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福井県越前市 大滝神社の大スギ


SONY α7RIII / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

「杉尾の大スギ」の杉杜神社のちょうど山を挟んだ裏側、車でほんの10分程度移動した先に鎮座する大瀧神社・岡太神社。山奥にある奥の院には大瀧・岡太それぞれの本殿が並んでいますが、麓にある下宮では本殿と拝殿が両神社の共有となっていることから地図上では二つの神社が併記されています。奥の院のまた先、山の頂上には大瀧神社御神木の巨杉が待ち構えるというではありませんか。前回杉尾の大スギを訪問した際は体力的にも感性的にも既にグロッキーだったので止めておこうと、敢えて楽しみに残していたのでした。しかしこれがまた…前回止めておいて正解だったなあと思い知ることになるのです。


まずは麓の下宮を参拝。この辺りでは名の知れた神社だということだけは知っていましたが厳正な空気が漂っていて実に気持ちいい。かの泰澄サンが大瀧寺として開山。神仏分離令により大瀧神社に改称され今に至るということです。実のところ思っていた以上に身の引き締まる素晴らしい空間で、巨樹抜きに神社目当てで来ても後悔しないだろうと思えるほどのものでした。

ちなみにその一部が国の重要無形文化財にも指定される「越前和紙」をご存知でしょうか。和紙といえば越前市、そして越前市といえばもちろん越前がn…いえ越前和紙なのです。我が京都にも無形文化財「黒谷和紙」がありますが、全国的な知名度で言えば越前和紙が遥かに上でしょう。こちら岡太神社は川上御前を紙祖の神様として祀る製紙業界にとっての聖地とも呼べる存在で、実際に全国各地の紙職人さんが参拝に訪れるのだと仰っていました。

ちなみに社務所は存在せず、御朱印は二の鳥居を出てすぐのところにある宮司さんのご自宅でいただくことが出来ます。(残念ながらお留守で私はいただくことが出来なかったのですが。)何故初めて訪れた神社のことをそんなに知っているのか、ですって?ええ。奥の院から下山してきたところ地元の方に大層気に入られまして、そのまま神社周辺の説明から越前和紙の里までガイドしていただいたのでした。自分お昼ご飯まだなんスよ…と言うことが出来ず、結局この日の昼食は非常用に携行しているカロリーメイトだけになってしまったという 笑


さて、話を戻しましょう。頂上に立つ大スギ目指して軽いハイキングです。事前に調べてきた情報によると徒歩で15分程度のはず。実は今回新しい巨大カメラバッグ+巨樹撮影機材フル装備携行ということで、歩き心地のテストをするにはちょうど良さそうなこの巨樹を目的地に選んだのでした。ところが歩けど歩けど奥の院など一向に見えてきません。どうなってんだこれ。

後から知ったんですがワタクシ完全に勘違いしてまして、登山口から最初の休憩スペースである展望台(ほとんど何も見えない)までが15分。奥の院までは約40分の道のりだったんですね。何かもうそこら中にイノシシが荒らした跡があるし先刻使われたばかりのイノシシのヌタ場(グチャグチャの水たまりみたいなの)もあるし、ついでに言えば最低でも数日内には人間が通った形跡は一切見られないしで、大音量の音楽を流しながらビクビク登ります。足元は悪くないけど本当に怖かった。


無事奥の院へ到達。参拝を済ませて裏手にある御神木へ続く階段へ。私にとっては珍しいアベマキの自然林や眼下に見下ろす町並みなどを撮影しながらの登山だったので、麓からここまで約1時間でしょうか。おお…あれか?と大スギの姿が見えてきた瞬間には、そりゃあもう心が躍りましたね。興奮で心拍数が上がりすぎてそのままぶっ倒れるんじゃないかというくらいに。


おお…これは素晴らしい。この対峙した瞬間の興奮はきっと死ぬまで忘れないでしょう。北陸のスギらしく荒々しい枝ぶり。しかしそれだけでなく、この大スギからはどことなく神聖な雰囲気も感じます。


