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愛知県岡崎市 切越の夫婦ヒノキ


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR

同じ岡崎市の「夏山の根上りスギ」を離れ、今度はこちらへ。
巨樹愛好家ならこの冒頭の一枚だけでもう言葉は要らないのでは?

それでは今回の愛知県東部巨樹めぐりで特に印象に残っている「切越の夫婦ヒノキ」を紹介いたしましょう。(結局言葉に頼る)


ほんの少しだけ時計の針を戻します。
事前の情報収集によると現地までは一応車で行くこともできるようですが、凄まじい悪路かつ狭路が続く模様。
すぐ東側の山の中腹にそびえる「寺野の大クス」のある薬師堂の裏手から夫婦ヒノキまで抜ける林道があるようなので、そちらから徒歩でアクセスしてみます。

寺野の大クス前に駐車スペースあり。こちらも必見の素晴らしいクスノキですが、今回はまず先に未訪問のヒノキを目指すことにしました。
で、林道の入口がこちら。写真では分かりにくいと思いますが峠を越える登山道的な一本道が続いており10分程度歩くと舗装路に出ます。
その舗装路を左へ。5分ほど下ると目的のヒノキが立つ須佐之男神社に到達出来ました。


寺野の大クスから歩いてみた私の感想としては、リスクを冒してわざわざ車で須佐之男神社を目指す意味は薄いかなと。
歩くといっても気持ちのいい山道を往復30分程度のものだし、巨樹めぐりを趣味とする方にとっては散歩みたいなものでしょう。
何より「寺野の大クス」も愛知県東部ではイチオシの巨樹なので、どうせセットで訪問すると考えたら車で遠回りするのと時間的に大差ないと思われます。
(というか車で恐ろしく狭い悪路を往復するより徒歩の方が圧倒的に早いのでは?とすら思う。)


そして石段を登った先に待つのがこの神々しい光景…すっげえ!!
いや、ワタクシ冗談抜きで叫びましたね。


この凄まじい枝張り。しかし神様に道を譲るかの如く参道の真ん中、正中だけは開けているという奇跡のような光景。
ベストな角度で差し込んでくれた日差しといいこれ、ちょっと出来すぎなのでは?
大自然が数百年かけて作り上げた偶然の産物。こういうモノを目撃出来てしまうから自然と向き合うのはやめられないんだ。

きっと巨樹が好きな方ならこの場に立った私の気持ちが手に取るように分かるのではないでしょうか 笑


眺めて感動間違いなしのヒノキですが当然撮影も面白いのなんの。
写真撮影のために訪れるなら是非とも超広角レンズを携行していただきたいところです。
持っていないなら買え!とまでは言いませんが、最近は機材レンタルなんかもありますからね。
確実に「ちょっと良い超広角レンズ」が欲しくなってしまう魔性の巨樹だと思います。


岡崎市指定天然記念物「切越の夫婦ヒノキ」。
幹周は共に約4mということで、典型的なリスト上の数字だけで追っていると見逃してしまうタイプの巨樹ではないかと。
しかしこの姿を知ってしまった貴方はもうこのヒノキをスルーできないはずです。


サイズだけで見たらヒノキ巨樹としても中堅クラス未満かもしれません。
でもこの姿を見て、そんな些細なことが気になりますかね…


左右どちらのヒノキも「見事!!」と叫ぶより他ない。


偶然なのか。はたまたヒノキの意思なのか。
神様の通り道とされる正中を避けるかのようにおびただしい数の枝を伸ばしている姿には神秘性すら感じます。
神々しさが感じられるヒノキ巨樹って全国的に見ても稀有な存在だと思うのですがいかがでしょう。


この大量の枝が枯れてポキポキ折れ始めると神々しさをちょっと飛び越えてホラー味が出てしまいそうな気がする。
色々な意味で絶妙なバランスで成り立っている巨樹だなと。いや、本当にこれいくら何でも出来すぎでしょう。


急斜面にへばりつくかのように斜面全域にヒノキの根が伸びているのが分かります。
今後もまだまだ成長してくれるはず。


ええ、とにかく階段も急です。撮影に夢中になって踏み外さないようにくれぐれもご注意を。
誰もがヒノキの間に立ってセルフショットを撮りたくなるだろうと思いますが、階段に設置する三脚にもご注意ください。
ほとんど真上を向けてカメラをセットする形になるので不安定になりがち。もしひっくり返ったら確実にカメラもレンズも即死しますので。
(正直私は気が気じゃなかった…)

巨樹愛好家なら何時間でも潰せてしまう巨樹だと思います。おすすめ度MAX。
さて、そろそろ停めっぱなしの車が気になる時間帯。
同じくおすすめ度MAXの「寺野の大クス」へと戻ることにいたしましょう。

