Home > SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art | マツ | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別) | 福井県 > 福井県三方上中郡若狭町 円成寺のみかえりの松

福井県三方上中郡若狭町 円成寺のみかえりの松


SONY α7RIII / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

3年前に訪問したきり記事にまとめられていなかった巨樹。
いえ、実はそれ以降も幾度となく立ち寄って眺めているのです。我が家から三方・水晶浜ルートで敦賀入りする際に必ず側を通るもので。
いつでも会える巨樹。後回しでもいいかと甘えていたのですが、希少化しつつあるマツの巨樹だけにまとめてしまうことにしました。

かつては全国各地に点在した防風林の松原、そしてマツの巨樹。今ではそのほとんどがマツクイムシの被害により枯死しています。
これほどまでに大きく美しいマツの巨樹は既に全国で稀有な存在かもしれません。


幹周4.0m。ご存じのとおりマツはスギやクスノキのように太く巨大に育つ樹種ではありません。
こちらも数値だけで見れば巨樹というよりは巨木クラス。

しかし、どうです?立ち姿を見てもなかなかの迫力ではないでしょうか。
私としても実際に訪問するまでは「まあマツだし…名木を見るくらいの気持ちで軽く行こう。」なんて舐めていたのが正直なところ。
それが現地に到着したらこの姿ですよ。興奮してしまいましたね。マツ、やるじゃないか!と。


マツ=巨樹趣味的にはあまり美味しくない、枝ぶりなどを眺めて大きな盆栽として楽しむ樹種。
そんな印象を持っているのは恐らく私だけではないはず。

安心してください。このお方は決して損させませんから。


岩肌のようにゴツゴツした樹皮。つい手を伸ばして触れてみたくなります。
実際に触れることが出来るのも良い。


福井県指定天然記念物「円成寺のみかえりのマツ」。
記載されているとおりどの方向から眺めても美しい。
こちらには書かれていませんが、通り過ぎた後もつい振り返って見返したくなるその姿から「みかえりのマツ」と呼ばれるようになったのだとか。

個人的にハズレ無しだと思っている新日本名木100選にもその名を連ねています。
新日本名木100選は巨樹そのものの素晴らしさだけでなく、周辺の環境の心地よさも加味されている(ように私は感じる)のが好ましいのです。
巨樹は立派だけどこの場所で一時間は過ごしたくないな…というものも珍しくありませんから。
余談ですが新日本なんて銘打ちながら既に枯死してしまった選定巨樹が多いので、そろそろ新たな100選を…という気がしなくもありません。


本当に全方位どこから見ても美しい、素晴らしい枝張り。


幹周4mクラスのクロマツというだけならそう珍しくもないかもしれません。
香川県の津田の松原には樹齢500~600年と言われる同等サイズのマツが点在していました。
が、この枝張りの美しさは唯一無二。今では日本中探してもそう見られるものではないと思われます。
しかしこのマツも一体いつまで健康でいてくれるか…近年のマツクイムシの被害状況を見るに、今優先的に見ておくべき巨樹であることは間違いありません。


近くには三方五湖や水晶浜などの観光名所があり若狭町名物の梅干しも美味しい。いいところです。
(最近主流?のハチミツ梅も作られていますが、私は昔ながらのしょっぱい梅干しを刻んで塩分と酸味を味わう調味料として使うのが好き。)
我が家的には海水浴なら若狭小浜エリアと決まっていて、子供が小さい頃からお世話になってきました。
国道27号線からすぐと立地もなかなか分かりやすいので若狭町を訪れる際はぜひ。
車に乗ってからもバックミラーでその姿をチラチラ窺ってしまう、まさにみかえりの松なのでした。

2020/1/24訪問
「円成寺のみかえりの松」
福井県指定天然記念物・新日本名木100選
樹齢 約250年
樹高 約12m
幹周 約4m

福井県三方上中郡若狭町岩屋42-4

コメント:4

RYO-JI 23-03-09 (Thu) 21:06

おおー、これはとても立派なマツですね!
巨樹のイメージがほぼないマツですけど、これは名木、なるほど大いに納得できます。
下の方の横に伸びる枝の太さや、苔まみれの姿にも目がいってしまいます。
マツクイムシに駆逐されつつあるマツ界において、これだけの大きさと樹勢の素晴らしさは見事としか言いようがありませんね。
最後の写真、その全体の姿がまぁなんとも美しいではありませんか。
ここを立ち去るのが名残惜しくて何度も見返ってしまう気持ちもわかりますし、そういう名称が付いているのもいいですね。
さすが新日本名木100選、間違いないですね!