大瀧神社の御神木「大滝神社の大スギ」。私は「大瀧神社の大スギ」でないことに違和感を覚えるのですが、とにかく天然記念物としての登録名称は「滝」の字なのだそうで。


物凄い表情。この表情が見たくてわざわざ北陸まで通っていると言っても過言ではありません。こちらではそう珍しくもないこの攻撃的なウラスギも、近畿圏内にはほぼ皆無ですからね。長年の風雨がヤスリのように表皮をさらって行ったのか全体的に漂白にかけたかのような風情があります。そして樹皮の節?というんでしょうか。一枚一枚の樹皮が非常に細かい。直線距離にすると僅か1kmほどしか離れていない「杉尾の大スギ」ともまた全く違ったタイプのスギの巨樹です。


この立ち姿、岐阜県のあの伝説的巨杉と似たものを感じませんか?
そう、この白っぽい樹皮。私はあの「石徹白大杉」を連想しました。もちろん樹齢も風格もあまりに違いすぎるのですが。かつて石徹白大杉の小枝が種木として各地へ旅立ったそうなので、ひょっとするとこの杉のルーツもそこにあるのかもしれません。いえ、もちろん可能性、ロマンの話ですよ?


この表情なんてまんま石徹白大杉ではありませんか。開けた場所で長年風雨に晒されているということで環境がよく似ているので、単にこのような環境で育てば姿も似てくるというだけの話なのかもしれません。それにしてもこの神々しい姿は山登りで疲弊した脳ミソに、あまりに強烈に響く。ごく稀に「神」の存在を感じさせる巨樹がありますが、この巨樹からもそういった類の何かの気配が感じられました。立ち去るときには一礼したくなるような、そんな巨樹。


積雪による枝の折損が目立ちますが樹勢は旺盛。数少ない生きた大枝からは、より効率よく日光を浴びようと無数の小枝が発生しています。


眼下に広がる集落を静かに見守る大スギ。それにしても、スタート直後のあの展望台は何だったのかと言いたくなるくらいに心地良い展望です。家の近くだったらきっと月に一度は登りたくなりますね。運動不足解消にちょうどよさそう。


特に記載がありませんでしたが、これ恐らく主幹は途中で折れてしまってますよね。これだけの環境ですから仕方ないと言えば仕方ない。何だか本当に石徹白大杉の弟分のように思えてくる。


落ち葉の上に腰掛けて火照った体をクールダウンしたら「また来るよ」なんて声をかけて奥の院へ。ここで一服…といきたいところでしたが、流石に御神域で火を起こしてお湯を沸かすわけにはいきません。”麓でコーヒーを淹れて山頂で一服用”にマグカップサイズの密閉型サーモマグが欲しくなりました。いえ、絶対買います 笑


実は奥の院を挟んで反対側の登山道に「弐の杉」なるもう一つの巨樹があるそうなんですが…結局このまま1時間林道を彷徨っても辿り着けなかったので諦めました。お腹ペコペコだったこともあって腹が立ってきたんですよねえ。まあ、下山後そのままガイドしていただくことになったので、昼食はおあずけ。さらにソースカツ丼の予定がカロリーメイト(メープル)になってしまいましたけど 笑


越前和紙の作品や資料が見られたので、これはこれで良かったかなと。結構好きなんですよ、和紙。この御朱印帳ケースは自分用。越前には弐の杉へのリベンジを兼ねてもう一度再訪するつもりです。それまでにはサーモマグを用意しておかないと。

2020/3/17訪問
福井県指定天然記念物
「大滝神社の大スギ」
樹齢 300年以上
樹高 23m
幹周り 7.1m

福井県越前市大滝町13-1 大瀧神社奥の院

コメント:4

RYO-JI 20-03-25 (Wed) 21:33

「杉尾の大スギ」にこの「大滝神社の大スギ」、to-fuさん丁寧に下調べされていますねぇ。
近場ならこのサイズの巨樹でも見に行きますが、遠方だとバンバン切り捨ててしまっている自分が恥ずかしいくらいです。
しかも一本一本時間をかけて訪問されてますし。
ついつい効率的に回ろうとしてしまうものなのに・・・。
その苦労した分、巨樹との出会いはより感動的なものになることを思い知らされました。

