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【再訪】富山県魚津市 片貝川上流域の洞杉群へ 3


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR

少し間が空いてしまいましたが先日の「【再訪】富山県魚津市 片貝川上流域の洞杉群へ 2」の続きを。
いよいよ洞杉群の散策を開始してレンズを標準ズーム→超広角ズームに付け替えたところでした。


レンズ変われば目線も変わる。ということで無理言ってもう一度序盤の洞杉から撮り直すことに 笑
撮り終えた瞬間だけは十分撮ったなと思うんですけど、少し歩き始めるともう「やっぱり撮り足りないわ」に意識が変わってしまうという。
家中の機材をフル動員して一日中ここで撮影してみたい!!

まあ色々な意味でその願いを叶えるのは困難なのですが。


巨樹撮影に限って言うと、個人的にはパースが付きすぎて実物を誇張して写し取ってしまう超広角レンズがあまり好みではありません。
が、大物相手となると使わざるを得ないわけで…だって収まりきらないんだもの。

大抵の巨樹が相手であれば標準ズーム一本だけで楽しめてしまうのも巨樹撮影という趣味の良さだと思います。しかし日本が誇るレジェンド級の巨樹たちを相手取るならやはり超広角ズームを別で一本携行したいところ。と言いますか、たぶん対峙したら即座に「超広角レンズを買わないと死に至る病」を患うことになるでしょう。本当に欲しくなるんですって。

しかしですよ。その機材がないことでギャフン!と言わされて必要性を感じたから購入する。
これってカメラ機材の購入動機としては極めて健全、理想的なものではありませんか?


つい先刻まで逆光で光が差し込んでいた場所が曇り空のフラットな状況に変わっていたり。
山の天気はコロコロ変わりますから、ほんの直前に見たばかりの巨樹を見返しても新しい気付きがあります。

ああ、さっきは強い日差しでコントラストが付きすぎて諦めたけど今なら撮れるぞ!逆も然りで、さっきは光が差してカッコよかったのに今見るとそこまででもないな…なども。ロケハンがほぼ通用しない環境だからこそ一期一会な写真が撮れるわけで、これだから何度撮っても飽きないし何度撮っても面白いんだろうな。


自分が撮影してきた写真を見返していると、洞杉の迫力も現地で感じた肌がヒリヒリするような緊張感も1割すら持ち帰れていないことに愕然とします。
いや、本当にこんなもんじゃないんです。皆様にもぜひ一度あの場に立って感じていただきたい。
大体あんなに凄いものを、人間風情が作った道具で表現できるわけないんだよ。という諦め…


やはり最も強く印象に残っているのはこの「最大の洞杉」でしょうか。
これ、左右の別の幹のように見えるスギもしっかり繋がっていて一個体の巨大スギなんです。
日頃私が気にしている巨樹のサイズ、いわゆる幹周ですが、人間が決めた尺度に一体何の価値があるんだろう。否応なしにそんな気分にさせられます。
大体これ幹周ってどこを測ればいいんだろう。無意味なことですよ。


保護ロープがあってあまり近付くことが出来ないのでスケール感が分かりにくいかもしれませんが。
なんというか…言葉になりません。すっげえ。でっけえ。ほー。はぁー。それくらいしか出てきませんもの。
しかしあの自然エネルギーの極限みたいな環境を思い返すと、感じたことの言語化なんて「すっごかった!以上!」で構わないような気がします。
どれだけ言葉で飾り付けたところでホンモノの迫力に敵うわけがない。


ということで、とにかく帰ってみると「もっと撮れたな」とか「まだまだやれたな」とかそんなことばかり思うのです。
たぶん一生涯かけて撮り続けても敵わないだろう。そんなこと分かっているけどもう一度。いえ、何度でも何度でも挑戦したくなる巨樹群。

いつかまた再挑戦することになると確信しております。
願わくばまた三人集まって、近況報告でもし合いながら楽しくリベンジできたらこれ以上無い幸福ですねえ。

なお巨樹自体のオススメ度は文句なしで5つ星の洞杉群ですが、そこに至るまでの林道に問題あり。
毎年12月始まってすぐ~5月半ばまで、一年のほぼ半分が冬期通行止めになっています。
落石や崩落による通行止も少なくありませんので遠方からの訪問の場合、事前に魚津市観光協会に道路状況を問い合わせておくことをおすすめします。

コメント:2

24-07-09 (Tue) 9:35

やってみるとわかりますが、こうして最大洞杉をバッチリバランスよく収めるだけでもひじょうに難しいんですよ、皆さん。(?)
しっかり撮られた写真を目の当たりにすると、つい「そんなら俺独自の撮り方を」とか反骨精神が湧きますが、まあ無理ってもんです。
プラスに捉えるんなら、「こんなもん買っちまって、俺ってやつは……」と自己嫌悪の種だった超広角が異様なまでに大活躍! なんですけど、幅数十センチの木道上で幹周15メートルオーバーの巨体を相手取るなんて、ただの防戦一方。
個々の洞杉の姿にあまりにも勢いがありすぎて、これが数百年もかけて出来上がったとは全く思えませんでした。
だからこそ、静的な写真には決してならず、撮り手としても色々チャレンジせずにはいられなくなるんですよね。

かなりスプラッタな熊害のニュースもある昨今ですが、パーティーで行けたおかげで安心感は三倍でした。もう一度同じ条件で臨みたい。そうする価値も必要もあると思いますね。
さあて……to-fuさんのとどう違う探訪記を仕立てたもんか。こいつは困ったぞ。笑

to-fu 24-07-09 (Tue) 11:58

> 狛さん
あれだけ撮ったので奇をてらったカットも色々ありますが、やはり最終的にはボツになりますね。
どうせ負けるにしても正面からぶち当たって気持ちよく負けて帰りたい、みたいな。
もう少し撮影位置に余裕があればやりようもあるんですけどねえ。それですら実際やってみたら白旗上げて終わりかもしれませんが。
最大洞杉は巨樹と向き合うことの面白さ、難しさがギッシリ詰まった一本だと思います。あれを撮ったら誰だってワクワクしますよ。

クマ警戒レベルの高さだけを考えてもソロでは絶対あの過ごし方は出来ませんよね…それだけでも感謝の気持ちで一杯です。
何より、あの感動を共有できただけで感無量でした。少しずつ、それぞれ見てきた最強巨樹の感動を共有できたらいいですねえ。

探訪記は…これって先手を取って書いた方が圧倒的に書き進めやすいですよね。私は前回の四国のときに思い知りました 笑
(合流前に10本近く撮ったので、共有した期間のログを書き始める頃には「俺が書かなくてもお二人の濃密なログ読めばよくね?」となった。)
それでも個々で物の見方や感じ方が違うから面白いんですけど。更新楽しみにしています!

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