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岐阜県郡上市 白山中居神社の浄安杉 再訪


SONY α7RIII / SONY FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G

石徹白のスギを訪問した後は、もちろんこちらに向かいます。白山中居神社の「浄安杉」。石徹白のスギとは傾向こそ違えど、こちらだって実に素晴らしいスギの巨樹です。きっとこれからも石徹白を訪れる度にこの2本はセットで訪問するでしょう。しかし今回このスギは再度記事にする必要があるのだろうか…と少し悩んでしまいました。そりゃあ落ち葉の量とか真夏とは違いますけれども、基本的にはほぼ変わらないんですよね、姿が。で、色々と考えてみた結果、このサイトは自分が自分のために書くログなんだからそんあ細かいこと気にしなくていいんじゃないか?と。せっかく行ったんだから感じたことを書けばいい。見る人が「何だよ夏と全く同じじゃねえか。」と思えば黙ってブラウザを閉じてくれてもそれでいいし、自分が読み返して「何だよつまんねえ記事だな。」と思えば削除すればいい。まあ、気軽な気持ちで書いてみようと思います。


はぁ…はぁ。よ、ようやく到着。自分の場合訪問した2回とも石徹白のスギの後に訪れているので順序が大きく影響しているのかもしれませんが、あの地獄の階段よりも浄安杉に至る山道の方がずっとハードに感じます。残り100mの看板が見えたあたりで本当にげんなりしますからね。もしも浄安杉が大したものではなかったとしたら、こうして真冬の早朝から汗かいてまで再訪することも無かったでしょう。しかしこれがまた凄い巨樹なんだ。悔しいけど。黙ってスルーするわけにもいかんのです。


明らかに周囲の人工林からは浮いた異物。各地に天狗杉と呼ばれる大杉が点在しますが、まさにこの浄安杉も枝に天狗でも座ってるんじゃないか…そう思わずにはいられません。


やや螺旋状に突き上がる一つ一つの幹が本当に立派なんですが、それがこうして4本集まるともう流石!としか言いようがありません。鬱蒼とした山林の中にそびえる異形の巨樹。言葉にすると何だか不気味なモンスター系巨樹のようにも聞こえますが、不思議とそっち系の怖さは感じないんですよね。本当にどっしりとした暖かい巨樹で、対峙しているとつい樹皮に触れたくなってしまいます。


横に大きく突き出した枝が「ここは俺の縄張りだ。」と周囲のスギたちに主張しているようです。こうして広角レンズで撮影すると細枝のように見えてしますが、実物はこの枝も一般的なスギの主幹くらいはありますからね。充分な迫力です。


地元の小学生が描いた「これからも浄安杉を大切に」のイラスト。いや、改めて見ても上手いよこれ。浄安杉って書いてなくても浄安杉だと分かるもの。夏の訪問時と比べるとラミネートの内部に浸水して紙が劣化してしまったようにも見えます。浄安杉ももちろんですが、是非このイラストも大切にしていただきたいものです。


裏側から。うん、裏側から見ると少し頼りなく見えるんです。根元の樹皮に1円や5円が挟まれていました。浄安杉の名の由来である、浄安が埋めた埋蔵金(なんて大したものじゃなくてヘソクリの宿賃ですが)にちなんでご利益を求めるものなんでしょうか。うーん…実際にお金が埋まってたとしても、そんな大層なものじゃないと思うけどな 笑


小一時間ほど眺めていたでしょうか。伝承に書かれていた「浄安、鍬は?」という例のカラスの鳴き声を思い出し、ふふふっと笑いながら白山中居神社へと戻ります。カラスの鳴き声が「ジョウアンクワハ?」ってどういうことやねんな。せめて「クワハ(クワァー)」くらいのものでしょうが。荘厳な佇まいを見せる反面ストーリーがアホらしくてどうも気が抜けるんですよね、この浄安杉は。そこが魅力でもあるんですが。


