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香川

晩夏の瀬戸内旅 2024


FUJIFILM X100VI

この10年くらい、それ以前とは価値観が随分大きく変わった気がしていた。
していたのだけど、結局昔の自分は騙し騙し生きていただけで根底にあるものは何一つ変わっていないのかもしれないなあ。
そんなことを思いながら食後のコーヒー片手に静かな夜の海を眺めていた。

自分の心と向き合って素直に生きられるようになるまでに30年も要していたのかと思うと何だかなあという感じもするし、30年で済んだなら上々なのでは?とも感じる。人生って長いんだか短いんだかよく分からんですな。


PENTAX 645Z / PENTAX smc PENTAX-FA645 33-55mm F4.5 AL

旅先では大抵まだ真っ暗なうちに目が覚めるのだけど、特に気合を入れて起きているわけではないので稀に寝過ごすこともある。
目が覚めてガバっと起き上がると既に空が明るみ始めていた。
ああ…やってしまった!と645Zを鷲掴みして寝間着のまま早朝の海へ。


とりあえず日の出には間に合ったので良しとしたい。
本当は真っ暗な空が少しずつ明けていく様子を眺めるのが一番好きなのだけど。
なおその時間帯に撮った写真は大抵ブレブレでほとんどがボツになるのだった。

晩夏の瀬戸内旅 2024


FUJIFILM X100VI

ヤギや瀬戸内海を眺めることに満足したら拠点に戻って服を着替えて約束の時間まで体を休める。
ここからは身軽なX100VIに持ち替えることにして、もう一度海辺をぷらぷらと散策してからくすくすへと向かった。


たこぶつでビールをやる我々に縋るような目を向けるネコさん。
さっきまでの警戒した表情からここまで自在に変えられるものなのか。



島の一日が終わるのは早い。
16:40分の定期船が行ってしまうと人の出入りが完全に途絶えるため、それはもう信じられないくらいに静かになる。
車もバイクもない空間っていいよなあ。などと、車でやって来た自分を思いっきり棚に上げて静寂のひとときを楽しむのだった。

晩夏の瀬戸内旅 2024


PENTAX 645Z / PENTAX smc PENTAX-FA645 MACRO 120mm F4

午後はマクロレンズに持ち替えて島を散策。
ヤギさんたちが草をむしゃむしゃ食べるのをただぽけーっと眺めていた。


俯いて黙々と草を食すヤギさん。延々と。エンドレスで。
これがまあ見ていて面白い光景かというと当然そんなことはなくて、感想は「しかしよく食べるな…」しか出てこないという。
さらに常に小刻みに動き回っているものだからPENTAX中判マクロレンズのAFには少々荷が重い。
たぶん100枚以上撮ったと思うけどピントがしっかり合っているのは僅か10枚ほどではないだろうか。


FUJIFILM X100VI

とはいえ決して面白くない=退屈というわけでもない。
たぶん1時間くらいは食らうヤギさんたちを眺めていたはず。
こんなところに来てまでせかせか動き回らなくてもね。
今日見られなかった景色は明日見ればいいし、明日もダメならまた来たらいい。そんなスタンスで。

晩夏の瀬戸内旅 2024


PENTAX 645Z / PENTAX smc PENTAX-FA645 33-55mm F4.5 AL

やはり太陽が覗いてくれると陰影が出て色味もグッと引き締まる。
撮影のしやすさで言えばフラットな曇天に分があるのだけど、この姿と比べてしまうと「やっぱり晴れだわ…」と唸らざるを得ないのだった。
そして気付けば既にお昼前。結局午前中いっぱい大クスの前だけで過ごしてしまったことに気付く。


楠ノ倉の展望台へと移動。
虫よけのために羽織ってきた長袖を脱ぎ捨てて爽やかな潮風を浴びると、うおー!これだぜ!と叫び声を上げたくなる。いえ、上げませんけど。
心を殺してただただ無気力に史上最悪の酷暑を乗り切ってきたけれど、また志々島に来るために頑張ろうと気合が入った。
帰宅してなお続く終わりなき夏にいいかげんウンザリして、またも心が死にかけている今日このごろですが。

もっと旅に出るためにも気合い入れて行くぞ!と仕事を増やすと旅に出るための時間が無くなる地獄のようなアンビバレント…


オリンパス E-M10 Mark IV を何度も仕入れたがるショップもある

如何に相手を煙に巻くか、的な? なかなか面白かった。
フルサイズのレンズはデカい!と連呼するわりにはフルサイズ用レンズの設計そのままのシグマ製超望遠レンズを堂々と自社ブランドで販売していたり、欧州市場で一定の需要があると言うE-M10 IVが(OM-5も)未だにtype-C非対応だったりと発言内容が矛盾に満ちていますが、元OMユーザーとしては5年後OM SYSTEMが存続できているか非常に興味があります。はっきり言ってOMには良い思い出がありませんけれど、別にさっさと潰れてしまえとも思わないわけで。選択肢は多い方が楽しいに決まってますから。よく私は〇〇派!みたいに自らメーカー縛りする剛の者がいますが、あんなものはゲームの縛りプレイと一緒です。私はメーカー社員でもマゾヒストでもないので全く共感できません。とりあえずJIP傘下では全く期待できないので、どこかいい身売り先が見つかるといいなあ。

晩夏の瀬戸内旅 2024


PENTAX 645Z / PENTAX smc PENTAX-FA645 33-55mm F4.5 AL

645Zで巨樹撮影するならDA645 28-45mmが必要なのではないか…
そんな欲求を抑える、あるいは買う覚悟を決めるため、今回この33-55mmで勝負してみたかった。
やっぱりフルサイズ換算約27mmスタートのこのレンズでは窮屈さを感じるし強烈なフリンジは如何ともしがたい。周辺の画質もやや不満。

ただまあ妥協できる範囲ではあるかなと。
よりワイドに撮りたい、撮影条件が悪いなら素直にGFXを持ち出せばいいだけの話で。
撮影条件が良好なときだけ持ち出せる最高に楽しいオモチャ。645Zの立ち位置はそれくらいでちょうどいいのかもしれない。
発動条件が限られた必殺技みたいで何となくカッコイイではありませんか。


というか28-45mmって1.5kgもあるんです。645Zと合わせたら約3kg。
冷静に考えたらこれ手持ちでウロウロ歩き回る機材じゃないよな、と。

今の体力なら撮れる。若さでカバーできるなら今のうちに使っておいた方がいい。ええ、分かります。分かりますとも。
しかしそれは膝をぶっ壊した私に言わせると、あくまで関節の寿命を前借りしてパワーに変換しているだけの話ですからね。
目には見えなくとも確実に寿命をゴリゴリと削っているし、一度ガタが来ると二度と回復することはない。関節とはそういうものです。

今回の旅でもぐっすり眠って目を覚ました私が真っ先に確認するのが「膝は動くか!?」でしたから。
要は「28-45mm?ないわー。」が私の結論。


そういえば冬に備えてリコペン公式ストアで処分価格になっていたフォトグラファーグローブを購入しました。
ちょうど送料分くらいのポイントが中途半端に余っていたので。

ちなみにフィンガーレスタイプを購入。私は真冬の海釣りでも手袋はフィンガーレスタイプ。
指全体覆うタイプは論外として、3本指の指先だけ出すタイプでも操作中の違和感ものすごくて。
あんなもん温かいのか?と思われるかもしれませんが、手首が温まるだけで体感温度がまるで変わります。
まあ、そりゃどれだけ取り繕っても全体覆うタイプの方が温かいに決まってますが 笑

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