【再訪】石川県白山市 御仏供スギ

FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 35-70mm F4.5-5.6 WR

随分時間が空いてしまいましたが…狛さん、RYO-JIさんと富山の巨樹を堪能し、単独で白山比咩神社を参拝した後に向かったのがこちら。
かねてから白山比咩神社に行ってみたいと思っていたのも事実ですが、この日最大の目的は元々「御仏供スギ」の再訪でした。

おお…相変わらずのとんでもない姿に自然と笑みがこぼれてしまうではありませんか。

前回眺めたのはいつだったか。調べてみると2018年の12月でした。手取湖沿いの紅葉が美しかったなあ…
とにかく素晴らしい大杉ですが秋の写真と比較すると、春夏はどうしても背後の山と一体化してしまうため秋冬の訪問がベストかもしれません。
しかしそんなことどうでもよくなるくらいに圧倒的な巨樹です。

遠目に見ると小さな山のような樹冠が、実はこのそう太くもない一本の幹に支えられているという事実に驚きを禁じ得ない。

大量の木柱の支えがなければ恐らくとっくに倒壊しているに違いなく、大自然と人間の合作と言っても過言ではありません。
畏怖の念すら抱いてしまう自然の造形美ですが、ヒトの力だって捨てたもんじゃないだろう、という。
「人々を見守る巨杉と、その巨樹を敬愛する現地の人々」の構図が垣間見えて気分も晴れ晴れとしてくるではありませんか。
まあ現地では突然のスコールが降ったり止んだりで天候はちっともスッキリしておりませんでしたが。

相変わらず大量の杭を打ち込んで巨大な魔物を封印しているようにも見える。
雨の日にモノクロ撮影なんかで表現すると随分イメージが違って見えそうな気がします。

幹周はたった…と言っていいのか分かりませんが、これほどのスケールを誇る巨樹としては控えめサイズな6.7m。
しかし流石に雪深い白山のお膝元に鎮座するだけあって、その幹にはサイズからは計り知れない威圧感が漂う。
何度撮影しても飽きないと言いますか、訪れる度に違うアプローチを試してみようと思わせてくれる懐の深い巨樹です。
(前回が何でも来い!な24-105mmだったので、今回は35mm換算28-55mmの標準ズーム縛りで楽しみました。)

裏側から。
柵など設置されていないので近付いても構わないのかもしれませんが、根の保護のためにも木道から眺めるのがよろしいかと。
木道からでも十分楽しめます。というか十分すぎる。ここまで近くから眺められるだけでも感謝の気持ちしかありません…

前回訪問時は気付きませんでしたが、すぐ隣に二世樹と思われるスギの木が。
どことなく枝ぶりから既に御仏供スギの貫禄が漂っているような?
とはいえ御仏供スギもまだまだ元気に頑張ってほしいものです。

強風が吹き荒れてまた雨まで降ってきたのでこの辺りで撤退することに。
場所柄どうしても天候が安定しないのは御愛嬌。

文句なしの国指定天然記念物。
まさに「リスト上で数字だけ眺めていると見逃す巨樹」の典型で、本当に素晴らしい巨樹です。
百聞は一見に如かず。まあ私がグダグダ言うよりも、とにかく一度眺めていただけたら話は早いかと。

次はどんなアプローチで行こうか…
そんなことを考えているだけでもワクワクできる、最高に撮影しがいのある御仏供スギさん。

白山三馬場の中でも現状最も格式高い?(と私は感じている)白山比咩神社にほど近く、巨樹的には石川県ナンバーワンのモンスタースギ(to-fu社調べ)「五十谷の大スギ」と絡めて回ることも出来るナイスなエリアに位置するとあっておすすめ度非常に高し、です。この一帯を回るためだけに遠方から訪れる価値あり。

2024/6/4訪問
巨樹のサイズ等は前回訪問時のログをご参照下さい。

6件のコメント

  1. 立派な杉ですね~
    枝がいったん下に垂れたようになるというのは豪雪のせいでしょうか。
    地際から盛り上がった小山のように、こんもりとした姿が素晴らしいです。

    この木のすぐ脇を走る国道は、今までに何度か通った道・・・
    なのに、何も知らずにスルーしていたのが不覚極まりありません。
    次にこちらの方に行くのはいつになるか分かりませんが、その時は必ず寄ろうと思います。
    紹介していただいてありがとうございます。

  2. > れもんさん
    枝のたわみはお察しのとおり雪の重みによるものだと思います。
    雪化粧された姿も見てみたいと思いつつ、勝山方面からの凍結路を抜ける自信がありません…

    「吉野工芸の里」という施設の敷地内に立っているのですが、国道からは奥まっているので目立たないかもしれませんね。
    芝生広場があるので茶々さんにも存分に走り回っていただきたかったです。
    紅葉の時期は南下して国道157線に進むと手取湖(ダム)の辺りがとても美しかったので、機会がありましたらぜひ。

  3. ちょうど記事を読んでいる時に晩御飯で、茶碗に山盛りしそうになりました。
    いやあ、行ってみたい。大きさだけがモノを言うわけじゃない、その歴史とたたずまいから、これも日本を代表する巨樹のひとつと呼んで間違いないですね。
    オフィシャルの解説板をまじまじ読み、「倒」と書いて「さかさ」というのは、この地方特有なのか?と。
    いや、西方の文化はよくわかりませんが。珠洲の「倒さ杉」、今はどうなっているのか、そちらも気がかりです。
    自分尺度では、どこからでも遠いような立地で、近づけども到達せずです。このために行く価値アリというto-fuさんの言葉に乗って一気に行ってしまいたい……。

  4. > 狛さん
    いやー分かります。山盛り必須ですよね、この姿は。
    放ったらかしに育っていたらここまでの姿に至る前に大枝はもっと折れていたに違いなく、きっと数百年前、巨樹を保護しようなんて施策が広がる前から地元の方々に保護されてきたのだろうと想像すると、それだけで引き込まれてしまいます。

    「倒さ杉」呼びはたしかに北陸以外で見かけた記憶がありませんね。方言のようなものなのでしょうか。
    能登の巨樹は仮に無事だったとしても、遠くない将来インフラが衰退して到達困難エリアになってしまいそうな気がしますので、まだ回れるうちに私も行ってみようと思っています。観光して現地の事業者に直接お金を落とすことが、私に出来る一番の復興支援でもありますからねえ。

  5. 昨日、白山比咩神社の近くに桜を撮りに行ったので、
    絶好の機会とばかりにこの杉も見てきましたよ。
    いやー、to-fu さんの写真の印象そのままでしたね~!
    お供えのご飯にトトロの耳が加わったような愛らしい姿と
    樹幹に潜り込んで見る迫力ある姿のギャップも楽しんできました。
    今回は行けませんでしたが、次は五十谷の大スギを訪れたいです。

  6. > れもんさん
    いやー、あの辺りは桜も綺麗でしょう!
    まさか御仏供スギさんにも立ち寄っていただけたとは。
    ただ大きな杉なら全国各地にありますが、あれだけの杭に支えられた立ち姿はなかなか見られないものだと思います。
    間近で眺められるような形で整備して下さっているのも有難いことです。
    私もまた五十谷のスギと併せて再訪したいんですよねえ…

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