LEICA Q
5:10起床。じじいの朝は早い…
ここ数年、香川県に来ると必ず寄っているのがこの津島神社。ここも行きたい行きたい言ってたら10年くらい前に写真仲間のなっちゃんに連れてきていただいたんだった。to-fuの人生の9割は人様の手助けによって成り立っている。感謝。1年のうち夏の2日間だけしか渡ることができない「こどもの神様」です。干満の差が激しい瀬戸内海ですから、満潮時はこの辺り一面完全に水没してしまいます。船の時間まで随分余裕があるので近くの海辺でお湯を沸かしてそばを湯がき、昨晩残ったさしみ醤油をぶっかけて食す 笑 そして食後のコーヒーを飲みながらぽけーっと海を眺めていました。
宮ノ下港に車を停め、さあ出発だ。ワタクシこれでも結構慎重派なので新コロキャリアではないと自負していますが、それでも一応余所者なので大事を取って船内には入らずデッキで景色を眺めていました。とはいえ目的地の志々島までは一駅だし(駅ではないか)たったの20分なんですけどね。
皆さん脇目もふらず大楠の方へと向かっていくのでドキドキしましたが、結論から言うと山頂へ向かわれる方ばかりで、1時間以上の間私だけで大楠を独り占めという大変贅沢な時間を過ごすことが出来ました。平日午前中というのも功を奏した気がします。
持ってきた機材全てを駆使してとことん堪能し、他の見物客の方が来られてからは主に遠目に眺めたり。しかしこの巨樹は…巨樹愛好家でない方も生きているうちに一度は訪れていただきたい。それほどの巨樹でした。間違いなく今年見た巨樹で一番、環境を加味したら今までに見てきた巨樹の中で一番好きかもしれません。大袈裟ではなく見る者の人生観に影響を与えるほどの力を持った一本だと思います。この巨樹と対峙しながら強く感じたのは「ああ、もし自分が巨樹に興味を持つ前にこの大楠と出会っていたら一体何を感じたんだろう。出来ることなら巨樹に関する知識がまっさらな状態で会ってみたかった。」ということ。私はこの島の隣にある離島、粟島に滞在することによって人生観が大きく変わり実際に人生もまた大きく変革しましたが、この志々島に来ていたとしても自分の人生は大きく変わっていたのではないか。そしてそれは今の人生とも大きく違った形になっていたかもしれない。そんなことを考えてしまいました。全島民合わせて19人という長閑な島。瀬戸内の離島には人間の価値観を変える何かがあります。
帰りの船の時刻があるので滞在可能なのは2時間40分。大楠の前だけでも1時間40分費やしてしまったので、実際のところ時間が全く足りませんでした。最初の計画(須田港→粟島→志々島→須田港)では志々島の滞在時間が1時間程度しか取れず、山道ダッシュで何とか大楠に30~40分は取れるか?なんて考えてたんですけど今思えば愚の骨頂。蛇の生殺しです。
生きているうちに一度は…と考えていましたが、こんなの一度で満足できるわけがない。島内にゲストハウス(というか家一軒貸すからあとは勝手にしてくれ的な)があるみたいなので次回は是非とも泊まってみたいものです。
近い将来必ず再訪するぞと心に決めて。
昨年夏以来の善通寺にも。巨樹愛好家としては何かと縁のある弘法大師 空海さん生誕の地ということで、日頃無事に巨樹めぐり出来ていることの感謝の気持ちを伝える必要があります。そしてこれからもどうか見守ってやってください。
いい歳こいて何やってんだか。実はこの善通寺にも超大物のクスが2本もあるんですね。昨年は家族が一緒だったので満足に撮影できなかったのと、真夏の日差しが強すぎて写真がイマイチだったので記事にするなら再訪してからにしたかったのです。
本日こそは車中泊の予定でしたが、結局また急遽ホテルを取ってしまいました。11月にしてシャツ一枚でも汗ばむ陽気で、全身汗でべったべたになってしまったんです。もう車の中で真冬用寝袋にくるまって寝るなんて考えられない。(というかたぶん今晩は暑くて眠れないと思う。)志々島の大楠の周りをうろうろ撮影していたら季節外れのやぶ蚊に刺されまくりましたからね…11月半ばですよ?瀬戸内の暖かさ恐るべし!と思ってたいたら志々島の方曰く、今日がたまたま異常に暑いのだとか。あ、蚊はまだ普通にいるそうですけど 笑
志々島を歩き回ってもう疲労度MAXなので明日は巨樹を見ながら徳島方面へとだらだら戻りつつ、しんどくなったらさっさと高速に乗って家に帰ろうと思います。正直満足度が高すぎて、明日の朝一で高速に飛び乗ってしまってもいいくらいだわ。あと今回の旅で感じたけどLEICA QがあればFUJIFILM X100Vはもう要らないかもしれない。X100Vも良いカメラだけどQの安心感と比較してしまうと、うーん。
