり特に風が強い地域なのでしょうか。枝が強い力でへし折れているような箇所がいくつも確認できました。強い吹き下ろしが襲いくる奈義町の開けた土地では、人智を超えた大きさにまで成長することは難しいのかもしれません。
立派なイチョウではある。でも単体の巨樹として見てしまうと特筆すべき見どころがあるとは言えない…というのが正直な感想です。せめて主幹の欠損さえ無ければ。これで樹高30mクラスだったなら相当なものだったと思うんですよね。本当に残念です。
とはいえこのイチョウはスルーするべきなのか?と問われると、やはり菩提寺の大イチョウと併せて訪問するのが作法のようなものではないか。そんな気がするんです。この巨樹単体でのオススメ度となると星5個中1個…贔屓目に見てもせいぜい二個がいいところだと思いますが、ここは歴史を感じるためにも是非セットで訪問しておくべき。ですよね?(あまり自信がない 笑)
2019/11/14訪問
岡山県指定天然記念物
樹齢 推定1,000年
樹高 13m
幹周り 6.7m
岡山県勝田郡奈義町小坂519
コメント:4
- RYO-JI 19-11-24 (Sun) 21:34
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子が親の存在を大きく凌駕することは人間界でもよくあることなので、
こっちが親としても不思議はありません・・・いや、やっぱりこっちが子でしょう!
そう結論付けたくなりますね(笑)。
その場所柄、成長→欠損を繰り返してきたのかもしれませんね。
そう考えると少し不憫ではあります。
もし機会がありましたらもちろんセットで見たいと思います。
ただ、こっちを先に回ってからにしないと個人的には楽しめそうにないかもしれません。 - to-fu 19-11-25 (Mon) 12:54
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> RYO-JIさん
巨樹として見てしまうとうーん…ですね。
横への枝の広がりなんかまさに菩提寺の大イチョウを思わせるところもあって、
資料の一つとして見てみるとなかなか面白いものではあるのですが。
それにしてもこのイチョウが1,000年はちょっと盛りすぎでしょう 笑 - 狛 19-11-26 (Tue) 12:39
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もちろん、生育環境や生い立ちによってその限りではないとはいえ、タフなことこの上ないイチョウのことでもあって……うーん、これはやはり、主従が逆のように思ってしまいますね。
それだけ長く生きていて、この規模で止まるはずがないと思ってしまいます。
土壌環境は悪くなさそうですし、to-fuさんの見立て通り、白骨化した部分を飲み込むようにして、これから名を馳せる巨樹になっていくかもしれません。
そう手放しで未来が予感できるところも、やはりイチョウですね。
DNAが一緒であると確認されたというロマンあるエピソードと、水田の景観とこの樹の絵はいいなと思いました。 - to-fu 19-11-26 (Tue) 22:24
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> 狛さん
ええ。DNAの繋がりが認められている以上伝承が全くのデタラメだとは言えませんが、それにしてもこちらが親木というのは
どうなんだろう…と感じずにいられませんでした。葉の茂り方を見ても栄養が不足しているようには見えませんからね。
この辺りはチェーン着脱場があることからも積雪の厳しい地域だと思うので、冬の雪化粧された田園風景と大イチョウの木は
秋の黄葉と同じくらいに見栄えしそうです。巨樹としては微妙ですが歴史に触れる意味でも訪れる価値は十分にあると思います。
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