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愛知県豊田市 有洞のサワラ


Nikon Z f / Nikon NIKKOR Z 24-70mm F4 S

暑すぎてたまらないのでまだ肌寒かった頃に訪問した巨樹を。
堂庭のスギを北上し、国道420号線から「え…ここに突入するの?」と若干物怖じしてしまう極細の脇道を少し登った先に待つサワラの巨樹。
420号線から見た脇道のビジュアルがかなり極悪なのでスルーされる方も少なくなさそうですが、一応普通車でも問題なく到達できますのでご安心ください。


とはいえ、やはり道が細いものは細い。
周辺に駐車スペースは皆無と見て目的のサワラの目の前に設置されたゴミ集積場の脇に少しの間駐車させてもらうことにしました。
(私が車を停める音を聞いてご近所の方が「何だ何だ?」と家から飛び出して来たくらいには交通量が少ない 笑 一言断っておきました。 )
正直なところ、巨樹を眺めてお茶でも飲みながらのんびりするような立地ではないと思います。


これはデカい。愛知県最大のサワラとされるだけあって実に立派な立ち姿。
ヒノキとよく似た樹種のサワラですがサワラの方が色が少し白っぽく、関西風に表現すると「シュッとしている」。どこか気品が感じられます。
ヒノキはもっと野性的で荒々しい枝張りをしている印象。


この手の実直にすらっと伸びたタイプの巨樹は実にカメラマン泣かせで…
実際目の前に立つとすさまじい存在感を放っているのですが、写真で見るとただのデカい木に見えがち。
隣に添えられたように立つ、恐らく有洞のサワラの二世樹?と比較していただくと規格外の大きさであることは伝わるかと思います。
ほら、冒頭の写真2枚を見てのとおり、二世樹の子サワラだって樹木としては並ランクくらいのサイズはありますから。

(本当は根本に私が立ってヒューマンスケールになれたら良いのですが、このときはまだNikon Z f用のL型プレートを発見できておらず、重心が不安定な縦位置カメラ設置三脚からあまり離れたくなかったのです。)


豊田市指定天然記念物「有洞(うとう)のサワラ」。
この辺りは豊田市有洞町、ということで地名をその名に冠しています。
少し古い情報だと樹高35m、幹周7.0mとなっていますが、平成24年の再調査結果を見るとをやや成長していることが分かります。


根本に大きな空洞がある、というのは解説板のとおり。
遠目に見る分には健康状態が良さそうに見えますが内部はかなり空洞化が進行しているのかもしれません。
サワラはヒノキほど硬質ではなく、材としてはむしろ柔らかい方なので少し心配です。


しかしそんな不安を吹き飛ばすように枝葉の付きがいい。
枝の歪み具合とか鳥のホネのように鋭い感じとか本当にヒノキに似ていますね。
薄暗い山の中でこの巨樹を見たら、節穴の目を持つ私なんかヒノキだと勘違いしてしまいそうだ。


うーん…サワラの回りをぐるぐる何周も歩いてみるのですが、どう撮れば実物の迫力を伝えることが出来るのか皆目検討がつきません。
いい巨樹なんですけどね。同じヒノキ科のヒノキやネズコよりずっと潔い立ち姿。こういうのは実際に見てナンボです。
写真で見るよりずっといいじゃないか!という感想を味わいやすい樹種として、遠征先の目的地の一つとしてサワラを加えると効果的かも。
主演ではなく名バイプレーヤー。たしかに華はないかもしれませんが、そういう立ち位置も素敵ではありませんか。


あまり長居するのも、と機材を片付けていたところ、人生で初めてのアオバトを見かけました。
え?感動したかって?まあ、言ってしまえばただの緑色のハトですよね。そうだろうな、とは思ってましたが。
強いて言うなら「飛翔スピードが、ハトよりずっと速い!(気がしただけかも)」

巨樹めぐりというコース料理を組み立てる中でメインディッシュではなくスープとかデザートとして扱うべき巨樹。
このサワラを日程のどこに置くか次第でメインの一本の印象を大きく引き立たせることも出来るような気がします。
もちろんスープとして単体で見ても上等なシロモノ。シンプルにして巨大で美しい立ち姿を見ておいて損はないでしょう。(一体何の話なんだ)

