Home > FUJIFILM GF 35-70mm F4.5-5.6 WR | クスノキ | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別) | 徳島県 > 徳島県小松島市 櫛渕八幡神社のクスノキ・櫛渕のフウ

徳島県小松島市 櫛渕八幡神社のクスノキ・櫛渕のフウ


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 35-70mm F4.5-5.6 WR

「櫛渕天満神社のクスノキ」の撮影を終えた時点でホテルのチェックインにはまだ早い。せっかく来たのだからとマップのチェックリストを眺めると車で10分ほどの距離にイヌマキの巨樹を発見しました。イヌマキはあまり大きく育つ樹種ではないため、うーん旅の締めにイヌマキか…と若干気乗りしないのが正直なところですが、今回ほとんどノーチェックのまま小松島市にやって来たので仕方ありません。

しかしGoogleMapのナビに従って車を走らせていると、何やら巨大なシルエットが視界に飛び込んできたではありませんか。あれはもしや…から、おお!?うおおおおおっ!!と確信に変わるまでのあの興奮よ。これぞ知らない土地での巨樹めぐりの醍醐味と言っても過言ではない。というわけで、イヌマキへの経路でたまたま発見したのがこの「櫛渕八幡神社のクスノキ」なのでした。


うん、間違いなく巨樹クラス。徳島県平野部においては何だか見慣れてしまった大きさではありますが、これが他県なら間違いなく市区町村のシンボル的な巨木として扱われるであろうサイズ感。ちなみに境内には駐車スペースあり。写真右手の公民館側には地元の方の車が数台停まっていたため、私は画像左側の砂利が敷かれたスペースに駐車しました。


今回完全にノーマークなクスノキだったため、まずはじっくり解説版を眺めようと向かったのですが…まさかの「櫛渕のフウ」の解説のみ。


県指定天然記念物のフウの木。幹周は2.77m。巨樹巨木としての見応えはありませんが立派なフウです。大正時代初期に台湾へ出征した櫛渕町の方が苗木を持ち帰り、現在の地に植納されたものだそうです。徳島県に天然記念物指定されたのはその辺りの事情も考慮して、ということなのでしょう。


フウの木が樹高18m、巨樹データベースによるとクスノキが20mですが、現在は明らかにフウの方が背が高い。測定されたのは天然記念物指定された昭和29年頃?現在は22~23mくらいあるのではないでしょうか。こうして眺めると実に壮観です。


当然巨樹的にはこちらのクスノキを推したい。これだけの大きさにして天然記念物無指定というのが何とも徳島県らしいですが、最近まで注連縄が巻かれていたと思われる跡も見られ、神社の御神木として大切に扱われていることが窺えます。年末の訪問だったため、ちょうど注連縄を巻き直す時期だったのかもしれません。


腐朽して空洞化した箇所に金属で蓋がされていますが、堂々とした立ち姿。


葉の付きも良く樹勢は旺盛で、まだまだ大きくなりそうです。


道路側に大きくせり出した幹。道路にかかっていたため根元から切断されたようです。既に内部が空洞化しており賢明な判断だったのではないかと。


スカッと抜ける青空に樹齢700年とも言われるクスノキ、それに見劣りしない立ち姿を見せるフウの木。偶然出会えたにしては出来すぎなくらい見事な光景でした。満足。「櫛渕天満神社のクスノキ」から目と鼻の先なので、セットで訪れると良いと思います。

2022/12/27訪問
「櫛渕八幡神社のクスノキ」
樹齢 推定700年
樹高 20m
幹周り 8.5m

「櫛渕のフウ」
徳島県指定天然記念物
樹齢 約100年
樹高 18m(目測で22~23mはある)
幹周り 2.77m

徳島県小松島市櫛渕町字太田

コメント:8

RYO-JI 23-01-31 (Tue) 21:25

偶然の出会い、しかもそれが旅先だとなると感動もひとしおですね!
しかし徳島県のクスの層の厚さにはもう脱帽です。
これだけのサイズだと関西では〝県下一の〟という説明文がついてそうです。

鳥居の横にこの見事なクスとフウが鎮座する様もいいですね。
明らかにこれを意識して植えられたんでしょう。
写真を撮る側からすれば唯一残念なのが、電柱や電線の存在。
誠に勝手ながら、邪魔だなぁと絶対思ってしまいそうです(汗)。

to-fu 23-02-01 (Wed) 15:01

> RYO-JIさん
視界に飛び込んできた瞬間の興奮といったら…それはもう対向車が来ていたら危なかったくらいですよ 笑
このサイズなら京都奈良では充分トップクラスですよねえ。
かの楠木ナントカさんが手植えした~と伝説まで盛られるのは間違いありません。

国内のフウの巨木は特別大きなものでも4mに満たないようなので、この樹勢の良さまで含めたら全国レベルの名木と
言えるのかもしれせん。クス共々樹冠が大きく見栄えする樹種ですから、遠目に見てもとても様になっていました。
電柱、電線は…もうこれも日本の原風景の一部として脳を切り替えるしかないのかもしれませんね 笑
京都でも祇園や八坂など一部で無電柱化が始まっていますが、変圧器を地上に置く必要があったり色々難しいみたいです。

匿名 23-02-01 (Wed) 23:20

たまたま見つけた時のテンションの上がりようは良いですよね
前もってチェックした物を見るのとはまた違いますから
しかしイヌマキですか・・・ここからですと大橋を越えたすぐ後の阿南市の八幡神社に
自分が知る限り徳島県としては一番幹回りのあるイヌマキがありますがそれですかね?