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コメント:4
- 狛 20-11-16 (Mon) 19:45
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瀬戸内、ほんとうに魅力的な土地ですよねえ。
ますます東、ますます北へと行ってしまったので、ますます瀬戸内が遠く、異文化の土地に見え、魅力的です。
以前の職が2月しか連休が取れなかったので、2月の瀬戸内に何度か行きましたが、それでもうららかで気持ちが軽かったです。
「志々島の大楠」、やはりこの方はどんな予想をしたところで、その範疇に収まる存在ではなさそうですよね。それだけはわかります。笑
見る目を持つことで、昔の俺はこんなモノの前を素通りしてたのか?! というショックも度々ですが、最近思うのは、これだけ見てきてもまだまだ驚けるのか、という、この事実への驚きです。
日本は広くて深いですね。 - to-fu 20-11-16 (Mon) 22:59
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> 狛さん
たしか…もう随分大昔になりますが、四国から広島だったかまで船を乗り継いで旅をされてませんでしたか?
最近になってああいうのは凄く贅沢な旅だと思います。何しろこの歳になると疲労がなかなか抜けませんから、
たった数日だけで体力的にギブアップしてしまっておうちに帰りたくなるので 笑 もっとやっておけばよかった。
志々島の大楠は当然とてつもなく巨大だというイメージだけは持ってたんですけど、何だかもうスケールが違いすぎました。
根元からへし折れて地面に倒れた大枝が朽ちることなくそのまま根を張って飄々と生きてる様とか、感動してしまいましたね。
ホントこれだけ見てきたのにお前は一体何なんだよと。ここ数年、この国に生まれて俺はなんて幸せなんだろうと噛みしめることが増えました。 - RYO-JI 20-11-17 (Tue) 21:47
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ワイルドな朝飯がステキです(笑)。
それこそ一人旅の醍醐味で、いつもの朝飯よりも贅沢に思えてしまうからやっぱり旅は偉大ですね。
顔ハメパネルもまぁ、旅の恥は掻き捨て的な(笑)。
コロナ禍ということもあって、より一層重みのある遠征になったのではと推察します。
そして、to-fuさんに『今までに見てきた巨樹の中で一番好きかも』と言わせる存在とは・・・と驚いています。
凄いとは想像していましたが、まさかそこまでとは思っていなかったので全身がゾワゾワしてしまいました。
人生観が変わるという場所もスゴイし、自分もそうなるかどうかはわかりませんが、その経験は貴重でかけがえのないものですね! - to-fu 20-11-18 (Wed) 19:08
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> RYO-JIさん
めんつゆは流石に常備していないのでさしみ醤油で代用しましたが、いやあ美味しくないですねえ 笑
顔ハメパネルはかなり恥ずかしかったんですけど撮らないと負けだ的なプレッシャーがありました。ええ、負ければよかったです。
今回コロナ時代の巨樹遠征ということで最低限の食材を家から持って行ったので、外食はもちろん買い物もスーパーで
生鮮食品を買う程度という新しいスタイルの旅になりました。先日連絡を取り合ったように、今はただ行けるだけでいい。
少しずつノウハウを積み上げてようやく遠くへ行けるようになった…そんな有り難みを噛みしめる3日間でしたね。
瀬戸内や九州のような温暖な地域のおおらかさは、やはりこちらの「田舎」とはまた質が違うように感じます。
離島やあのつるぎ町奥地のような閉じた環境に身を置くと自分の日常とのギャップがあまりにも大きいので、どうしても
自分の人生というものについて考え始めてしまいます。当時は東京で荒波に揉まれていたのでなおさら強烈な衝撃を受けましたよ。
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