- 2020-11-11 (Wed) 9:16
- FUJIFILM X100V | Voigtlander HELIAR classic 75mm F1.8 | カメラの話
FUJIFILM X100V
ここ最近購入してきた最新テクノロジーの粋たる単焦点レンズたちは、そのどれもが素晴らしい描写を見せてくれる。SONYの1.4/24 GMにSIGMAの1.2/35 DG DNと1.4/85 DG DN、そしてPENTAXのDFA★1.4/50。どれもこれも本当に文句無し。パーフェクトな写りです。しかし…なんだか時にはしんどいわけですよ。毎朝防湿庫を覗き込んでは今日はどのレンズを持ち出そうかなんて考えるんですが、俺はこのスーパーレンズで何を撮るつもりなんだろう、と。いえ、別にいいんですよ?お昼ごはんのカレーを一枚撮って帰ってくるだけでもいいんです。ですが大層な機材を持ち出すからには何かビシッと撮らないと的な重圧があったりしませんか?そんなときこそMFレンズなのではないだろうか。
ということで購入してみたノクトン1.4/40がとても好感触だったもので、今度はヘリアー1.8/75を購入してみました。こちら既にディスコン扱いなので新宿某店の中古美品を購入。5万円強と私からすると決して安くはない金額だったんですが、決め手は恒例のECモールが発行する全品10%OFFクーポン 笑 またも割引上限5千円のそれを入手したものですから、まんまと購入してしまいました。Mマウントレンズって全く値動きしないので、もし気に入らなかったらほぼ損差無しで売却できますからね。試さにゃソンソン、ということです。
早速散歩がてら少し試し撮りしてきました。
SIGMA fp / Voigtlander HELIAR classic 75mm F1.8
MFレンズのデジタル利用となると、フランジバックの関係から恐らくほとんどの方がソニーのα7シリーズをお使いではないかと思います。まあスナップ撮りならファインダーも覗けるα7シリーズの方が楽しめるし何の問題も無いんですけど、正確にピント合わせしながらビシッと撮影する結果重視スタイルならSIGMA fpの方が優秀です。主にインターフェース上の理由で。両方のボディで試すとお分かりいただけるかと思いますが、fpのMFピント拡大機能の方がピント合わせからシームレスに撮影に入れるんですよ。ピント合わせがシビアな中望遠ですが、fpのピント拡大機能のおかげで難なく撮影に集中することができました。
開放で撮ると条件によってはフリンジがものすごい。だが問題ない。光学性能を追求するなら初めからこんなレンズ買ってませんから。これがいいんです。青空の発色が独特なのはレンズの個性ではなくSIGMAボディに起因するかもしれません。
謎オブジェ。お寺や神社の境内にアート作品を飾るのって個人的には景観を損なっている気がして好きじゃないんですが、まあそこは人それぞれなんでしょう。
F2.8。開放からそこそこシャープで使いやすい印象ですがF2.8まで絞ると随分画質も安定する。開放のボケがぐるぐるして気持ち悪いと感じる方はF2.8~4.0くらいを意識して使うと良いかと。
レンジファインダー用の広角~標準レンズは最短撮影距離があまりにも長すぎるので現代基準では完全にダメレンズですが、こちらヘリアー75mmさんは最短撮影距離90cmと現代の中望遠単焦点基準でもそこそこ寄れます。広いブライトフレームのごく一部しか使えなかった中望遠レンズは銀塩レンジファイダー機時代の不人気筆頭でしたが、現代基準で見たらむしろ寄れない広角~標準よりも遥かに「アリ」なのでは?