イヌマキとしては良いサイズですが正直幹回りはそれでもこのフウとほぼ同じの約3.5m程度なので
わざわざその為に行く価値があるかは何とも言えないんですよねえ
ここは最大幹の木でも建物の横にあるクスノキの約4.5m程度ですがイヌマキ含め3~4m台の
クスノキや杉等悪くないサイズの木が複数あり神社自体の雰囲気は悪く無いのですが

23-02-02 (Thu) 10:09

年末とはいえ、暖かそうな日差しに南国系の樹種、ノキシノブなんかも、見るからに心地良さそうな空気感。
ああ、いいなあ、あったかいってのは 苦笑
これほどのクスでもなかなか表面に出てこないと思われる、徳島のクス勢の層のまったく驚くべき分厚さ。
驚くべきと言うか、あきれるほどというか……でもそこに変わった隣人的なフウの巨樹がいる。これは面白い展開ですね。

フウ、全く見たことないのですが、なるほど、これもだいぶ南国系っぽい樹種なんですね。
試しに本をひっくり返してみたら、続・渡辺本にこの樹が小さく載ってますね。
2001年訪問らしく、幹周は2メートルとある。実測したのかは不明ですが、もしかすると77センチ分はそれから育ったのかも?
もっとも、それだっていつ時点の計測かと疑えば、現時点では3メートルくらいあったりして。
枯れていく巨樹が多い中で、どんどん育っていく存在もあるのは興味深いです。というか、やっぱり地球温暖化が……?

実はイヌマキの巨樹、気になってDBで調べたりしてました。笑
ご存じの通り、関東のウチの方はイヌマキがゴロゴロしており、ひょっとするとこれは? 的なヤツがないかと。
しかも、ことごとくが埋もれているはずで、自分のような人間が見に行かなければ誰が見るんだ?! 的な気分もあったりなかったり。
いや、植木屋さんがいっぱいある地域なので、彼らの領分かもしれませんけどね。
マイナー樹種の現在を記録することは、学術的意義も大きいはず。すごく地味ですけれども。笑

to-fu 23-02-02 (Thu) 14:18

> 123さん
道路に面した形で樹冠を広げていたのが幸運でした。
もし拝殿裏手にでも生えていたら今回は確実に気付かず通り過ぎていたと思います。
これだけのクスノキが何の標識も案内板も無しに突然現れてくれるのが徳島県の魅力ですね…

はい、イヌマキはご想像のとおり阿南市の「お松大権現のイヌマキ」です。
結局訪問できなかったので想像でしかありませんが、何となく株立ちのイヌマキが癒着したようでもあり、
仰るように巨木として見たらさほどでもないかな…というイメージを持っております。
神社そのものの雰囲気がとても良さそうなので、そちらの参拝も込みで考えておりました。
暖かくなったら阿南方面の別の巨樹と絡めて、改めて訪問しようと思っています。。

to-fu 23-02-02 (Thu) 14:32

> 狛さん
徳島のクスはノキシノブの茂り方とかでっかいシダ系の着生植物とか、いかにもな南国感がありますよね。
いやあ、本当にこのときは暖かかったなあ。20℃近くありましたもの。戻れるものならタイムリープしたいです 笑

フウはカエデっぽいけどカエデ科の木ではない、くらいの知識しかありませんでしたが、どうやら成長がかなり早いようで
渡辺サンの時代とは随分見栄えも変わっていると思われます。(本当だ、流石渡辺サンも訪問済みですね!)
江戸時代に台湾や中国から持ち込まれたものが最古のようなので、今後100年くらいで巨樹クラスのものも現れ始める
かもしれませんねえ。現地だと樹高40~60mのものもあるのだとか。(ウィキペディア情報)

イヌマキの巨樹は…既に調べられたかと思いますが、正直大きさは大したものではありません 笑
房総の方だと下手したらもっと立派な庭木があるのではないでしょうか。
ああ、三重の南端で見た「神木のイヌマキ」はなかなか立派だったので、ぜひ狛さんにも見ていただきたいです。
仰るようにマイナー樹種は実際見てみると意外な面白さがあったりして、私もただスルーしてしまうのはもったいないと
思っています。マキやカヤ、あとはクリなんかも結構面白い。「ただちょっと大きい普通のクリの木」で終わることもままあるのがアレですが 笑

123 23-02-03 (Fri) 12:38

あら?お松大権現のイヌマキの方でしたか こちらが勝手に勘違いしておりました
あちらの方でしたら確か3mも幹回りが無かったと思いますので神社を見に行くテンションで行った方が良いですね

to-fu 23-02-03 (Fri) 16:51

> 123さん
私の方こそ阿南市ということで勘違いしておりました 笑
八幡神社のイヌマキは画像で見るかぎり、すらっとした単幹で巨木としての見応えもありそうですね。
小松島以南のエリアはまだまだチェックしきれていないので、今年は重点的に回ってみたいです。

コメントフォーム
Remember personal info

トラックバック:0

このエントリーのトラックバックURL
https://withphotograph.com/wp-trackback.php?p=27560
Listed below are links to weblogs that reference
徳島県小松島市 櫛渕八幡神社のクスノキ・櫛渕のフウ from with photograph

Home > FUJIFILM GF 35-70mm F4.5-5.6 WR | クスノキ | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別) | 徳島県 > 徳島県小松島市 櫛渕八幡神社のクスノキ・櫛渕のフウ

CATEGORIES

Return to page top