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【再訪】富山県魚津市 片貝川上流域の洞杉群へ 2


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 35-70mm F4.5-5.6 WR / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR

先日の「【再訪】富山県魚津市 片貝川上流域の洞杉群へ 1」の続きです。
前回は広場の洞杉、つまりは洞杉観察路の入口に到着したところで締めましたが、今回は洞杉の写真メインで書き進めたいと思います。


冒頭の写真とこちらの写真は洞杉群入口にあたる「広場の洞杉」。
幹周11mを誇り、少なくとも数百年間富山県山間部の豪雪の重みに耐えて生き続ける複雑怪奇な形状をした巨杉。
もしここに広場の洞杉たった一本しか存在しなかったとしても、遠方からはるばるやって来るだけの価値がある。
観察路入口に屹立することもあって印象に残る洞杉です。


うーん…「広場の洞杉」というワード。当然のように連呼していたわけですが、どこに書かれていたんだったか。
今回の訪問時はなかったように感じるのですが、前回2020年に訪問した際は駐車場にこのようなマップが存在したのでした。
たしかに広場の洞杉と書かれている。ああ、記憶の片隅にあったのはこれか。

気付かなかっただけで今でもこの案内板は現存するのかもしれません。


観察しやすいよう人の手こそ入っているものの、まさにそこは原始の森。
そこらの山の名もなき植林杉のように平然と立ち並ぶ異形の巨杉たち、そして今にでもクマが飛び出してきそうな野生動物の気配。
普段は脳内のどこか奥底、畳敷きの和室のようなところでぐでーっと昼寝している私の五感アンテナがビンビン鋭くなっていくのが感じられます。
油断したらやられる!そんな感じ。人間が如何にちっぽけな存在か痛感しますね…


サイズこそ大したことはないものの、洞杉の成り立ちがよく分かる杉の木を発見。
岩の上に芽吹いた杉の苗が水分と栄養を求めて根を伸ばし続け、岩を包み込むように成長した姿です。
このままこの過酷な環境で数百年生き続けることが出来たら立派な「洞杉」として崇められるようになるのでしょう。


観察路からは遠目に見ることしか出来ない巨杉の中にもなかなか凄そうなやつが点在するのです。
いちいち立ち止まってしまい、なんとか写真で上手く切り取ることができないか…あそこまで観察路が続いていたらなあ…など色々考える。
(いっそ、観察路のロープをえいっ!と飛び出してしまいたくなる。しかしそれをやってしまうと愛好家全体の首を締めるのでダメ絶対、です。)


家屋の屋根すら押し潰す豪雪の重みに耐え続け、歪んでひしゃげた幹や枝。
巨樹の大きさから来るインパクトもさることながら、この姿に至ったまでの経緯を妄想するだけで胸が熱くなってしまう。


実は今回の撮影のテーマは標準ズームだけで撮ってみよう、だったりしたのですが、結局ワタクシ早々に諦めました。
ええ、実はこの辺りまで35mm換算28-55mm相当くらいのGF 35-70mmだけで粘っていたのですよ。無駄な抵抗でしたが 笑
前回訪問時は超広角頼みになってしまった反省があり、今回は敢えてそれを封印して向き合ってみようと。

無理ですね。本当に無理でした。
まずもって超広角レンズがないとまともに向き合うステージに立てない、とでも申しましょうか。


ということで超広角ズームレンズに付け替えて「最大の洞杉」までやって来たところで今回はここまで。
いつの日か標準レンズ、中望遠レンズだけで向き合ってみたい気持ちもありますが、その域に達するのはまあ今後10回くらい再訪してからの話になるのかなと。

洞杉群を撮影するなら超広角ズームレンズは必携。これは真理です。

コメント:4

RYO-JI 24-06-14 (Fri) 22:10

おおー、自分もその場にいたくせにモニターに釘付けになってしまうこの迫力。
こうやって見返していても興奮して手に汗握ってしまいます。
しかしその身体全体から自然発生的に生じる昂ぶりを言葉に纏める自信が全然ないですよ。
写真を掲載して、あの時発した『うわー』『えええええ』『すごっ』『エグイ』と書くだけしかできそうにありません(笑)。
しかしto-fuさん、標準ズームだけで撮ってみようという思いがあったんですねぇ。
私もちょうど同じタイミングで標準ズームからより広角なレンズに交換しましたね(笑)。
最後の一文がグサッと刺さりますね、まさに真理!
あぁ、あのマップは私も目にしませんでしたよ。
何処か他のところにあったんですかねぇ。

to-fu 24-06-15 (Sat) 20:11

> RYO-JIさん
写真を見返して「うーん…」、自分の書いた文章を読んでまた「うーん…」。
あの感動の1割も表現できている気がしません。何でもっと撮らなかったんだろう、という後悔も。
もしあのまま洞杉群に一日中張り付いていたとしても同じ感想になっている気がしますが、それでも反省点は多いです。
再訪して撮り直したい。巨樹の道に終わりはありませんねえ 笑

思うところあって標準ズーム一本勝負!のつもりでしたが無理でした。はっはっは、あれは無理っすよ(壊れる)
一度や二度の挑戦で思いどおりになる存在ではないと理解していたつもりでしたが、いざ目の前に立つと己の無力さを痛感します。
しかし撮影中のあの興奮。結果の善し悪し抜きに、あの時間は本当に幸福でした。毎日撮りたいくらいですよ。

24-06-19 (Wed) 8:18

一度は現地に行き、行った気にもなっていたんですが、あの観察回廊に入れなかったなんて、「良くて半分」くらいでしたね。
いい時期に、真剣に意見を交わせる仲間と再訪出来て本当に最高でした。
存在があまりにも大きすぎて苦笑するしかない。ただただそれが結論ですけども、カメラの描画性能をこれほど存分に駆使させる相手もそうない。
わたくしも43ミリだけで切り取ったらどうだろうかなどと画策しましたが、こういうのを蟷螂之斧というんでしょうね。「洞杉前の標準レンズ」を同義語として登録してもいいくらいだ。
あの驚異の形状を人間の意思で切り取って成り立たせようだなんて、降参のうえ木道土下座謝罪です。人間はちっさい。

あ、駐車場のマップ、自分はしれっと撮ってました。笑 なので今も実在しています。
ここに新たな洞杉が追加されると楽しいなとも、いや、そのまま未発見な方がロマンがあっていいなとも。
巨樹界の至宝ですね。

to-fu 24-06-19 (Wed) 11:43

> 狛さん
流石は「蛇石」を発見していた狛さん 笑 私とRYO-JIさんは狛さんより先に駐車場に到着していたはずなのに。

私も全く同じ気持ちです。一度訪れて一通り眺めた気になってましたが、何なのこの奥の深さは…と逆に落ち込みました。
一年の半分は雪に阻まれ、真夏は虫地獄で秋は台風。本当にここしかない!と思える理想的なタイミングでした。
狛さん、RYO-JIさんとアレコレ言いながら撮り歩き出来たのは実に貴重な体験でしたよ。

「洞杉前の標準レンズ」は現代のことわざとして採用してもらいたいくらいです。まさに蟷螂之斧。
でも、いつかは標準レンズだけで。あれは何度でも立ち向かうだけの価値がある巨樹ですよね…

まだ見ぬ洞杉が恐らく何十本もゴロゴロしていると思いますが、UMAもオーパーツも語られなくなった退屈な現代ですから
身近な未知の存在として放っておいてほしい気持ちもありますね。もちろん、スゴイのが新発見されたら即座に飛びつきますけど 笑

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