ここまで戻ってくるとやはり名残惜しい。ああ、石徹白ともしばらくお別れか…と思うとなかなか移動する気になれず、境内を無駄にうろうろと散歩するのでした。


きっと自分の単なる思い込みなんだと思いますが石徹白のスギも浄安杉も、前回より少しだけフレンドリーに接してくれたような気分。巨樹の大物たちにちょっとだけ特別扱いしてもらえたようで、ホクホク温かい気持ちで出発するのでした。ああ、そういえばチンタラと車を走らせていたら地元の幼稚園くらいの子供が手を振ってくれたので手を振り返したりもしました。朝一から本当に気持ちが良い。やっぱり石徹白は良い、大好きだ。

2018/8/9 初回訪問

2018/11/30
「浄安杉」
岐阜県指定天然記念物
樹齢 不明(推定1,000年以上とされるそうです。)
樹高 32m
幹周り 12m

岐阜県郡上市 白山中居神社境内

コメント:4

18-12-26 (Wed) 0:04

石徹白の大杉を訪ねて浄安杉に寄らなかったとしたら、to-fuさんどこか悪かったのか? と書かねばなりませんが、良かった。笑
やはりこうして、相変わらずの巨躯で。to-fuさんとの比較……縮尺の感覚がまたおかしくなる……デカすぎますね。笑
本当に立派な樹、巨樹の醍醐味を漏らさず持ち合わせていて、しかもそれを触れる距離で見ることができるという点でも稀有な存在です。

次回行ったら、きっと自分のことを覚えててくれるんじゃないか? なんていう感じ、実はよくわかります。笑
膨大な経験を内部に蓄えながら、時計の針が一周するような感覚で一年を生きているのではないか。
前回自分が訪ねた時というのは、彼らにとってはほんの一瞬前に過ぎないのではないか……そう思うからかもしれません。
しかし、過酷な環境に立つ石徹白のこのお二方は、特にそういう感じが強いと思うんです。
あの暖かな感じはなんなのか……頷きながら読んで、見ていると、あの独特な感じをもう一度味わいに行きたくなってしまいますね。

RYO-JI 18-12-26 (Wed) 22:53

いま決めました。
来年こそは石徹白とこの浄安杉に会いに行きます。
雪深そうなので、4月以降ですかねぇ。
日帰りだろうがゼッタイに!!

to-fu 18-12-27 (Thu) 6:30

> 狛さん
あの2本はやはりセット扱いですよね。
浄安杉をスルーするのはハンバーグを頼んでおいてライス・パンを頼まないのですか?くらいの違和感があります 笑

巨樹も会う度に少しずつ親密さを感じるようになりますよね。
こういう事を考えると、第一印象があまりよろしくなかった巨樹の中にも再訪すると印象が変わるものがあるのではないか…なんて考えてしまいます。むしろ知れば知るほど、やっぱりこいつとは合わねえわ!みたいなのもあるのかもしれませんが。

そうか。そうですよね。悠久の時を生きる彼らにとってみれば、確かに我々の数ヶ月、数年なんてものは一瞬に等しいんですよね。僕の夏〜冬になんてのも、彼らからすれば昼間来た人間が夜にまた来やがった…くらいのものでしかないのかもしれません。そう考えると、本当にデカいですねえ。外観だけでなく、とにかく全てにおいてスケールのデカい話だ。

to-fu 18-12-27 (Thu) 6:35

> RYO-JIさん
そこらの半端な巨樹であれば、マジですか?遠いですよ!と言いたいところですが、対象がこの杉たちとなると話は別です。
ぜひRYO-JIさんの感想が聞きたいこともあり、僕としてもその時を楽しみに待ちたいところです!

とにかく崩落だの土砂崩れだの多いところなので、僕のような行き当たりばったりではなく
「郡上市白鳥地域振興事務所」に大杉までの道に通行止箇所がないか確認してから出発されることをオススメします!
(ええ、僕も次回からそうしようと心に決めています…)

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