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南三陸から 2011.3.11~2011.9.11 佐藤信一


PENTAX K-1 / PENTAX HD PENTAX-D FA★50mm F1.4 SDM AW

いわゆるプロのカメラマンや写真家ではなく、南三陸町で写真館を営まれていた佐藤氏によって撮影された震災の記録。プロアマ問わず外部の人間が作品として撮った記録写真も数多く存在しますが、やはり現地の方が作品としてでなく純粋な記録写真として撮影した写真だからこそ胸を打つものがあります。最近またパラパラとページをめくる機会が増えました。

先月11日、私は地元のローカルラジオを垂れ流しながら和歌山県の海岸線を運転していました。ちょうど震災から10年の節目ということでしきりに追悼、あの悲しみを忘れてはいけないという言葉が繰り返されます。そこで感じたのは、どうしてここまで他人事でいられるんだろうということ。明日にでも、いえ、災害大国に住む我々ですから、まさに今この瞬間自分が被害に見舞われても何ら不思議ではないというのに。

追悼の気持ちが無駄だと言いたいわけではありません。故人を思い偲ぶ。人が真の意味でこの世から消滅するのはその存在を思い出してくれる人間がいなくなった瞬間だと考えているので、私もその気持ちは大切にしています。しかし、いくら思い偲んだところで死者は帰って来ません。本当に大切なことは、今こうして生きる我々がその死から何を学び、どう生きるか、ではありませんかね。あれほどの大災害を対岸の火事みたいに追悼の気持ちだけで済ませてしまったのでは、亡くなった方も浮かばれません。

こんな状況が続いていますから、ついつい今年は低空飛行で乗り切って来年こそは…などと考えてしまいがちですが、来年がやってくる保障なんてどこにもないわけで。他人から見たら生き急いで見えようとも、今出来ることは明日ではなく今すぐにやる、を意識して一日一日を大切に生きたいものです。


SONY α7III / SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary

南三陸から 2011.3.11~2011.9.11 佐藤信一
※別にアフィリエイトリンクとか貼りませんので、ご興味のある方は上記タイトルで検索して購入してみて下さい。既に絶版になっていると思いますが、現時点では非プレミア価格の古本がそれなりの数見つかると思います。凄惨で目を背けたくなるような写真も含まれていますが、素晴らしい記録写真ですので是非。本当は和歌山県から帰ってすぐにこの記事を書き上げたかったのですが、メディアが追悼連呼してるときにこれを書くのも空気読めない奴みたいな感じがしてスルーしていました。ただやはり追悼一色、何周年イベントのような扱いをするのはちょっと違うような気がします。

コメント:2

21-05-02 (Sun) 9:28

日本は広く、被災地以外の場所では記憶や印象は消えていきますが、東北に暮らしてみると、今でも毎日震災の映像や語りを見聞きします。
大津波の破壊力はあらゆる想像を凌駕するようなとんでもないもので、ある日いきなりそこに放り込まれる可能性が誰にでもある。
住まいは安全なとこにあってもたまたま外地で被災するというのもありますし、どんな備えをしてても「身一つで逃げられれば御の字」を一瞬で選択できないと生き残れない。
東北の人の体験や防災に対する考え方を聞いていると、こういうことがまた起きるのだという前提それ自体にビビります。

昨日、この記事を読んでいた真っ最中に震度5が襲来しました。幸い何も壊れはしませんでしたが、活発期に入っているということは間違いないでしょうね。
脱炭素だ! で、さっそく原発全国再稼働要請だ! という国でもあるので、皮肉以上の何かを考えられるようになりたいものです。
関東へ戻る際に福島の閉鎖地域を走ると、津波は「打撃」だが汚染は「呪い」だな……といつも感じます。

to-fu 21-05-02 (Sun) 11:43

> 狛さん
あれからもう10年が経つというのに未だに余震が続いている…本当に自然の力というものは計り知れませんね。
度々報道で東北の地震速報が流れる度、狛さんのところは大丈夫だろうかと気になってしまいます。

こちらでも我々以上の世代にはまだまだ阪神大震災の痛ましい記憶が根強く残っていますよ。
仰るようにいくら耐震補強を進めようが出先で被災することもあれば隣家からの飛び火が燃え移ることもあるわけで、
とにかくいつでも有事の際を想定して生き延びる手段を考えておくことしか出来ませんね…

先祖代々大切にしてきた土地が未来永劫といっていい期間、人の住めない土地に変わる。私達が享受する便利な暮らしはそんなリスクを抱えることで成り立っているのだと思うと、やはり色々考えてしまいますね。コロナがこんな状況なので年内動くことは難しそうですが、ある程度状況が落ち着いたら福島の沿岸部を実際この目で見てこようと思っています。復興支援なんて大義名分を掲げるつもりは毛頭なく、この国に生きる人間としてその場に立ちただ何かを感じるべきなのではないかと。うーん、それにしても年始の時点から楽観視はしていませんでしたが、それにしてもここまで状況が酷くなるとは。ひょっとすると我々は人類が築き上げてきた物質文明の転換期を目の当たりにしているのかもしれませんねえ…

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