2024/3/13訪問
「有洞のサワラ」
豊田市指定天然記念物
樹齢 不明
樹高 38m
幹周り 8.0m

愛知県豊田市有洞町向洞28

コメント:4

RYO-JI 24-07-24 (Wed) 21:46

確かにシュッとしてますねぇ(笑)。
しかし一方で撮影者泣かせだということもよく理解できますよ。
どこをどう撮っても実際目にした感じの迫力が出ないですよね。
幹周が8mのサワラって相当なサイズだと思いますが、写真にしろ言葉にしろ表現に苦労するでしょうね。
結果コース料理に例えてしまうのは新しい技で素晴らしいと思います(笑)。
いえ、冗談抜きで巨樹巡りの順番はとても大事ですからとても参考になるし、是非スープとして見てみたいです。

to-fu 24-07-24 (Wed) 23:23

> RYO-JIさん
この手のシュッとしたサワラやモミなんかは、全国ナンバーワン級でもないかぎり写真で魅力を伝えることが難しいですね。
私だって写真を見て、この一本のために愛知県まで!とは思いませんでしたもの。本当に難しいです。

巨樹めぐりも料理と一緒で、一線級の大物ばかり連続で見ていると胃もたれしてしまいます。
まあ、もしそんな恵まれた環境があるのなら一度くらい胃もたれしてみたい、という気持ちもありますが 笑
このサワラやカヤ、エノキみたいなちょっと地味な巨樹を挟みつつ回る。一日の組み立て方にもセンスが必要だよな、と思います。
狛さんなんか組み立て方が秀逸ですもんね。3人集まるなら一日の流れは狛さんにお任せしておけば間違いない!感があります。(最低な奴)

24-07-25 (Thu) 15:54

通好みの良い巨樹という感じがします。サワラという樹種からしてすでに通向けというか。
相変わらずヒノキとサワラの区別がつかない(というか判別を諦めている)んですが、幹周囲7メートルを超えてくるならだいたいサワラと言っておけば当たる気がしてきました。
それでも7メートル超は希少だと思います。去年、秩父の三峯神社で7メートルの個体と出会いましたが、やはりこの巨樹に似て、斜面に対応するために幹周を増してる形でした。平地で単純にそれ以上となると、さらに少ないかもしれないなと。
有洞町という地名にウロで合わせているようなところも面白いですね。どういう地名の謂れなんだろう。

巨樹巡りをコース料理に例える。なるほど、我々もなかなか味覚が肥えてきましたしね。興味深いです。
でも、いいんですか、ワタクシに任せると、スープ、パン、パン、パン、デザート、前菜、パン……とかのコースになりますよ? 食べ放題のやけにうまいパンでおなかいっぱいになるやつ。
みんなで良いコースを作りましょう! 三人それぞれ和洋中の鉄人です!(そうやってまた難しい話にする)

to-fu 24-07-25 (Thu) 20:33

> 狛さん
ヒノキとサワラは樹皮の色味とか全体的なシルエットとか細かい違いは感じるんですけど、小ぶりなものだったり薄暗い森の中で見たりすると判別できないものも多いですね。(葉っぱが違うと聞きますけど、個体差で葉が丸っぽいものもあって私にはほとんど判別不可能)
現実問題、写真だけで迫力を伝えられそうなサワラって例の「沢尻の大ヒノキ」くらいしか思い浮かびません。あれも名前はヒノキというよく分かんない存在ですが 笑
有洞は「ありほら?うどう?」とか色々想像してたんですけど「うとう」とは想定外でした。地名の由来が気になりますよね。

うまいパンの食べ放題!!最高じゃないですか 笑
巨樹めぐりがリストの数字のでかいのだけを並べてただ回るだけの行為だったら、私はとっくに飽きているかもしれません。
大物と対峙する感動をピークに持っていくため、旅立ちの前にその一日のストーリーを頭の中で練り上げる。
こういうのも含めて面白い。そしていざ旅に出るとイメージと違って、また組み直したり。実に奥深い世界ですねえ。

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