元々デジタル用にコーティングされているレンズではないので撮影状況次第では色味がヘンテコに転ぶことがありました。ここぞ!というときに持ち出すレンズでもありませんから、これはこれでいいんじゃないでしょうか。またやりやがったなこいつ、みたいな感じで私は特に気になりませんでした。
開放時の周辺光量落ちが凄まじい。これもむしろ味ではあるまいか。光学性能的なことをチクチク言うなら端からこんなもん買わずにSIGMAのArtレンズでも買っとけよって話ですし。
F5.6まで絞ると驚異の解像力を見せてくれる。まあここまで絞ればどんなレンズでも…ねえ。
結論としては質感も良く、写りに味もあって悪くないレンズだなと。
ただ実際手元に来て思ったのはMマウントレンズとしては結構デカいし427gと重量も決して軽くないんですよね。ノクトン1.4/40のコンパクトさ(小さい、175g)にMマウントの可能性を感じてこれを買ったわけですけれども、5万円も出してこれを買うくらいなら1~2万円でサイズも描写性能も似たようなM42マウントレンズが買えたんじゃないかと思わなくもない。結論としては「M42レンズにマウントアダプターを噛ませたものをMレンズとして使っているような使用感で、残念ながら結構微妙な買い物だったということを認めざるを得ない。」です。もちろんレンズ自体は気に入っているので私は売りませんけどね。
- Newer: Diary
- Older: 長野県下伊那郡阿智村 小黒川のミズナラ
コメント:2
- 狛 20-11-11 (Wed) 21:59
-
この時期のフォクトレンダーのレンズ、今思えば使ってみりゃよかったなーと思うものがたくさんありますよね。
マウント上縁がなかったと思って諦めていますが、Mレンズに踏み込めれば相当楽しい選択肢がありそうです。
スコパー……スナップショット・スコパーだったか、ヘリアーの……えーと、そういうの、懐かしいですねえ。
こんなレンズ再び手に取ってしまったら、もう新宿周辺をぐるぐる歩くしかねえ! みたいな。
今ならみんなマスクしてるから、正面から撮っても怒らないんじゃないですかね? なんて言いながらもうやんカレーを食いに行く。みたいな。笑
そうなんですよね、せっかく撮るなら良いレンズ……で、はて、俺は今日何をそんな必死で撮るつもりだったんだ? と。
使うべき時はしっかり使う、良いレンズも持ち腐れてるわけじゃないんだから、たまには息抜きがあるべきだ。
しかし、M42は好きですが、さすがに古く、劣化による個体差が大きいので、あまりにも画質が劣って見えてしまって残念な時もあります。で、そういう時ほど撮っておきたいモノが出てきたりする……。
その点、フォクトレンダーはいいですね。適度に古く、適度に新しい。
洒落てるなあと思います。 - to-fu 20-11-12 (Thu) 1:19
-
> 狛さん
コシナフォクトレンダーにコシナツァイス。本当に面白いレンズが色々ありましたよね。
現行品なんか後でいつでも買えると思ってましたが、残念ながら経済的余裕が気持ちに追いつきませんでした。
いやホント仰るとおりで、こういうやつのピントリングをグリグリやってると昔みたいに街中を練り歩きたくなってきます。
って、スナップ後のもうやんはダメですよ!あれ食べたらまた10kmくらい歩かないと腹が苦しくて夜眠れません 笑
実際今日思い出していたのは狛さんと撮り歩いた銚子の漁港だったんです…今ならどんなアプローチするんだろう、と。
流石は狛さんですね。実は当初、そのM42やライカのオールドをネットで漁ってたんです。
でももう、ろくなタマがありませんね。クモリやカビがあるか素人清掃でコーティングがボロボロになったものばかり。
ああいうのを見ると今手元にあるオールドレンズはタクマーですら貴重な資産なんだと痛感しますね。自分の横着な取り扱いで
カビさせたりすると具合がよろしくない。何とかこの資産を次の世代のカメラ人たちに残さないと…と思うようになりました。
各社のスペック至上主義に反旗を翻すかのようなコシナさんの試みは洒落てますよね。
あまり深入りすると危険な香りがしますが…まああぶく銭が入ったりしたら適度に応援するくらいがちょうど良さそうです。
トラックバック:0
- このエントリーのトラックバックURL
- https://withphotograph.com/wp-trackback.php?p=17589
- Listed below are links to weblogs that reference
- Voigtlander HELIAR classic 75mm F1.8を購入 from with photograph