SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO | Artを購入しました

FUJIFILM X100V

つい先日別のレンズを購入したばかりですが、おまけに別のレンズも行ってしまいました。というのもですね。我が家も例に漏れず今年の夏は帰省を諦めることを梅雨の時期から早々に決定しておりまして。車でブーンとかっ飛べる私の実家ならいざしらず、ヨメの実家(僻地オブ僻地)への往復費用は半端じゃあないわけです。冗談抜きに往復の飛行機代だけでもちょっとした海外旅行より高くつく始末。今年はそのために取っておいたお金が丸々浮いてしまったものですから、ある程度は貯蓄と夏の娯楽費(子供たちと花火だったり川遊びだったり)に回して上で、残りは家族それぞれ好きなものでも買って使えばいいのでは?ということに。何かとストレスの溜まる生活ですからねえ。

新コロ流行以降は私の楽しみといったらとにかく「好きな撮影機材をその日の気分で持ち替えながらのご近所散歩」以外にないものですから、今後しばらくこの生活が続くだろうという覚悟も込めて山歩き用のウェアとシューズを新調、そして以前から気になっていたこのマクロレンズを購入することにしたのでした。

ペンタックスのDFA100mmマクロを購入してみたら画質はとても気に入ったのですが、どうもAFの精度がよろしくない。そもそもマクロレンズというカテゴリー自体がこんなもんなのかな?ということで他のマクロレンズを試してみたかったんです。本来ならわざわざレンズを買い足すなんてことせずに大阪のリコーイメージングに持ち込んで点検したいところですが、感染者増大でとても大阪には行けなくなってしまいましてね。もう面倒くさいから買い増しして比較しようということになりました。なりましたって私が決めたんですけど。

とりあえずDFA100マクロには無いフォーカスリミッターがめちゃくちゃ便利。自分の場合ほぼ99%はマクロレンズ的な使い方ではなく中望遠的に使うもので、0.5m~無限遠にセットしておくだけでAFの無駄な可動域を制限することが出来るのは本当に助かる。これが無いとピントを外す度に面倒なことになるんですよねえ。

レンズフードを装着するとかなりデカい。ちょっとしたズームレンズ並み。流石シグマさん容赦ない。外装はDFA100マクロより高級感がありますが、個人的にはコンパクトでコロンとしたDFAの方が好みです。シグマのArtラインって確かに新品時は格好良いけど指紋や小キズが目立つんですよ。

ちなみにこちら非インナーフォーカス。ピントリングを回すと「みょーん」とレンズ長が伸びる全群繰り出し式です。こいつがまたブサイクなんですが私は普段レンズフード付けっぱなしなので気になりません。ええ、流石にレンズフードを飛び出すところまでは伸びませんので。

SONY α7III / SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO | Art

で、試し撮り。
正直に言うとあまりのAFの正確さに感動してしまいました。何だよマクロレンズもピント合うじゃないの、と。AFはDFA同様スピーディとは言い難いものですが、静粛性が段違いです。ギュイイイイイ…ギュゥゥゥウウウーーン!!とお前はイングヴェイ・マルムスティーンかと突っ込みたくなるDFAと比較するとめちゃくちゃ静か。まあ駆動音の大きさはDFAマクロに限った話ではない(FAリミテッドもかなり過激)のでどうしようもありませんが、ここまでピント精度に差があると流石に一度ダメ元で点検に出してみようという気になってきました。お前はもっとできる子だと思うんだ。

ただDFAマクロを養護…いえ、擁護すると、描写はDFAの方がずっと好み(紛らわしいテキストですが↑の写真はシグマです。)なのです。何だろう。すごくコッテリ濃密で油絵のような写りをするんですよ。とりあえず適当に撮ってみた写真でもそのまま絵葉書にしたくなるような。銘玉だと思います。それだけに色々と惜しいし、是非とも最新の技術で再設計していただきたい。(20年後には何卒)

F5.6。マクロ撮影は適度に絞った方がいいような気がします。公式サイトによると伝説のカミソリマクロ…なのだそうですが私にはよく分かりません。開放からシャープで、アウトオブフォーカスにかけてとろけるような円形ボケが…まあ最近のレンズの定番文句ですね。正直申し上げるとこの謳い文句にもちょっと食傷気味で、もうちょっと別の「味」を求める方向性があってもいいんじゃないかと思いますね。各メーカー高額ラインとして似たようなスペックの同じようなレンズばかり乱造していますが、そこが写真機材の最適解になってしまうとつまらないですよ。

個人的にはこういう中望遠的な使い方がメインになるのかな。フォーカスリミッターが生きるぜ。ちなみに比叡山の稜線にはピントが合焦しますが空の薄雲には何度やり直してもピントが合いませんでした。このレンズのto-fu的AF性能評価は「悪くないけど決して良くはない」の部類です。

