兵庫県篠山市 追手神社の千年モミ 再訪

SONY α7RIII / SONY FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G
FUJIFILM X-Pro2 / XF 23mm F1.4 R

昨晩は夜遅くまで雪が降り続いていました。私はもう興奮してしまってなかなか寝付けませんでしたね。ようやく来たか!と。
そう、この「追手神社の千年モミ」が雪景色の中にそびえ立つ姿を見てみたい!とずっと渇望し続けてきたのです。
ええ。暖冬ということでまとまった雪が降ってくれないので、今年は無理かと半ば諦め始めていたところでしたよ。ようやく、です。

亀岡市に入るくらいまでは僅かに降り積もっている程度だったのでドキドキしながらやって来ましたが、心配は杞憂に終わったようです。国道176号線を篠山市街から丹波市方面へ。ここに来るのも久しぶりだな。いえ、正確には何度も通過していましたが目的地がここから100km近くも離れていることが多かったので、なかなか立ち寄る機会がありませんでした。狛さんと訪れて以来か。懐かしい。あれから半年以上…いや、もうちょっとで一年になるんだよなあ。5月だというのに汗ばむくらいの陽気で、我々はTシャツ一枚だったように記憶しています。しかしあとたった4ヶ月でTシャツスタイルになっているだなんて信じられません。最近は四季もクソもありませんね。夏夏冬冬、です。はあ。

うわー…これだよ、これ!柱だ!!塔だ!!
興奮を抑えきれず、いい歳したおっさんが駆け足で近付いてしまいました。地元の方が社務所、モミの木まで歩いて行けるよう雪かきをされているところだったので、まずは挨拶をしておきます。雪景色の中にそびえるモミを撮りたくて京都からやってきたのだと伝えると、まるで自分の子供を褒められたかのごとく照れ臭そうに、そして嬉しそうに驚いてくれたのでした。いや、だってこれは見に来たくなるよ。数ある巨樹の中でも真っ先にここが思い浮かびましたからね。

うーん…でもこの巨樹の迫力は写真で伝えるのが本当に難しい。
決して造形が複雑なわけではない、実直にスラっと伸びた巨樹。写真で見てしまうとただの木にも見えかねないんですよね。このスケール写真で千年モミの魅力の片鱗でも伝われば良いのですが…

モミという樹種ならでは、なのでしょうか。雪化粧された姿を見ても、寒々しいだとか寂しいといった印象を一切受けないんです。むしろ生き生きしているように、この瞬間を待ちわびていたように見えるんですよ。どうだ?決まってるだろ?もっと写真に撮っといてくれよな。モミがそんな風に言っているようにも思えてきます。

実のところ、あれ?こんなに元気な巨樹だった?と驚いてしまいました。
枝葉に積もった雪がボリューム感を与えてくれているからかもしれません。雪化粧の言葉どおり、ふわふわのパウダースノーがモミの巨樹を一層魅力的に飾り付けてくれています。

耳が痛くなるくらいにキーンとした冷たい空気の中、近所の方が雪かきするザック…ザック…という音だけがやけに大きく響き渡ります。ああ、これは気持ちいいぞ。早起きしてやって来て良かった。何本か巨樹を回って帰るつもりでしたが、この景色を眺めているとそんな事どうでもよくなってしまいました。次はどこへ…まあいいや。また雪が降ったら改めよう。今日は満足いくまでここでゆっくりしたらいい。

近付いたり、遠ざかってみたり。今度は周囲をぐるぐる回ってみたり。本当にありとあらゆる角度から堪能させてもらいました。見れば見るほど良い巨樹です。未熟な私には写真でこの巨樹の魅力を伝えることが出来ないのがもどかしいですが。

神社の本殿側が山なので国道からは目立ちませんが、その麓にはこれだけ余裕のある空間が広がっています。本当に開けたところにズドン!と屹立してるんですよ。どの角度から撮れば格好良いだろう、なんて考えながら眺めていると時間の経過を忘れてしまいます。

