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香川県丸亀市 王子神社のセンダン


FUJIFILM X-H2 / FUJIFILM XF 16-55mm F2.8 R LM WR

近くを何度も通っていながら昨年末までその存在を知らなかったセンダンの巨樹。
存在を知って以降何度も立ち寄る機会がありましたが、どうせ見に行くならセンダンの花の時期に!と我慢していたのです。
これは…うん、我慢した甲斐があったぞ。


丸亀市のほぼど真ん中、坂出JCTの少し南側に位置する王子神社。
この辺りはもう何度も通っているだけに迷わず到着したものの、駐車スペースが見当たらず。
これは困った。どこか停められそうな路肩でも…と周辺道路を2周ほどぐるぐる回ってみましたが結局見つけられません。
しかし貴重な開花時期のセンダンを諦めるわけには。神社の隅にギリギリ邪魔にならないだろうというスペースがあり、そちらに駐車しました。

地域の集会場のような王子神社拝殿の目の前に目的のセンダンを発見。おお、これはいいセンダンだ。


まずは解説板を。
特に天然記念物指定はされていないようですが、丸亀市の保存木に指定されています。
幹周5.5m。巨樹DBによると4.67m、巨樹界の大先輩が6年前に実測した数値が5.41mということなので、現在5.5m前後で間違いはないでしょう。
恐らく県内では「琴平町の大センダン」に次ぐナンバー2(実はこちら国内ナンバー2でもある)のセンダン巨樹になるかと。

余談ですが全国ナンバー1の「野神の大センダン」は既に樹勢が衰えているため、実質「琴平町の大センダン」が最も見応えのあるセンダンだと思います。
有名なこんぴらさんの麓にありここからもそう遠くないので、もしまだ未訪問であれば併せて回られることをおすすめします。


主幹はとっくに朽ちて折れており、根本には空洞も見られる。
なかなか痛ましい姿ではありますがそれでも樹勢は上々な模様。
葉の付き、花の咲き具合共に申し分なく、側に立っているとセンダンの花の甘い香りがふわっと漂ってきて実に心地いい。


まあ巨樹、巨大でダイナミックな存在感を誇る樹木をイメージして来られると肩透かしになる感は否めませんが。
それでもセンダンの巨樹としては余裕で全国トップ10に入る大きさではないでしょうか。
何よりも、ここまで満身創痍な状態になりながらたくさんの葉をたたえる姿は心に響くものがある。


恐らく主幹がへし折れた際に根元部分まで割れるような形で半身が持っていかれたのだと思われる。
痛々しい。けれど、逞しい。落葉した時期に訪れていたら随分印象が違って見えたかもしれません。


木陰に入ると薄いセンダンの葉が光を透かして輝くように見えてとても美しい。


香川県、徳島県の春の楽しみは新緑の巨大クスノキとセンダンの花。この二大巨頭と言えましょう。
これらを眺めてドライブするためだけに訪れる価値があると思う。うどんだけじゃないんですよ。
巨大クスノキの樟脳の香りもセンダンの花が風に吹かれてふわっと香るあの感じも甲乙つけ難く、どちらも上品でいい。


遠目に全景でも…と思ったのですが畑と新興住宅ばかりで下手に路地に立ち入るわけにもいかず。
きっと2、30年前頃までは周りには何も無く、ただ畑が広がるだけの平野に静かに鎮座する神社だったのでしょう。
これから風景がどのように変遷していくのか。街がどのように変化しても、いつまでも愛され続けるセンダンであってほしいものです。