フルサイズ用SIGMA Artラインとしてはたぶん最安の5万円前後ということで手の出しやすいレンズ。個人的には中望遠定番の85mm単焦点って最短撮影距離が遠すぎてあまり持ち出す気になれないので、マクロレンズとしてではなく寄れる中望遠レンズとしての中望遠マクロも大いに「アリ」ではないかと感じています。

そもそも数売れるレンズではないようで中古市場にもあまり出回っていないため、もし気に入らなかったとしても僅かな損害で売却できる…ということで気軽に試してみてはいかがでしょう。私も某ショッピングモールでクーポン等駆使して新品を中古相場以下の安値で入手できたので、もしイマイチだったら最悪85mm単焦点とトレードだ!くらいの気持ちでした。結構気に入ってしまいましたけど。

4件のコメント

  1. シグマのマクロといえばこの70mm/f2.8が昔からありましたね。
    タムロンは90マクロが傑作と名高いですが、シグマも70ミリがこだわりの画角なのでしょう。最適なワーキングディスタンスとして各社考えてるのが違うのか、興味深いです。
    下火のカメラ用レンズ、下手なものは作れないのでしょうが、確かにそういう考えで作っていくと各社似たようなものばかりになってしまいそうです。
    Artと銘打っているんだから、味わいが違う同スペックレンズを同時リリース! とか、好景気だったら……しないか。笑 まあ、前期型と後期型で写りが変わるという楽しみはあったかもしれませんよね。

    ペンタックスの100マクロはいろんなところで「うるさい」と書かれてますもんね。ボケがうるさいってのは聞いたことがあるけど、実際うるせえレンズとは。AF精度の甘さも実際ある弱点ですし、診てもらっても治らないかも……汗
    おそらくは⭐︎85mmを作ったことで余力が無いでしょうが、こうした地味で使えるレンズの最新化もぜひ頑張って欲しいですよね。それは価値があることだと思うんです。
    いやしかし、⭐︎85mmも、聞けば最前面レンズが凹レンズだそうじゃないですか。そういう変なレンズに弱いです。笑

  2. 帰省を止めてその資金でレンズ調達・・・いや素晴らしい。
    経済を回すのは何もGoToだけじゃありませんものね。
    私もそれに刺激を受けて・・・いや、もう少しお待ちください(笑)。

    70mmにしてはかなり長いレンズにも見えますが、シグマさんの容赦無さが形となって表れていますね(笑)。
    フォーカスリミッターは滅茶苦茶便利そう。
    マクロレンズは私ももう一本欲しいなぁと思っています。
    それこそ中望遠兼用で、タムロンの90かニコンの105mmあたりを。
    まぁ今のところ優先順位は高くないですけど、身近な人が手に入れると必然的に気になってしまいます(笑)。

  3. > 狛さん
    たしかに各社が推すマクロレンズの焦点距離の違いは興味深いですね。マクロレンズとしての使い勝手を考えるとやは100mm前後が
    適しているように感じますが、70mmを作り続けるからにはそれなりの理由があるんでしょうねえ。
    味わいが違う同スペックレンズというと一時期コシナのフォクトレンダーがマルチコーティング版とレトロなシングルコーティング版を
    併売していましたが、そのレベルでいいのでユーザーに選択肢を与えてもらいたいものです。数値とかナントカ曲線だけで写真機材としての
    優劣が決まってしまうとしたら、何ともつまんない世界だなーと白けてしまいます。

    ペンタの100マクロはわりと騒音レベルですよ 笑 でも軽いし良く写るんですよねえ。
    ☆85mmは実物見てきました!確かに重いですが我々なら苦にならない程度でしたよ。欲しいけど20ウン万円は高すぎる…
    35mmのHD化のように、開発陣の気分転換感覚で構わないので普及価格帯のレンズもテコ入れしていただきたいですね。

  4. > RYO-JIさん
    ヨメ実家帰省は我が家の財政に多大な影響を与えているので、実のところ今年はちょっと助かっ…いえ、何でもありません 笑
    購入されたのはまさかのZ5でしょうか!?違うような気がしますが、あれ本当にイイですね。流石にこれ以上マウントを増やせませんが、
    もしfpを買っていなかったら予約しているかもしれません。(しかしああ…何を買われたのかメチャクチャ気になります…)

    シグマさんは昔からこれだけ尖った商品展開を続けながらよく生き残っているものだと感心してしまいます。
    まともに写真を撮れない(撮っても何故かデータが自動削除される)一眼レフにISO400以上が使い物にならないコンデジ…
    ニッチ向け商売するならとことん先鋭化すべきなのかもしれませんね。オリンパスも変態的なまでに防塵防滴を突き詰めていたら
    シグマ的に生き残れていたのかもしれません。ハウジング無しで海中撮影できるミラーレス一眼!とか。

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