撮影後の爽快感といったらもう。まるで憑き物が落ちたかのようにスッキリしました。これは毎年恒例の行事になるかもしれません。雪が降ったら追手神社の千年モミ。うん、そうしよう。

2018/5/25 初回訪問はこちら

「追手神社の千年モミ」
国指定天然記念物
樹齢 幹周から約500年と思われる(案内板より)
樹高 35.58m
幹回り 7.68m

6件のコメント

  1. これはカッコいい! 前回にきっといいぞ、なんて想像した姿よりも上を行ってますね。
    まさに雪化粧、枝や幹の輪郭をうきあがらせているせいか、僕もボリュームを感じました。
    to-fuさんのいう通り、寒冷地に強いモミならではの力強さが感じられます。
    この時期、ケヤキやイチョウも耐えてるだけのように見えますからね……。

    背景も含めた色合いもしんしんとしてすごくいいですね。
    お見事、サマになる……なんていうと、日本一のモミに失礼な気もしますが、ほんと、この姿こそこの巨樹のプロフィールにふさわしいと思いました。
    そしてやはり、すごく巨大だ。
    写真撮りの期待にも応えてくれる、やはりこれが日本一だな、と思いました。

  2. > 狛さん
    雪の日はここだよなあ!なんて話してましたが、本当に予想を上回る感動でした。
    雪が降って初めてモミさんの本領発揮といいますか、水を得た魚的な活力を感じましたね。
    これも春の桜や秋のイチョウのように、ある意味季節モノと言えるかもしれません。

    僕もあれから何本かモミの巨樹を見ましたが、一発目にこの方を見てしまうとどうもダメですね。
    スダジイみたいに個性的な成長を見せずズドンと伸びる樹種なので、単純にサイズが小さいと物足りなく感じてしまいます…
    いつかまた狛さんも冬の千年モミを見に来てやってください。
    何となく撮影はウエルカムだと言っているように見えたので、きっと喜んでくれると思います。

  3. 前回訪問の時と見比べるとより一層楽しめますね!
    何度も見てしまいます(笑)。
    常緑樹にも関わらず、表情が全然違っててメチャクチャ見応えありますよ。
    もちろん雪景色という大きな違いがあるにせよ、樹形としては単調な生真面目直立一本スタイルなのに、
    こうも楽しめるとは不思議な巨樹ですね。
    見れば見るほど、そのサイズ感がわかりにくくなります(笑)。

  4. > RYO-JIさん
    このモミはぜひRYO-JIさんにも見て頂きたいんですよね。
    僕はWebで見てどうせ大したことないだろうと高を括っていたクチなので、実物を見て本当に驚きました。
    そしてタイミングが合えばぜひともご一緒させていただきたい。

    一面の雪景色となると年に一度拝めるか拝めないか…くらいになってしまうので、雪が積もると何処に行くかが悩ましいです。
    そのタイミングで仕事を半日空けても許されるか?という運の問題もありますし 笑
    雪の中の「八ツ房杉」なんてのも雪景色にあの赤い樹皮が映えるだろうと気になっているんですが、それこそ雪化粧されるほど積もってくれるのは数年に一度のタイミングになってしまいそうですね。

  5. RYO-JIさんの探訪記を読んで、再び雪化粧した姿を拝みに来たくなりました。
    いやー、やっぱり素晴らしいですね。いい写真!
    幹の荒々しい表情や周囲の風景も含め、美しいなあと見とれてしまいます。

  6. > 狛さん
    今月に入って気温が下がってからというもの、このモミのことがずっと頭の片隅にちらついています。
    雪化粧された姿を撮ってみたい巨樹は他にも多くありますが、それでも今年もモミの木へと向かってしまうことと思われます。
    そちらは雪には困らなさそうで羨ましいですね。今年は暖冬っぽいし、こちらでも雪が降ってくれるかどうか不安ですよ…

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