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徳島県名西郡石井町 天神のイチョウ


Nikon Z f / Nikon NIKKOR Z 24-70mm F4 S

先日紹介した同町内の「矢神のイチョウ」から目と鼻の先。距離にして約1kmほどでしょうか。
本来であれば併せて眺めるのがよろしいかと思われますが、今このイチョウを訪れるのは…

現地に到着してすぐに感じる違和感。とにかく臭い。
野生動物の残り香をかき集めてじっくり煮詰めたかのような悪臭が漂う。
車を降りて「どうしたもんかな」と思い悩んでいると、目の前の塀の上に立つ巨鳥と目が合った。

うわあ、サギだ…


そう。サギなんです。
ダイサギだかチュウサギだか分かりませんけれども社叢全域がまさかのサギコロニーと化している。
写真では分かりにくいかもしれませんが樹冠の中にいくつものサギの巣が見え、今まさに子育て真っ最中のようでした。
地面が真っ白になるくらいにばら撒かれたフンの跡。そして境内に漂う強烈な悪臭。これはたまらん。


目的の巨樹はすぐに見つかりました。が、近付くには相当な勇気を要する。
サギのフンって量が半端じゃないんですよ。ハトやカラスの比じゃない。もしあれが頭に着弾したら…
巨樹界の不動明王と呼ばれる揺るぎない心を持ったワタクシですら、邪智暴虐の王と化してサギに破滅をもたらさんと暴れ回る自信があります。
(こうやって文章を書き起こしながら、今になってイチョウの左奥に巨樹解説板が設置してあったことに気付きました。)


流石幹周10mクラスのイチョウだけあってこの距離からでも只者ではないことが伺えますが、行くのかよこれ?と。正直かなり悩みましたね。
フンまみれになったイチョウの葉の視覚的インパクトもさることながら、やはり境内全域を支配するフン臭、ケモノ臭の破壊力たるや…ねえ。
今こうして写真を見返すだけであのニオイが鼻の奥底に蘇ってきて吐き気を催すほど。冗談抜きでそれくらいのニオイでした。


意を決して接近しましたが、シャッターが切れたことを確認した瞬間にダッシュで離れたのは説明不要でしょう。


本当に立派なイチョウなんですよ。県指定天然記念物は伊達じゃない。
気根もたっぷり垂れ下がっていて、イチョウ巨樹としての見栄えで言えば先の「矢神のイチョウ」に勝ると思う。
じっくり眺めたかったし、もっと写真も撮影したかった。残念でなりません。

ん…右上にいるのはもしや?


巣から落ちたサギの雛鳥でしょうか。落下途中で足が枝に引っかかってしまったようで、いくら藻掻けども足が外れない模様。
何とか助けてやりたいところですがイチョウの幹をよじ登るわけにもいかず、どうしようもありませんでした。申し訳ない。


うーん…私の近所の神社にもサギの小規模コロニーがあって、やはり毎年そこに営巣して子育てしてるんですね。
このサギコロニーが他所へ移ってくれる可能性はあるのでしょうか。

素晴らしいイチョウ巨樹です。巨樹としては本当に見応えがあるし、文句なしに県下を代表する一本と言えると思う。
しかしこの状況ではとても人様におすすめできるものではなく、本当に勿体ないなと。何とかならないものですかね。

あ、フン害を避けて少し移動させていた私の車ですが、ものの10フン…いえ、10分程度の間に大量のフン爆撃を受けて無惨に悪臭を放っていました 笑
しつこいようですが何とかならないものですかね。

2024/7/5訪問
「天神のイチョウ」
徳島県指定天然記念物
樹齢 伝承900年
樹高 38.5m
幹周 10.4m

徳島県石井町高川原字天神 天満神社境内

コメント:4

RYO-JI 24-09-30 (Mon) 21:04

「矢神のイチョウ」の記事で、このイチョウには何かあるという記述でしたが、まさかまさかの大まさかでした。
サギのフン爆弾は経験ありますが、あれはもう殺意が湧きますよねぇ。
もちろんどうにもできませんが(笑)。
しかし大規模コロニーまでできてしまうとは。
ここまでくると神社だけでは対処できないでしょうね。
天然記念物とはいえ、鳥獣保護法やコストがネックとなって行政も難しいかと。

気根がかなり立派でとても見応えがありそうなのに残念でなりませんね。
to-fuさんのお顔がその複雑な心境を物語っているように見えました。

24-10-01 (Tue) 10:00

同じく、問題アリの巨樹?とのことで、イチョウながら悲惨な樹勢なのかと想像してましたが、こういう……。
地図で見てみて、吉野川が近く、その流れによってできた土地のようなので彼らが集まるのも納得ですが、大型の鳥なのによくまああそこまで殖えますよね。関東でも各所で問題化してます。
インドではサギは毒蛇を食う霊鳥的扱いだったと思いますが、to-fu神の憤怒に触れることになろうとは。笑
温暖化、外来魚の定着、天敵不在など、これもまた現代特有の要因によるんでしょうね。

イチョウは県代表でも異論がわかない文句なしの体躯ですね。気根も多く、これは見にいく価値ある。
生命力随一のイチョウとしてはグアノ的に利用しそうですが、このまま数十年も続くと樹形に何らか特異な変化が起きるのかも。
多すぎる養分も良くないですよね。デリケートな樹種だとすでに腐って枯れてたかもしれません。
雄の樹だと思うので、フン臭とギンナン臭の凶悪マリアージュが出現しないのだけは良かった、かなと。

to-fu 24-10-01 (Tue) 15:07

> RYO-JIさん
まさかの、です。私も本当に驚きましたよ。
撤収してすぐにガソリンスタンドのコイン洗車に放り込みましたが、スタンドに着くまでに何人かに笑われました 笑
サギのコロニー対策について少し調べましたけど、居着かれてしまったらもうアウトみたいですねえ。
木を伐採する以外に術なし…一応特例的に猟友会が駆除した例もあるみたいですが、住宅街なので許可が下りないでしょう。

本当に巨樹そのものは県を代表するくらい立派なものなんです。徳島市からのアクセスも悪くない。何とかならないのか。
騒音に悪臭。ご近所の方は耐え難い苦痛だと思います。自然との共存は難しいですね。

to-fu 24-10-01 (Tue) 15:18

> 狛さん
落雷や台風による折損なら覚悟はしていますが、まさかの鳥害は想像してませんでしたよ。
利根川水系もサギコロニーで有名ですよね。ニュースで見た光景はサギの楽園のようでした。(詐欺の楽園みたいでやべえ響きだ)
日本でも江戸時代まではサギのフンが肥料として重宝していて、田舎では益鳥どころか福を呼ぶ鳥として扱われていたらしいです。
ただ、肥料化前のフンは強酸性で樹木が立ち枯れすることが多いとか。このままではイチョウの健康状態に影響しそうです。
河川敷が整備されてしまい、静かな神社の社叢はまさに理想的な住環境なのかもしれません。
とはいえ利根川みたいに河川敷が制圧されるのもどうかと思うし…難しい問題です。

巨樹に興味のある人なら遠方からやって来ても間違いなく満足できる一本だと思います。
県天としての価値もあるし何よりご近所の方、青空駐車なんてもってのほか、洗濯物も干せないのでは?うーん。
もしフンとギンナンのマリアージュが起きていたら地価の暴落間違いなしでしょうね…人の住める場所じゃない。

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