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洞杉群へ


SONY α7RIII / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

今年こそ絶対に行こう。そう決めていた巨樹、富山県の「洞杉群」。ようやく県境を跨いだ移動が解禁され、何処へ行こうかと考えたときの選択肢の一つではあったのですが、ちょっと距離が遠すぎるのではないかと一時は計画が頓挫。しかし色々考えた結果、車移動の巨樹めぐりならそもそも他人との接触自体あまり考えられないわけで、そこまで距離に対して神経質にならなくても良いのでは?という考えに至り、初志貫徹で洞杉群を目指すことに決定したのでした。

本当は出発早々京都市内で車の後輪がパンクしたりと色々あったのですが、そこはまあ割愛 笑
ひとまず下道で敦賀まで。数カ月ぶりの外食で英気を養いました。ああ、うんまい。ただでさえ美味しいソースカツ丼が一層身に沁みるようだ。ちなみに久しぶりの旅ということで景気付けにイッパツ外食しましたが、感染リスクを考えてこの先の3日間は全てコンビニ飯とスーパー飯で済ませています。旅の楽しみの中でも大きなウエイトを占める地の味覚を楽しめないのは残念ですが、そこはまあ時勢を考えたら仕方ありません。調子に乗って他県に進出してはCOVID旋風を巻き起こしている一部のトーキョーの人たちを見ていると、流石に他人のフリ見て…と気が引き締まります。ええ、今回は無理でも地の味覚を楽しむためにまた来ればいいんですから。

さて、ここからは北陸道に飛び乗り、一気に富山県魚津市「洞杉群」を目指してしまおうと思います。


前言撤回して途中あまりの夕焼けの美しさに我慢できず安宅PAに停車。しばしぽけーっと日の入りを眺めていました。もうこの時点で行くも自由、休むも自由な一人旅ってやっぱりいいなあ、来てよかったなあと。生まれてこの方ワタクシ協調性の無さにかけてはちょっとした権威ですから、こういう時間があってこそ普段の人格(そもそもそれもろくなものじゃないという話ですが)がギリギリ保てているのかもしれないとしみじみ思います。

辺りもすっかり暗くなり、そうなるともうここに用はありません。寄り道することもなくストレートに「洞杉群駐車場」へと到着。到着したはいいけど、これは想像以上に怖いぞ。もちろん明かりや携帯の電波なんてあるわけがないし、あの石徹白や福井県の夜叉ヶ池以上に強烈な野生動物の気配が漂っています。辛うじてトイレだけはあるものの、ここで外に出て寝る前にハミガキしたり顔洗ったり出来るか?と考えたら即座に否!と判断しました。写真なんか撮る余裕が無かったし、正直言ってしまうと怖くてトイレにも出られる気がしませんでしたね 笑


結局辛うじて携帯の電波が入る「片貝山ノ守キャンプ場」近くまで戻り、大きな駐車スペースを発見したのでそこで就寝しました。自宅から持ってきたスパークリングワインのおかげでぐっすり。あ、冬用寝袋は前回の旅の後に洗濯してクローゼットの奥へ。今回から夏用の寝袋にチェンジしましたがなかなかいい感じでした。最低気温15~20℃くらいの間は夏用寝袋がベストだと思われる。(それ以上の気温になるともう車中泊自体したくない。)

5時起床。最近自分の中でブームになっているカップスープとコーヒーをいただき、カロリーメイトを1本。のんびり後片付けして6時には洞杉群駐車場へと戻ります。


おおお…来たときは真っ暗だったので分からなかったけど、水の綺麗さが異常だ 笑
富山県といったら日本酒どころとしても有名ですが、そりゃあこの水で酒を作って不味いわけがないだろう、という。実はこの瞬間まで富山県までやって来たんだという実感が全く湧かなかったんです。しかしこの光景を見て一気に、そうか!ここは富山なんだな!とテンションが上がりましたね。


駐車場に車を停め、登山用のタイツや化繊Tシャツに着替えを。目指すはこちらの「洞杉」たちです。片道2.5kmの山道を徒歩で…という点には何の問題もありませんが、ここはとにかくツキノワグマが多いという噂。いや、現地に立つとそれが噂ではないことは明らか。先程の写真を撮った橋の上ではクマのものと思われるフンも見ていますからね。携帯でエマージェンシー・コールすることも出来ないということで結構ビビりますが、「クマ鈴・改(2個連結)」と「スマホサブ機から大音量BGM」という二大武器を装備して山道へ。

余談ですが、そろそろ真剣に熊撃退スプレーを買わなければいけないと思っています。クマ鈴やBGMは遭遇しないためのお守りみたいなものですが、万が一遭遇してからのお守りとして撃退スプレーくらいは腰にぶら下げて歩くべきだろうと改めて痛感させられました。だって怖いんだもん 笑 熊撃退スプレーって結構高いんです。1万円くらいするので躊躇してましたけど、ソロ登山する以上は最低限の装備に入るのかもしれませんねえ。(BGMも適当にうるさめの洋ロックを流してましたが、人の気配でビビらせるという意味ではバラエティのトーク番組でも録音しておいて、それを流す方が効果的かもしれないなと思ったり。)


「蛇石(龍石)」を見るついでに川の水で洗顔を。というか肝心の蛇石さん。注連縄が風で飛ばされてしまったのか、似たような巨石がゴロゴロしているだけでどれが蛇石なのか全く分かりませんでした 笑


もう約半分か。ほんの一部を除いて見てのとおり全てアスファルト張りになっていて登山道としては屁みたいな難易度。クマ・サーンと遭遇さえしなければ、ですが。帰って駐車場で休んでいたときにやってきた渓流釣りのお兄さんなんか、折りたたみのミニベロを展開してチリンチリーンと楽々登って行かれました。