23-03-11 (Sat) 8:58

「新日本名木100選」=堅実にイイ、「森の巨人たち100選」=俺を遭難させる気か!? ……かなと。笑
巨大盆栽型のマツは、棚状の樹冠が雄大ではあっても、概して幹は細かったりしますよね。
しかし、なんだこれ……完全に巨樹ですね。素晴らしいとしか言葉が出てこない。
枝の下の苔むしたところに座って、ずっと眺めていられそう。
今でこそ凶悪エイリアン・マツノザイセンチュウにやられていますが、それさえなければ本来マツは頑強な樹種なのだと、思い出させてくれる巨樹とも言えそうです。
ベストな風土と気候だったこともあるでしょうが、マツを極めたマツ、みたいな印象ですね。

日本の巨樹は、大きさだけで比べてしまえば、セコイアとか南方樹種とかのスケールには及ばないですが、マツ巨樹の独特の雰囲気は、日本にしかないものだとはっきり言える。
実は世界遺産レベルに貴重な存在なんじゃないかと最近ことに気になっています。
外国の方だってきっと見たいに違いない……あ、でも、それ言ったら、ブレイクする前に根元の立ち入りを制限するべきかも。
我々としてはちょっと残念ですが、年々貴重になっていく存在、背に腹は代えられないですね。
自分としても、あちこち、見られるうちに足を運びたいです。

to-fu 23-03-11 (Sat) 10:53

> RYO-JIさん
そうなんです。巨樹として見てもイイ!と通用するマツだと思います。
マツの巨樹は本やWebを見て良さそうだと思ったものがことごとく既に枯死しているんですよね…
四国の2~30年前の資料を見ていると巨大マツの宝庫だったみたいなので残念でなりません。
みかえりの松はRYO-JIさんのところからでも日帰り圏内(ただし京都市を抜けるまでが地獄…)だと思いますので、
機会がありましたら是非立ち寄ってみてください。

to-fu 23-03-11 (Sat) 11:14

> 狛さん
新日本名木も森の巨人たちも、改めてリストを眺めるとエリアも樹種も実にバランスよく選ばれていて感心してしまいます。

わが京都市にも「遊龍の松」というとんでもない超巨大盆栽型マツが存在しますが、やはり幹周は1.5mくらいしかなくて
巨樹として見ると微妙としか言いようがありませんからね…しかしこちらは仰るように、面構えが完全に巨樹でした。
塩害には強いし雪が積もろうがビクともしないマツですから、それこそ江戸時代の人たちに今の惨状を伝えてもきっと
誰も信じてくれないのではないでしょうか。マツノザイセンチュウ駆除の薬剤も色々ありますけど、あれどの程度の
効果があるものなんでしょうねえ。

巨大マツはまさに巨大な盆栽で、日本独自のワビサビみたいな価値観が詰まった国の宝ですよね。
でかけりゃいいってもんじゃない。長い年月をかけても同じような形状に育てることは不可能なわけで、あれはもう
一つのアートと言って差し支えないと思います。たしかにまだ健康な個体が多く残っているうちに先手を打って
保護策を講じるべきなのかもしれません。松枯れ病にかかってから保護したのでは間に合いませんからねえ。

コメントフォーム
Remember personal info

トラックバック:0

このエントリーのトラックバックURL
https://withphotograph.com/wp-trackback.php?p=28039
Listed below are links to weblogs that reference
福井県三方上中郡若狭町 円成寺のみかえりの松 from with photograph

Home > SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art | マツ | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別) | 福井県 > 福井県三方上中郡若狭町 円成寺のみかえりの松

CATEGORIES

Return to page top