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再訪 滋賀県高島市朽木 邇々杵神社のツクバネガシ


SONY α7RIII / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

敦賀入りする前にどうしても立ち寄って再訪したかった巨樹。本音を言うとこの時期なら雪化粧された姿が撮れるかもという思惑もあったのですが、流石の暖冬ということでスキー場擁する朽木エリアといえど残雪どころか霜柱すら確認できない有様でした。毎年保険としてスタッドレスタイヤに履き替えるようにしていますが、今年は本当に保険のまま冬が終わってしまいそう。まあ冬の間に事故を起こさないということが冬タイヤのレゾンデートルなので、それさえ達成できれば雪が降ろうが降るまいが別にどうだっていいことです。


さてこの邇々杵(ににぎ)神社のツクバネガシ。私が巨樹巡りを初めて間もない時期に訪問した巨樹です。まだ記事にしていないものも含めてそれから結構な数のカシの木を見てきましたが、最近になってあれは結構良いカシだったなあと思い返すことがあるのです。ええ。こうして見ても間違いない。やはりニンマリしてしまう。何と樹形の美しいカシだろう。


遠目にはクスのように見えなくもない。それくらい立派な樹冠。アカガシ、シラカシ、ウラジロガシ、ウバメガシ…多くの種類のカシたちを見てきましたが、このカシのように実直にすうっと伸びた巨樹は他に見たことがありません。ええ、同じツクバネガシですら。


幹周5.8m。単幹のカシですからスギやクスのように簡単に8m、10mクラスまで大きくなることはありませんが、シュッとした幹から膨大な量の枝葉が広がっている様はむしろ斬新に思えます。ずんぐりむっくりして愛嬌のあるクスとは違って、都会的でスマートな立ち姿とでも言いましょうか。いえ、まあ実際の立地はこのようなところ…すぐ近くの牧場から牛サンのウ○コの香り漂う田園地帯なんですが、ね。


このツクバネガシを健康と呼ばずして何を健康と呼ぶか、とこれはもうどこに出展しても恥ずかしくないくらいの健康優良児です。広辞苑で「健康」と調べてみて下さい。ほら、「邇々杵神社のツクバネガシ」と出て来たでしょう?ウソですけど。でもそれくらい元気。常緑樹とはいえ、写真だけ見たら誰も1月の訪問だとは思わないんじゃないでしょうか。


抹茶をまぶしたように苔生した枝がカシらしい。きっと雨が降った後なんかはこの苔が水分を帯びて黒っぽい光沢を生み、全く違った雰囲気を纏うのだと思われます。


雪が降り積もり、雪解け水で艶を帯びた樹皮。そんな姿を求めての訪問だったわけですが。自然相手は思い通りに行かないからこそ面白い。ええ。楽しみが延びただけ、また来ればいいだけの話です。何の問題もない。(そして、大変だからこそ狙い通り上手く行ったときのキモチ良さと言ったら…言葉にできませんよね。)


しかしこの巨樹、何で無指定なんですかねえ。滋賀県の他の有名なカシ(県天)も既に複数回訪問済みですが、私は決して見劣りしないように思います。というか今までに見てきたカシの巨樹の中でも結構上位に来るくらい好きな巨樹なので、どうも納得がいかないというか 笑


カシらしからぬ立ち姿。でも本当にらしからぬ、なのか。それこそ他のカシたちもクスやケヤキの御神木のように広々としたスペースを取ってもらい、伸び伸びと自由に成長することが出来たなら、こんな風にスラッと屹立するカシの巨樹がもっと多く存在していたのかもしれません。


二度目の訪問。見る目も多少は肥えたかもしれません。それでも良い巨樹はやっぱり良い巨樹だなと。もしこの冬の間に雪が積もることがあれば三度目の訪問をしてしまうかも。ちょうど近くに朽木温泉もあるし立地は文句なしなんですよね。

樹齢等の詳細は過去の訪問記をご参照下さい。

コメント:4

20-01-21 (Tue) 22:31

いいですねえ。この傷みがなさそうな、いかにも固そうな幹でスッと立っている姿。
整っているあまり、ほんとに巨樹なの? 普通の木じゃないの? と疑ってしまいますが、to-fuさんなり宝塔なりと比較すると……大きいですよねえ。
巨樹は思いがけない大胆なフォルムに驚かされることが多いですが、この樹やモミのように、形は典型的な、想像通りの樹の形をしていつつ立派な体躯を誇るというのも好ましいものです。
そして、案外、前者より後者の方が貴重だったりする……そう感じます。
僕の記憶にあるカシの巨樹は怖いのが多いのですが、それも生い立ちと環境のせいなのかもしれませんね。
鬱蒼とした中ではなく、こうして空間を与えてあげれば、あの樹もこの樹もきっと……いや彼らはもう取り返しがつかないほどコワい樹になっちゃってますけれども……。

今年は気味悪く感じるほどの暖冬ですね。いや、東北は寒いですが、それでも僕なんぞが別に普通に暮らせます。
寒い暑いは辛くもありますが、メリハリある四季が良い風土や自然を育むのだと思います。
写真をやってると、そんなことも考えます。

to-fu 20-01-22 (Wed) 16:16

> 狛さん
形の整ったカシの巨樹自体あまり見かけませんよね。私の知る巨樹もほとんどが空洞ゾンビみたいなホラー系ばかりです。
滋賀県の「一ノ宮のシラカシ」が辛うじてポジティブ寄りのカシでしたが…でも幹はどう見ても闇に生きる者だったしなあ。
このカシは樹形が美しく、周辺環境も牛さんの香り以外はパーフェクトと言えるくらい気持ちいい。健康すぎることがむしろ
天然記念物指定の邪魔をしているのかもしれませんが、今のうちに強風、落雷対策など進めてただきたいですね。

今年は本当に暖かい!ちっとも雪が降りませんから、スキー場関連の旅館や飲食店なんかも真面目に死活問題だろうと思います。
雪が積もらないということは春先の雪解け水も全く期待できないわけで、そうなると巡り巡って今年もまた多くの災害を生みそうで
恐ろしいです。夏は暑く冬は寒い、そんなアタリマエのことにも大きな意味がありますね。今年はこれからどうなるのか。本当に不安です。

RYO-JI 20-01-24 (Fri) 21:18

カシとは思えない姿ですね。
上品な佇まいに見惚れてしまいます。
多宝塔との対比もいいですが、大きく開けた場所にポツンと立っていたら絶対に有名な存在になっていたでしょうね。
というのも、かつてあった北海道のを連想してしまいました。
これもまた勝手な思い込みですが、健康的なのは言うまでもなく知性すら感じます。
私も雪景色の中の姿も見てみたい・・・ええ、お願いします(笑)。

to-fu 20-01-25 (Sat) 22:15

> RYO-JIさん
その上品な佇まいという言葉がとてもしっくり来ました。
材として適していることもあるのか、端正な立ち姿のカシの巨樹となるとなかなか見当たりませんよね。
確かにこのカシがこの辺りの田園地帯のど真ん中にポツンと立っていると、それはそれで見栄えが良さそうな気がします。
RYO-JIさんのところからだとあまりご縁の無い場所かな…という気はするのですが、機会があればぜひ立ち寄ってみて下さい。
野生の鹿アタックさえ気を付ければ信号も全く無いドライブには最適の道ですよ。ええ、夜間の走行はオススメしません 笑

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