蛇石の辺りからは、洞杉らしきモノがちらほらと。見かける度にテンションが上りシャッターを押す手が止まらなくなりそうなところ、本命はこんなもんじゃないはずだと敢えて見て見ぬ振りをしながら進みます。


一部、道が川と化していたり。当然登るだけで靴がビショビショになりますが一応ゴアテックス製の登山靴で来たのですぐに乾きました。普通のスニーカーで来てしまうと後々結構面倒かもしれません。


このお方が見えたらあと少し。というか案内板に記載される「道路沿いに現れる洞杉」というのは間違いなくコレのことでしょう。上半分だけでも相当な迫力。確実に巨樹クラスだと思われるだけに、もう少しだけ根本も見せてもらえると…と残念に思います。


到着!これこそ「広場の洞杉」に間違いない!
(なんて安直なネーミングなんだろう。もう少し何とかならなかったんだろうか 笑)

自宅から約350km。今までWebや書籍で何遍も見てきた洞杉が目の前にある!それだけでもう感無量。感動のあまり言葉になりません。
長くなってしまうので洞杉の紹介はまた次回に。

コメント:4

RYO-JI 20-06-25 (Thu) 22:08

一枚目の写真からワクワクさせられっぱなしですよ(笑)。
こういうご時世なのでコンビニ&スーパー飯になるのは仕方ないですが、一方で旅の醍醐味に地のモノは欠かせませんから
ヨーロッパ軒にだけ寄るのは充分に許される範囲内でしょう。
あの石徹白エリア以上に野生動物の気配を感じるだなんて、もう恐怖でしかありませんね。
熊撃退スプレーは本気で装備品の仲間入りが必要かもです。
350km・・・うちからだと軽く400km超えそうです(汗)。
富山はあまりにも文化圏が違うので、実際の距離以上に遠く感じますねぇ。
でも洞杉群を見ればそんな思いも吹き飛びそうです。

20-06-26 (Fri) 8:22

ああこれだ、これだよと読んでいてしみじみ感じましたが、実際行かれたto-fuさんはしみじみどころじゃなかったでしょう。
巨樹のおかげもありますが、風景も綺麗、食べ物もおいしく、日本海側のあのあたりにすっかりロマンと愛着を感じるようになってしまいました。
新しい冒険! ということではなくてもちょいちょい足を運びたいリストに入れてしまいます。

で、洞杉エリア、久しぶりで懐かしい。……というか、こ、こういう風景だったんですね! 僕の時は雪がアレすぎて道がまったくわかりませんでした。汗
もちろん洞杉には個々見覚えがありますので、ああ、あの辺あたりかとわかるんですけども、こんなに歩きやすそうな地形だったとは思いませんでした。自転車で走れるとは……ちょっとショックです。
ということは、道ではないところを死ぬ思いで登ったり降りたりして、不思議なルートで辿り着いたのかも……恐っ。

洞杉も一種のカリスマ性がありますよねえ。あのゾーン一帯がなんとも濃く記憶に残っています。
このネーミングは素っ気なさすぎて、個体特定にもいまいち役立たない。多分これだ……という感じで、間違えやすいです。
この良き季節にto-fuさんが撮った洞杉、非常に楽しみです。

to-fu 20-06-26 (Fri) 15:02

> RYO-JIさん
外食ももう気にしなくていいのではないか…そう思う気持ちもありつつ、それでもやっぱり感染者が出ているのは
夜のお店を除けば圧倒的多数が飲食店ですから、まだもう少し、もう少しだけ辛抱してみようというのが個人的な気持ちです。
いやー、世間でよく言われるように北陸、東北はクマ濃度が全く違いますね。土地勘がないこともあって、万が一
ここで遭遇したらと考え出すと…滞在中は常に逃げ出したいくらいの恐怖心がありましたよ。ずっとキョロキョロしてました。

RYO-JIさんのところからだと確実に400kmを超えそうですね 笑
ただ北陸方面は新名神開通以前の宝塚や鈴鹿のような地獄の渋滞ゾーンがないので、気分的には結構ラクだと思います。
RYO-JIさんもぜひ!(富山・新潟エリアはぜひ一度RYO-JIさん、狛さんと三人でも回ってみたいんですよねえ。)

to-fu 20-06-26 (Fri) 16:52

> 狛さん
流石に出発してしまうと迷いが吹っ切れますね。そうだよ、これだこれだ!と心が躍りだすのが分かります。
飽きるほど日の出を眺めてきたであろう狛さんからすると、海に日が沈むというのは新鮮な感覚なんでしょうねえ。
右も左も山に囲まれてる私は(たぶんRYO-JIさんにとっても)どちらも非日常的で妬まし…いえ、羨ましくて仕方ないですよ 笑

洞杉への道のり、狛さんのログは敢えて出発前に見返さないようにして帰ってからじっくり楽しませてもらったんですけど、
いやーもう全く別の場所だとしか思えませんね。やはり雪の時期は雪の時期で行ってみたい!(真冬は行ける気がしませんが)

あの圧倒的迫力は本当に巨杉のカリスマの一角ですね。
石徹白大杉のような神々しさとも、杉の大杉の粛々とした雰囲気とも違う。
ああ…思い返すとやはりまた行きたくて仕方がない。遠いようで近…くはありませんね 笑 
まあやっぱりこちらからでも遠いんですけど、きっと遠くない将来また再訪しているような気がします。素晴らしい巨樹でした。

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