確かにこれはあの石徹白さんの血を引いていると想像したくなる姿ですね。
泰澄サンも絡んでいるようですし、きっと、いえ、間違いなくそうでしょう。
そうです、ロマンですよ(笑)。
雪国に生きるウラスギはやはり見応えあってゾクゾクしますね。

小さなサーモマグ、1000円程度の安物ですが私も愛用してます。
特に冬場は必須で、ロードに乗る時はサイクルジャージの後ろポケットに珈琲や紅茶を入れてますよ。

to-fu 20-03-26 (Thu) 17:07

> RYO-JIさん
私もこの福井エリアは初期の頃に大物ばかりを狙って攻めてますからね 笑
過去の食指に触れなかった巨樹を改めて調べて訪問してるところです。
以前バタバタと忙しなく回っている分、今になってようやく余裕を持って回ることができるようになったのかもしれません。
初回は仕方ないですよ。自分なんか興奮して無我夢中で節操なくバシャバシャ撮り散らかして、嵐のように移動してますもん 笑
徳島や高知の巨樹も、もう一度行けばまた違った目線で撮影できるのかもしれませんね。

この巨樹は道のり含めてとても良かったですよ。アクティブに活動されているRYO-JIさん好みな一本だと思います。
ロングタイプのボトルになると流石に邪魔、そしてそんなにコーヒー飲めないよって話なので、私もマグを購入するつもりです。
リュックの中でこぼれたら大惨事なので流石にこれだけは実店舗で気密性を確認してからでないと買えませんね。

20-03-27 (Fri) 19:16

コロナさんの面倒ごとその他に巻き込まれてクサクサしておりますが、良い旅をされてますね。うらやましいし、近いうち、僕も自己記憶を更新するような旅をするぞ! と熱意が溜まってきます。

他人のことを言えたもんじゃないですが、探訪目標の巨樹のチョイスも見方撮り方も、玄人好みで素晴らしいなと思いました。笑
他にまだ見ぬ大きな杉があれば7メートルですら後回しにしがちですが、今はもう、その他の要素……謂れであったり個性であったり、探訪の面白さであったり……そういうの目当てに訪ねたくなってしまいます。
その点、この杉はポイント高いですね。土地柄もよく現れている表情だと感じます。石徹白の大杉に似るには確かにもっともっと年月が必要でしょうが、貫禄十分。僕としては同じ福井の飯盛杉を思い出しました。
荒々しい枝折れ。白っぽい枯れた感じの樹皮。何度も氷雪に打たれてこうなったと想像させますね。
この巨樹に会ってみたいというのはもちろん、探索や出会いなどの醍醐味こそ、今は恋しいです。ソースカツもね。笑
ああ、どこか遠くに出かけたい……。

to-fu 20-03-28 (Sat) 0:30

> 狛さん
コロナさん、本当にこの先どうなってしまうんでしょうね。
冷静さを失っている人があまりにも多くて、感染そのものよりもこの国の先行きに不安を感じます。
スーパーでまで買い占めを始めたアホどもに、この非常時に不安を煽り続けるメディア。もううんざりです。

この巨樹は初期の頃ならきっとリスト上で数字だけ眺めてスルーしていたと思いますね。
それこそ近くを通れば立ち寄ることもあるかもしれませんが、目的地にするなんて絶対に有り得なかったはずです。
でもこうして訪問して満足度が低いかと言えば全然そんなこともなくて。むしろこの2本だけで満足してしまって
あとは早々に帰宅したくらいですからね。あ、発見できなかった「弐の杉」だけは本当に残念でしたが 笑
言われてみてナルホド!と思いましたがたしかに飯盛杉とも似ています。あれも良いスギでしたねえ。
岩屋の大杉と併せて、あのエリアの巨樹を最新の機材で撮り直してみたら面白そうです。いや、それ絶対やってみよう。

例年ならこの時期はどこの桜を見に行こう…あの桜の開花時期は…とバタバタ忙しいんですけどね。
ああ、開花状況をチェックしては今か今かと待ちわびていた去年が懐かしい。こんな春になるとは想像すらしませんでした。
日に日に強まる自粛ムードに気分まで鬱々としてきますが、お互い上手く息抜きしながら切り抜けましょう!

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