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三重県熊野市 徳司神社の大クス


SONY α7RIII / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

立派なイヌマキの巨樹を堪能し、向かった先はここ熊野市の徳司神社。紀伊半島の主要道路である国道42号線から少し外れて交通量の少ない海沿いの道を進んだ先、新鹿湾奥に位置します。さて巨樹は…と遠目に周辺を見回してみるわけですが、まず巨樹以前にその立派な社叢に目を奪われました。


それもそのはず。徳司神社の社叢自体が県の天然記念物にしていされているんですね。私の目的はもちろん幹周7.25mのクスノキ(熊野市のサイトには幹周7.80m、樹高35mという記載があります。こちらが最新の実測値かもしれません。)ですが、クスノキ抜きに社叢を眺めているだけでも充分な見応えがあります。


まずは参拝を、と歩を進めますが探すまでもなくそれらしいクスが早速目に飛び込んできました。実に健康的で素晴らしい樹冠。近付くまでもなく、この姿を見ただけでも嬉しくなってしまいます。


幹周10mクラスがひしめく紀伊半島東部においてどうしてわざわざこの巨樹を選んだのか。この立派な根回りに惹かれたのですよ。地上1mの辺りでキュッと絞るようにスリムになっているため数値上では目立ったクスではありませんが、その根回りに関して言えば10mクラスにも引けを取らない迫力が感じられました。


石段と玉垣の間にみっちりと詰まったクスの根。石段があることからもお分かりいただけるかと思いますが、斜面にググっとへばり付くような形で発達しています。実に窮屈そうに見えますが、だからといって石段や玉垣を破壊するわけにもいかないでしょう。さて、この先どんな成長を遂げることになるのか。


裏側は裏側で側に植えられたイヌマキを飲み込もうとする勢い。ややクスを避けるように成長するイヌマキの「何で俺をこんなところに植えたんだよ…」というボヤキが聞こえてくるようです。


見ていて本当に気の毒だな、と。100年後にはきっと完全に根本が覆い隠されてしまうことでしょう。


単幹ですらっと立ち上がる幹が美しい。私が訪問したのが雨上がりだったため湿気を帯びた樹皮がずっしりと重厚に感じますが、スマートで女性的な印象を受けました。空洞なども見られず樹勢は上々。根回りがどうなるのか心配ではありますが、今後も一層大きくなることでしょう。


樹冠も美しいですね。鬱蒼と茂った社叢にあってもその存在感は抜群。まさに社叢の主といった貫禄があります。


目の前が海というだけで私からするともう堪らないわけです。何となくですが真夏の強い日差しの中、セミの大合唱と蚊の猛攻に耐えながら訪問する方がこの巨樹には合っているのでは…という気がしました。汗だくになっても目の前にシャワールームがあるし、なんならもう海に飛び込んでしまってもいい。そんな感じ。


拝殿に向かって左手の奥「子安の宮」に聳えるクスノキも立派なものです。幹周約5mですが巨樹DBには未登録。小さなコブに注連縄が巻かれているのが何だか可愛い。この突起部分が子安の宮の由来となったものと思われます。


こちらも「徳司神社の大クス」と同じく樹形の美しい今後が楽しみなクスです。


せっかくなのでコーヒーを淹れて向かいの海水浴場でぽけーっと一服してから移動しました。もう少し晴れ間が見えれば絶景だったのでしょうが、こうして見るとちょっとイマイチですね 笑 実際にはとても心地よかったんですよ。うん、やっぱりスカッと晴れた真夏に再訪してみたいな。

2020/1/29訪問
「徳司神社の大クス」
三重県指定天然記念物
樹齢 不明
樹高 30m
幹周り 7.25m
※熊野市公式サイトには樹高35m、幹周り7.80mとの記載。こちらが最新かもしれません。

三重県熊野市新鹿町309

コメント:4

20-03-08 (Sun) 21:44

三重の温暖で風光明美な環境に憧れますね。
あー、目の前がすぐ海なんですねえ。そこにこんな大きな巨樹。素晴らしい。
to-fuさんが書かれている真夏のシチェーションを読んだら、ほんと、その時期に行ってみたくてたまらないですね。
僕は巨樹を撮り終えたら海の方に停めて、荷室のドアをあけて昼寝しますよ。笑

イヌマキ氏、苦しい目にあっていますね。相手が悪い。こんな根張りをする奴には絶対勝てないですもんね。
ぜんぜん空洞化してなさそうな引き締まった幹で、暖かい環境で一気にここまで成長したんだろうなと想像します。
確かに、この先どうなるんでしょう。メリメリと石段を下から破壊していく方に一票……社叢自体が天然記念物ですから、樹の方を優先させると思うんですよね。

三重シリーズを見ていて、がぜん行ってみたくなってきました。
遠いですが、無理してでも行く価値はありそうです。楽しいだろうなあ。

to-fu 20-03-09 (Mon) 3:28

> 狛さん
紀伊半島はどことなく狛さんが慣れ親しんだ房総半島に気候も雰囲気も似ているような気がします。
東岸は牧歌的で風光明媚な景色が続き、西岸を北上するほどに都市部に近付いていく感じが。

結構なサイズのクスノキですが、健康そうな見た目からも実はかなり若いんじゃないかという気がします。
やはり温暖な気候の元で育つクスは生き生きして見えますね。徳島のクスたち然り、九州のクス勢も然り。
私も狛さんと同じくクスを優先させる方に一票、です。そして私の希望としても。これだけ健康で見事なクスなので
何とか守り続けていただきたいものです。石垣や石段は復元可能ですがクスは一度切ってしまったらそれまでですから。

三重と言えば狛さんが相性最悪と仰っていた伊勢神宮のお膝元ですが、ぜひぜひ食わず嫌いせずに南部にもお越しください。
もちろん我々(勝手にRYO-JIさんも加えてる 笑)も合流させていただきますので。
あの亜熱帯っぽい雰囲気は他の近畿東海エリアのどことも違うので、最果て感もあって旅にはもってこいだと思います。

RYO-JI 20-03-09 (Mon) 22:21

もちろん私も合流しますよ(来るなと言われても:笑)。

海とクスノキはもちろん、海岸沿いに巨樹があるっていうのがいまいちイメージ湧かないんですよね。
立地的にも強風で生き永らえるのが困難だろうなと思いますし。
そんな中、このクスノキですが樹齢は比較的若く見えるものの、これだけのサイズに成長している訳ですから立派なものです。
根回りは本当にボリューミーでそれだけを見ていると10mオーバーレベルですね。
実際10mオーバーになるのもそう遠くない未来でしょう。
根の高さもちょっと異常なくらい(笑)。
この根回りがある故に強風など物ともせず成長しているのかと想像してみたり。

to-fu 20-03-10 (Tue) 1:11

> RYO-JIさん
RYO-JIさんも来ていただけるとなると、集合場所はあの特大唐揚げのお店前に決まりですね 笑

潮風に強風。どう考えても樹木の成長には都合が悪そうですよね。
このクスなんか根から吸い上げる水も塩水混じりなんじゃないかと。それでも成長しちゃうんだから逞しいなあ。
恐らく樹齢は300年かそこら、まず500年は行ってないような印象を受けました。
このまま一層根回りをパワーアップさせて、いずれは石段破壊まで行ってもらいたいものです。

三重県は沿岸部にクスの大物が目立つので、とにかく南海トラフ地震だけが心配ですね…
引作の大クスくらいの立地であれば大丈夫そうですが、ここは波の威力が増す湾奥ということもあって本当に心配です。
地震なんて来ないに越したことはないんですけどねえ。

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