2024/3/13訪問
「切越の夫婦ヒノキ」
岡崎市指定天然記念物
樹齢 共に推定400年

<< 社殿に向かって右のヒノキ >>
樹高 28.5m
幹回り 3.95m

<< 社殿に向かって左のヒノキ >>
樹高 27.5m
幹回り 4.00m

愛知県岡崎市切越町中ノ坪9

コメント:8

れもん 24-04-12 (Fri) 0:01

これは凄い!
ハイ、巨樹愛好家というにはおこがましい私でも、冒頭の一枚で言葉は要りません。
それにしても隣県愛知にこんなスポットがあったとはビックリです。
千手観音のごときその容姿、そして圧倒的な存在感!!
これは何としても見に行かねばと思いましたよ。
その時は勿論「寺野の大クス」ルートで決まりです。
貴重な情報をありがとうございます♪

to-fu 24-04-12 (Fri) 11:35

> れもんさん
そうなんです。愛知県の西側は巨樹的に見ると生態が三重県の延長(そして三重側より少し劣る印象…)ですが、
東側の山間部に入ると生態系から気候までガラッと変わるんですよね。

このヒノキは本当におすすめなので、是非ともれもんさんにも見ていただきたいです。
新東名の岡崎東ICからすぐ、というアクセスの良さも魅力だと思います。

24-04-12 (Fri) 19:21

最も有名なヒノキ巨樹(のひとつ)ではないでしょうか。
……などと書いたら「いやいや、ウチの地方のアレの方が」と知られざる大物が色々出てきそうなのがヒノキですけども。

このトップ写真の有名なビジュアル。とにかく一目見ただけで焼き付いたように記憶されていました。
ですが、逆に言うとそればかりが走って、こんなに多角的な観点からこのヒノキを知る機会はありませんでした。
むき出しになった根の様子とか、明らかに更新で生じたと見える別の幹たちの存在とか、現地はこんな風になってるんだと、味わい深いです。
スギより小さいし、見どころがないか? というと、個性の強さで押してくるのがヒノキ巨樹ですね。
バカでかくならないからこそ、空間をぎゅっと圧縮して占領するかのようなアプローチをかましてくる感じ。この夫婦ヒノキはまさにその極地ですね。中央のto-fuさんが天から降臨した神のようだ。笑
自分でもぜひ撮ってみたいと駆り立てられる巨樹ですね。

RYO-JI 24-04-12 (Fri) 22:18

適切な言葉が思い浮かばないのですが、えげつないヒノキですね(笑)。
何をどうやったらこうなるのか?ヒノキに聞いてみたいですよ。
まるでクローンのように対となって立ち尽くす姿は唯一無二、素晴らしい。
枝の数で圧倒してくるだけでもスゴイですけど、それがこの場所この形で存在する奇跡。
巨樹愛好家じゃなくても間違いなくスマホで撮ってしまうことでしょう。
立地上どうしてもかなりあおって撮るしかないので強調されてしまうとはいえ、それを大幅に差っ引いてもほんとえげつない。
もちろん褒め言葉ですし、是非この目で見たいし撮影に挑みたいと興奮気味に思ってしまいました。

to-fu 24-04-13 (Sat) 0:07

> 狛さん
巨樹の大先輩の写真を拝見するかぎりでは失礼ながら実物はかなり小ぶりなのでは?と思っていたのですが、
良い意味で期待を裏切られました。今までに見たヒノキの中では断トツのナンバーワン巨樹です。

仰るように似たような見た目のスギと比べるとどうしてもインパクトに欠けるのがヒノキ巨樹の宿命ですが、
ここまで来ると「ああスギね。だってスギにはこの感じ出せないでしょ?」と言わんばかりの余裕を感じました。
化け物スギとは方向性が違うし、どことなく高潔さを感じるサワラとも違う。まさにヒノキ巨樹の極致を見た想いです。
いやー、狛さんがこちらに来られるなら是非とも案内したい巨樹ですよ。(自分も見たいだけという 笑)

to-fu 24-04-13 (Sat) 0:13

> RYO-JIさん
えげつないですよね。ここまでやるか?みたいな。
ヒノキの巨樹ってツウ好みと言いますか万人にオススメできるものが少ないのですが、この夫婦ヒノキは
巨樹に興味がない方にも自信を持ってオススメしたいです。まあ、若干アクセスに難があるのがあれですが 笑

写真で見て強調されているように感じるかもしれませんが、実物はさらに凄かったですよ。
あの立体感、陰影はどうやっても再現できそうもありません。ヒノキも凄いけど人間の目の処理能力もすさまじいなと。
高速のICからすぐなので、この周辺の巨樹を5本ほど回って日帰りでも十分すぎるくらい楽しめると思います。RYO-JIさんも是非!

yoji.koyama 24-04-13 (Sat) 13:30

素晴らしいですね。両サイドにヒノキ中心に自分。最高ですね!
神々しい雰囲気がたまりません。

このヒノキのビジュアルを見た時、すぐに行かねば!となりました。
ただ車はキッツい道。歩きでも遠い。大楠からの山越えればいけんじゃね的な感じでショートカットできたときの喜び。
また行きたくなってきました!

to-fu 24-04-14 (Sun) 21:11

> 小山さん
本当に素晴らしいヒノキですよね。さらに近くにあの大クスまであるだなんて。
アクセスのいい小山さんが羨ましくて仕方ありません。

大クス→ヒノキの林道を徒歩で抜けられることが分かったら車で強行の選択肢は完全になくなりますね。
私も既に再訪したくなっているので困ります。次回は欲張らずに岡崎周辺だけで一日潰す気で行きたいです。

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