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兵庫県養父市 口大屋の大アベマキ


SONY α7RIII / SONY FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G

今年の桜シーズンに「樽見の大桜」を見に来た際に立ち寄っていた巨樹。まだ完全に落葉しきった状態での訪問となってしまったので、いつか葉を茂らせた状態のときに再訪しよう。記事を書くならその時だ、と心に誓っていたのでした。で、このアベマキさん。非常に立地が分かりづらいです。私の知る限り二つのルートがありまして、一つが樽見の大桜の裏手から遊歩道を1時間ほど歩くルート。こちらは未踏破なので詳細は分かりかねます。体力的な問題もありますが、一番ネックなのはクマ…ですね。私の場合今回も前回もクマが最も活発に動き回ると言われる朝早くの訪問となったため、山の中を歩き回って探すという選択肢は端からありませんでした。

もう一つのルートがこちら、車でアベマキの近くまで乗り付けるルート。詳細を書いてしまうとそれだけで一つの記事になってしまうので割愛しますが、この風景を覚えておいて下さい。正しいルートを突き進んでいくと、ここに出るはずです。このビニールハウスの手前右側に”自称”駐車場(激狭の離合スペース。万が一もう1台車が停まってしまうと転回できなくなるので、山に入る前にここで転回して車のアタマを往路方面に向けておくことをオススメします。一応農道最奥部まで進めば転回できますが、道中で車が鬼のように汚れます 笑)があり、そのすぐ先の遊歩道案内板の裏手にアベマキへの山道が続いています。これがまた目立たないんですよ。私は前回この山道に気付かず農道を突き進んでしまい、挙げ句1時間ほどこの先の林道を歩き回る羽目になりました。ご注意を。


随分と前置きが長くなってしまいましたが、場所さえ分かってしまえば徒歩5~10分程度で到着します。画像では分かりにくいかもしれませんが恐ろしく急な斜面にそびえるアベマキの巨樹。滑落には充分ご注意下さい。落ちたらたぶん普通の装備では復帰できません。


集落を一望できる標高450m地点に立つ巨樹。案内板や解説板の類は見当たりませんが「わが里の未来を託して之を建つ」と書かれた地元有志の方々による石碑が置かれています。幹がミイラのように目の細かいネットでぐるぐる巻きにされていますが、国天指定ということで手厚く保護されているのが窺えます。

さてこの口大屋地区、江戸時代は領地争いが絶えなかったということで、この大アベマキと樽見の大桜がしばしばその領地を定める境界の目印とされていました。有事の際のためこのアベマキには常に見張りを立てていて、彼らは幹にナタやカマをぶっ刺して待機していたのだとか。これは単なる口伝の類ではなく、昭和中期に落雷によってアベマキの幹が大きく裂けてしまうまでは実際にそれらナタやカマをぶっ刺した傷跡が確認できたのだそうです。


そんな血なまぐさい話も今や昔。とても居心地が良い空間、そして本当に温かい巨樹です。散々刃物をぶっ刺してきた人間に対してどう思っているのかは定かではありませんが、何となくそんな過去も飲み込んでくれているような印象を受けました。まああんたらも色々大変だっただろう、みたいな。


眼下に広がるは口大屋の集落。素晴らしい眺めです。高原地帯特有のさらっとした涼風が心地良い。もし樽見の大桜からの徒歩ルートで来ていたなら、その感動はひとしおであろうと想像できます。


これだけ厳重に幹を覆われてしまうと実際の樹勢がよく分からないところではあるのですが、その枝振りを見るにそれなりの生命力は持っているように感じられました。2000年代初頭には但馬地区のカシノナガキクイムシという害虫被害の流行によって枯死寸前まで樹勢が衰えましたが、2008年から京都府立大学、兵庫県樹木医会が中心となって治療が進められて現在の姿にまで回復したのだということです。


かつての落雷の影響か主幹は途中で欠損し、そこから歪に枝分かれするように生長しています。もちろん人間による治療や保護ありきの話ではあるものの、樹木の持つ生命力の力強さが伝わってきました。


