- 2023-04-02 (Sun) 16:14
- FUJIFILM GF 32-64mm F4 R LM WR | クスノキ | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別) | 徳島県
FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 32-64mm F4 R LM WR
阿波市から美馬市へ。
穴吹橋の少し手前、県道12号線(川北街道)を進んでいるとやけに目立つ巨木が視界に飛び込んできました。
ええ、徳島県ではよくあることです。「またお前か…」と苦笑いしてしまう。樹種はもちろんクスノキ。
こちらは今回完全にノーマークのクス。しかし見つけてしまった以上は立ち止まらざるを得ません。
早速脇道に入って駐車スペースを見つけ、そのクスノキへと歩を進めるのでした。
遠目に見ても立派なクスで、これは最低でも巨木クラスに違いないとは感じていたのですが、実際その麓に立ってみると思ったよりもずっとデカい。
巨木クラス?とんでもない。余裕の巨樹です。幹周は目測で大体7.5~8mといったところか。
このサイズのクスノキが平気で埋もれているのが徳島県…そのポテンシャルの高さには驚かされるばかりです。
後日改めて詳細を調べてみると先人たちに「脇町春日神社のクスノキ」と名付けられた正真正銘の巨樹でした。
幹周は7.5mとのこと。計測されたのが12年も前なので現時点では既に8mに迫っているものと思われます。
葉の付きは非常に良い。目立った欠損も一切見られない美しいクスノキ。
巨樹としてはまだ若い樹なのではないかなあ。
先人方にはあまり着目されていないみたいですが、隣に立つのはマキ科の木?でしょうか。
(私の身近なところではあまりマキ科の庭木を見ないもので、あまり詳しくないのです。すみません。)
二本の大木の葉が折り重なり、それぞれの葉の微妙な色の違いが立体感を生んでいて実に美しい。
訪問した3月中旬はちょうどクスの新芽が芽吹く直前で、樹冠が少しスカスカに見えてしまう時期。
現在執筆時点では4月になって私の近所でもクスの新芽が開き始めています。
ゴールデンウィーク頃には明るい黄緑の新芽が目立ち、マキの葉とのグラデーションが一層映えるのではないでしょうか。
シュッとした単幹のクスで、遠目にはスリムに見える。
私は実際間近で見るまではせいぜい5mくらいのクスでは?と思っていました。
麓に立つとそれなりに立派な巨樹なのですが…
天然記念物指定は無し、解説板の類も見当たりません。
このクラスのクスではまだまだ徳島の天然記念物基準には達しないということなのか。
これからも成長が期待できるクスなので今後に期待ですね。
社殿の前に立つムクノキも幹周4.7mとなかなかですが、裏側がごっそり空洞化していました。
率直に言ってその命は風前の灯のように見えます。暖かくなって葉を付けたら少しは印象も変わるのかもしれませんが。
クスの大物揃いのエリアですから、わざわざこのクスだけを見るために遠方から来ることはないと思いますし、正直おすすめ度もそこまで…です。
ただ国道、県道沿いの単調な景色をひたすら眺めてきたところで突然視界に飛び込んでくるこのクスの巨樹の存在は結構貴重かも。
運転の休憩ポイントとしては申し分ありません。実際私はここでコーヒーを淹れて一息つきました 笑
長時間のドライブは事故リスクもグングン高まりますので、休憩ポイントとして是非。(なんだこれは。巨樹の感想なのか?)
2023/3/19訪問
「脇町春日神社のクスノキ」
樹齢 不明
樹高 18m(現在は20mを超えているのでは?)
幹回り 7.5m(これも現在は8m近そうです。)
徳島県美馬市脇町字拝原2599
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コメント:6
- 狛 23-04-03 (Mon) 8:21
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こちらでは一本もないクスの樹、なのに、徳島では巨樹レベルのものがひょいひょい登場する。
なんだか不思議なものですね。日本は広いんだな……と実感できる事例です。
好ましい意味での「ただただでかい木!」、実にほのぼのとしますね。
あそこまで進んだら休憩しよう、みたいな、古来からの旅情みたいなものが湧いてきそう。いいなあ。
隣のイヌマキが確かにいいアクセントになってて、このコンビだとぐっと神社の社叢という雰囲気になりますね。
日本の植物多様性はなかなか大したものだよなと最近再始動しながら感じてます。 - to-fu 23-04-03 (Mon) 11:00
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> 狛さん
同じ日本でも沖縄と北海道では全く気候が違うし、それどころかほとんど緯度が変わらないように思える
関東と関西ですら気候から植物の生態まで全然違う。まさに日本の広さを実感する趣味ですね。
これらのクスは実際、江戸時代には一里塚のような扱いだったのかもしれませんねえ。
景色の代わり映えしない平野部ですから「よし、次はあのクスまで歩くか!」なんて。ロマンがあります。
ここから少し西に進むと開発が進んでいて大きなスーパーやらビジネスホテルなど立ち並んでいるのですが、
このただただでっかいクスをシンボルに活かして上手く発展させてもらいたいものです。 - 123 23-04-03 (Mon) 11:25
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割とスリムですけど割と良いサイズなんですよね
現在おっしゃられる通り8mは超えていました 近くに少し前までため池も
あったようでロケーションは良かったのですが・・・
まあ風景が時間と共に変わってしまうのは仕方が無い事ですが大池と巨木って案外かなり限られた
シチュエーションなので惜しいのですよね
空洞だらけのムクノキですがその状態でも約5mあったのでも案外この神社の御神木としては
このクスノキよりムクノキの方が先輩かも知れません - to-fu 23-04-03 (Mon) 14:55
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> 123さん
まさかの8mオーバーでしたか!
2010年頃に撮られた写真と比較しても明らかに一回り大きくなっており、クスノキの成長スピードに驚かされます。
それにしてもバイパス道路完成前はため池があったのですね。早朝、夕方などさぞ美しかっただろうと察します。
仕方のないことですが、一度失われた景色は二度と元には戻らない。残念です。
私も元々はムクノキが御神木でクスノキは後から植えられたものだろうと想像していました。
必ずまた通る道だと思いますので、次回は葉を蓄えたムクノキの姿を眺めるのを密かな楽しみにしています。 - RYO-JI 23-04-03 (Mon) 22:22
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さすがは徳島県、こんなのが小者扱い?だなんて・・・。
やはりクスが育ちやすい気候なんですかねぇ。
とも思いましたが、不思議とクスの巨樹が多い大阪なんかはそうは思わない訳で。
理由はサッパリですが、いずれにせよ羨ましい土地なのは間違いないです。
身近に有名でもなんでもないけどクスの巨樹が存在するというだけで良い環境だとわかります。
巨樹、なかでもクスとコーヒーの親和性の高さにも納得です! - to-fu 23-04-05 (Wed) 2:56
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> RYO-JIさん
信じられませんよね…うちの近所に生えてたらきっとパワースポット化してますよ 笑
クスの大物といったら四国、大阪、九州。共通点が全く思い浮かびませんね。大阪はそこまで温暖とも思えませんし。
ただ、クスの巨樹が大切に扱われている地域は少しの時間滞在するだけで居心地が良いことは分かりますね。
大阪なんかでもお年寄りだけでなく若い方まで早朝からクスを拝みに来たり、ああいう光景を見ると巨樹の良さ抜きにしても
それだけで来てよかったと思えます。近所に大クスがあったらコーヒーセットを持って通いますよねえ。
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