センダンの名の由来でもある実を付ける秋から冬の訪問も悪くありませんが、やはり鮮やかな緑と花の香りが楽しめる5月、6月が一番のおすすめ。

2024/5/21訪問
「王子神社のセンダン」
樹齢 不明
樹高 約12.5m
幹周り 5.5m

香川県丸亀市飯山町西坂元997

コメント:6

RYO-JI 24-06-25 (Tue) 22:04

センダンの巨樹はなかなか見る機会がないので是非とも見てみたい一本ですね。
クスノキの巨樹がポコポコ生えている四国ですから、センダンは地味な存在に見られてしまう不遇さを感じます。
そりゃあ迫力や存在感は誰が見てもクスノキには遠く及ばないものの、なかなかどうして冒頭写真の上品な佇まいに惹かれます。
と思っていたら主幹が無くなっていて、まさかの壮絶な姿にギャップを感じてしまいました。
それにしても開花時期の美しさは特別感があっていいですね。
こんな姿を毎年眺められたら心豊かになりそうです。

to-fu 24-06-26 (Wed) 14:01

> RYO-JIさん
枝葉の広がりもよくて気持ちよく眺められるセンダンでしたが、とにかく花の香りがいいんですよ。
一度あの香りを嗅ぐとクセになってしまって、窓を開けながら運転していても「おっ、センダン!」と香りで気付くようになりました。
地元の方はあまり気に留めていないようですけど、その地味さが却って品の良さを際立たせていて大変好ましいです。

既にご存知かもしれませんが、最近になって奈良にも立派なセンダンがあることを知りまして…
「唐院のセンダン」 http://www.tree-flower.jp/29/touin_sendan_2010/touin_sendan.html
↑立地がちょっと微妙なんですよね。落ち着いては眺められなさそうで。
ただ関西圏では少ないセンダン巨樹なので、法隆寺周辺をぶらぶら散策しながら立ち寄るのも悪くないかもと思っています。

24-06-26 (Wed) 14:56

最近、身内の農園の一角に「木を植えたいのだが、何がいいか?」とか訊かれ、この場合、「面白みのあるシンボルツリー」みたいな意味なんですけど、センダンはどうかと考えていたところです。
関東であまり見かけない暖地の樹種でしょうけど、丈夫そうですし、顕著な温暖化だし、どうかなと。勧めてみましょう。笑

センダンの巨樹には四国以来のご無沙汰ですが、何よりこの花の時期を一度体験してしまうと、ぐっと好感度が増しますね。葉の緑色が明るくて爽やかなのもとても好印象。身近にあってほしい樹種です。
この樹も含め、巨樹では幹の荒れやウロなんかはありきで見るべき樹種にも思います。これだけの花と緑を誇っているのだから、樹勢が悪いわけがないだろうと。
遠景の写真で、ぼうっと煙ったような、くすんだような色に見える。これはもう、この季節が来たなあ! と、昆虫のごとく引き寄せられますね。

to-fu 24-06-26 (Wed) 20:25

> 狛さん
庭木的なシンボルツリーとしてのセンダン、すごくいいと思います。
夏はクソ暑く冬は馬鹿みたいに寒い京都の中心、京都御所でもセンダンは大きく育っていますので、狛さんのご実家の方であれば問題なく育ちそうですね。

初回の訪問がちょうどあの初サミットの時だったこともあって私も強く印象に残っています。
四国といえばあの香りだろ、みたいな。たぶん四国の人100人に聞いても1人も共感してくれないと思いますけど 笑
ケヤキなんかもそうですが、これらの樹種の老木は朽ちてて当然、みたいなところがありますね。真冬に見てしまうとどうしても
ネガティブな感想だけ拾って帰ることになるんですけど、春夏に見ると印象が180度ガラッと変わることも多くて。

コンディションの良い時期を選んで会いに行くのも巨樹と相対するマナーの一つなのかもしれません。
人間だって病み上がりの顔色真っ青な時期にポートレート撮らせてくれ!なんて言われたら、勘弁してくれよってなりますからね。

RYO-JI 24-06-26 (Wed) 22:10

「唐院のセンダン」はおっしゃるように立地がとても残念なんですよ。
交差点だし道路沿いだし、後ろの建物も邪魔だったり、電線も・・・と。
自転車で前を通るたびに、毎回『やっぱり撮るのは難しいなぁ』と思ってしまって。

to-fu 24-06-27 (Thu) 10:55

> RYO-JIさん
やはりご存知でしたか!あの立地はちょっと残念ですよね。
それなりに交通量もありそうで、どう撮影しようかイメージしてみても全くまとまりませんでした。
とても立派に見えるだけに何とも口惜しいですね。

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