
FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR
先日紹介した「切越の夫婦ヒノキ」を訪問するなら必ずセットで訪問したいクスノキの巨樹。
と言いますか、こちらの駐車スペースに車を停めて徒歩で林道を抜けて夫婦ヒノキを目指すのが賢明です。(詳しくは夫婦ヒノキの記事を参照)
※天候に恵まれすぎて写真が高コントラストになってしまい、ちょっとイマイチな感じです。すみません。

今回数年ぶりに「寺野の大クス」を訪問しましたが…やっぱりスゴイ。
このドロドロの粘液が垂れ下がるような見事な根回りは巨樹界でも唯一無二の存在だと思う。

あの驚きは写真では伝わらないだろうなあ…絶対伝わらないよなあ…と端から匙を投げるワタクシ。
目の前で山の斜面をがっしり支えるそれはまさに「壁」としか言いようがなく。

幹周約12mということで、それだけでも巨樹として文句なしの大きさを誇るわけですが。
そもそもどこからが幹なんだ?という話。このクスの迫力を推し量るには幹周という基準がいささか力不足にも思えてしまうほどです。
だって目の前のこの「壁」は幹周にも樹高にも含まれないわけですから。

斜面から身を乗り出してお堂に被さるように成長したその様は実にダイナミック。
この豪気なクスノキの魅力を説明するにはこの一言だけで十分なのかもしれません。
「とにかくあの場に立って感じていただきたい。」

リスト上の数字や肩書ではすぐお隣の蒲郡市が誇る「清田の大クス」に劣りますが、個人的にはこちらの大クスの方がずっと評価が高いです。
とにかく巨大で、かつ個性的。愛知県東部を訪れるなら絶対に抑えておくべき巨樹の一本だと、自信を持っておすすめ出来ます。
このエリア、本当に魅力的な巨樹が多いんだ…(巨樹的に見ると愛知県は東部に立派なものが偏りすぎのようにも感じる。)

真下に立ってみたときのあのゾクゾク感。たまりませんね。もし今倒れてきたら確実に死ねるな…と背筋が粟立つあの感じ。
巨大なタワーや橋の展望エリアで床がガラス張りになっているところがあるでしょう。あそこに立ったときの感覚に近いかと。

集落を見守るようにそびえる大クス。ロケーションもまた良いのです。
前回訪問時同様、今回もまたしばし集落をぷらぷら散歩してしまいました。
そしてひと歩きしたらまたお堂に戻り、最後は高台の上から集落を見下ろす。
火照った体にひんやりした風が吹いて気持ちいいんだ。
近畿圏に住む私からすると年に一度は…とは言えませんが、数年に一度はふと思い出して眺めに行きたくなる巨樹の一本。
巨樹愛好家ならこの「寺野の大クス」と「切越の夫婦ヒノキ」のセットは必見だと思います。本当におすすめ。
※巨樹の樹齢やサイズなど詳細は初回訪問時のログをご参照ください。
これはすごい!
まるで崖か壁化・・・と思いつつ読んで行ったら、案の定「壁」という言葉。
ウンウン、写真でもこれだけの迫力なのですから、実際に見たらどんなのだろうと思うとゾクゾクします。
「切越の夫婦ヒノキ」とのセット訪問がますます楽しみになってきました♪
> れもんさん
ただ大きいクスノキというだけなら九州四国勢が強すぎるのですが、このどことなく妖怪を思わせる異様な根回りは
全国的に見ても極めて珍しいもので、実際その迫力もはるばる遠方から訪れるだけの価値あるものだと思います。
あまり交通量のあるエリアではありませんので、巨樹を回りながらドライブするだけでも日頃の疲れが随分癒せるのではないかと。
新東名の開通であの辺りに行くのも随分とラクになりました…
コントラスト高めの写真も迫力あっていい感じですよ。このクスの他にない凄みがいっそう引き立ってます。
崖の崩壊を一樹の力をもって完璧に食い止めてる。やろうと思ったら(思ったのかはわかりませんが)自前の力でこんなことを成し遂げられてしまうんだなあ……と。樹木って偉大ですね。
今回引きの写真を見て、針葉樹の植樹林の中に一本大クスがあるんだなあと。古くから特別意識をもって扱われていたのだろうと同時、ここから東のクスの立場、植生としての立ち位置を暗示している風景にも感じました。
> 狛さん
ありがとうございます。途中で諦めてカメラを片付けてしまったのですが、帰ってからもっと撮ればよかったと後悔しました 笑
斜面からの圧力に耐えるためこのような形状になったのか、あるいは斜面の崩落で元々地中にあった根がむき出しになったのか。
この形状に至る経緯を考えるとそれだけで楽しめますね。何にしても現在こうして何十メートルもの斜面を支えているわけで、本当に凄いことです。
こんな山奥の集落にクスがたった1本。植樹されたものだと思われますが、地域の方の敬意を数百年、あるいは千年以上も
受け続けてこの地に在るというだけで感慨深いものがあります。