アベマキという樹種自体あまり頑丈そうには見えないのですが、頻繁に積雪もあるこの地で長年生き続けているわけですから、その力強さには今後も期待したいものです。


少し離れたところにベンチが設置されていて、巨樹と集落を同時に眺めることもできます。私は別宮の大カツラ前で朝食をとってきたので今回スルーでしたが訪問される際はぜひともパンとコーヒーを。


こちらでもヒューマンスケール写真を一枚。クスノキやスギと比べるとどうしても数値上目立たない樹種ではありますが、どうです?こうして見ると結構大きいでしょう。樹高15mということですがもう少しありそうに思えます。


往路とは違う山道を抜けて駐車場へと戻りました。正直な話、今回(11月)アベマキへの山道が雑草で埋め尽くされてまして、事前にアベマキの立地を知っていなければそれこそ山中を1時間以上さまよってしまってもおかしくないような有様になっていました。とにかく徒歩で5~10分程度です。入山して数分で屋根付きの休憩所がありますので、まずはそこを目指して下さい。そこからは本当に目と鼻の先です。どうせアベマキの巨樹が見えるだろうという感覚で進むとドツボにはまる可能性大。しっかりとルートが見えている時期であれば何も問題ありませんけどね。


こちらは私が前回訪問した2019/4/13の写真。余裕綽々で景色なんか撮ってますけどこれ、冒頭のビニールハウスの先の農道で、この後先へと突き進んで間違った林道を延々彷徨うことになります 笑


そう。完全に落葉してたんですね。でも空気が澄んで周囲の葉も落ちており、遠くの景色を眺めるにはこの時期も悪くないのかな、と思います。私は巨樹目当てなのでやはり巨樹にとってベストな時期を優先しますけれども。


景色のクリアさが全然違いますね。遠くの山の稜線まではっきり見える。ただ、巨樹を見に来た者としては少し物足りないわけで。今回再訪できて良かったと思います。養父市エリアは名だたる巨樹が揃っているだけでなく景色も本当に素晴らしいんです。他県からのアクセスはなかなか厄介かもしれませんが、訪れるだけの価値は充分にありますよ。

2019/4/13・2019/10/30訪問
「口大屋の大アベマキ」
国指定天然記念物
樹齢 約400年
樹高 15m
幹周り 5m

コメント:2

RYO-JI 19-11-11 (Mon) 21:59

アクセス用の詳細なレポートありがとうございます!!
こういった先人のレポートは後から訪問するものにとっては物凄く貴重なものですからね。
散々迷ったり、苦労して探し出した後に目にすると感動もひとしおですが、危険な目に合う可能性もある訳で・・・。
ほんと助かります。

アベマキはスギやヒノキに比べるとサイズ感や迫力では太刀打ちできないのは仕方ないですね。
しかしその樹種なりの楽しみ方もありますよね。
このアベマキの場合、枝振りに惹かれます。
主幹を失うも、それが故かどうかはわかりませんが、枝の広がり方がとても活き活きしているように感じます。
幹周以上に大きく見えますし、何ならちょっと妖艶な感じも(明るいタイプの)。
あと季節の違いによる別々の姿を見るのは、ある意味落葉樹だけの楽しみ方だなと感じました。

周辺の景色が堪能できるのも嬉しいですね!
このベンチでパン&コーヒーを是非とも楽しみたいなぁ(笑)。

to-fu 19-11-12 (Tue) 16:54

> RYO-JIさん
そうなんですよね。自分もそうでしたが迷いながら探す楽しみというのも確かにあるわけで。
とはいえ気軽に再訪できない遠征では「場所が分からないし今回は諦めよう。」というのが自分も幾度か身に覚えがありまして。
訪問のきっかけになってほしいという想いと、でも多くを公開しすぎるのも如何なものかという想いの葛藤は常にありますね…

専門の方には怒られそうですがアベマキはすごく雑に言ってしまえばクヌギのような木なので、栗なんかと一緒で
そもそもが異次元クラスの大きさにまで成長する樹種ではありませんからね。でも色々な歴史的経緯もあって伐採を免れ
山奥で生き延びている巨樹というのは、当然ながらいざ対峙してみると樹齢相応の凄みがあります。

兵庫の県西エリアはいつかRYO-JIさんや狛さんにも回っていただきたいです。
向こうは湧き水ポイントが多いのでコーヒーの淹れ甲斐がありますよ 笑

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