- 2021-10-02 (Sat) 11:43
- SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art | Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM | クスノキ | 三重県 | 巨木たち(地域別) | 巨木たち(樹種別)
SONY α7RIII / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
LEICA M10 / Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM
熊野尾鷲道路、某二階サンの地元和歌山へのショートカットということで開通した所謂二階バイパスの賀田ICを下りて海岸線まで一直線。そこからほんの少し南下したところに位置する曽根集落に、ひときわ目立つ社叢が存在します。それがこの飛鳥神社の巨樹群。紹介するべき巨樹があまりに多いため記事を2つに分割してダイジェスト的に紹介させていただきます。
神社の真裏はこの風景。風光明媚な実に美しいところです。尾鷲といったらこの辺では釣りのメッカのような場所ですからねえ。巨樹を抜きにしても海岸線沿いをのんびりドライブしているだけで十分満足できてしまう、そんなエリア。余談ですがコロナ流行以降は個人的に外食をタブーにしていることもあり、毎回パンやおにぎりを持ってきてここで海を眺めながら昼食とすることに決めています。
鳥居をくぐって早速待ち構えるのがこの巨樹の門。共に幹周7mクラスで30m近い樹高、ということで既に見応え充分。冗談抜きに他の土地であればこの2本の巨樹だけで記事が一つ書き上がってしまうくらいの迫力があります。
素晴らしい。クスノキも日光を求め、いや、まるで自身をスギだと勘違いしているかの如くシュッと直立しており、遠目にはまるで二本の門杉がそびえるかのようにも見える。スギの根本に空いた小さな穴の中にはProdigyの「The Fat of the Land」を思い出させる巨大なカニ(マニアックすぎる)が生息していて、地元の京都盆地との気候の違いを痛感させられます。
こちらは三重県最大のホルトノキ。幹周4.75m、樹高18m。
先日紹介した「佐野のホルトノキ」は散々な有様でしたが、ホルトノキの巨樹が見たいならこちらにもある。
幹は大きく空洞化しているものの樹勢は悪くない。なるほどこれがホルトノキか、と腑に落ちる感があります。目の前は小さな漁港。ロケーションも申し分なし。
こちらも巨樹クラスではないかと思われます。本当に紹介していたらキリがないくらい。巨樹とは違いますがバクチノキやハマセンダンなど珍しい樹種も見られるため、本当に見応えとしては文句なし。単体で見るとリスト上の数値では「引作の大クス」などの大物に大きく劣りますが、個人的にはここだけを目的に尾鷲まで足を伸ばしてもいいくらい気に入っているポイントだったりします。毎回立ち寄っていますからねえ。
さて拝殿へ。ああ、こちらの丸石積みの石垣もなかなか珍しいのではないかと。一向にメインのクスノキに話が進みません。
気を取り直して拝殿へ。この位置から既に感じる強烈なプレッシャー。拝殿前のスペースを埋め尽くさんばかりの巨躯が覗き見えます。
通称、拝殿前の大楠。幹周は8.8mとそこそこですが、こちら側の辺の長い三角錐のような形をしているため、正面から対峙したときの迫力は10mクラスの貫禄にも引けを取りません。小さな看板が立てかけており、裏側へ回れということですが。
ああ、これは凄い。表側から見た姿からは想像も出来ませんでしたが、半身が大きくえぐれていたのか。むしろ元々はこちら側が主幹だったのかも。損壊していなければ三重県でもトップクラスのクスノキだった可能性も…無いとは言い切れないでしょう。
まるで首長竜のような姿。海の方へにゅっと首を突き出しているように見える。
樹勢は旺盛。まだまだ大きくなるのではないかと。
パワースポット推しされるのもまあ分からなくもない。社叢の薄暗さも相まってどことなく神々しさの漂う空間でした。さて、いいもの見たな。帰ろう帰ろう。
ということで毎度次へと移動していたのですが、どうもすぐ裏手に県下3番目を誇るクスノキが生えているというではありませんか。何度も通っていながら完全にスルーしていましたよ…長くなりすぎるため、次回へと続きます。
続きはこちらから。 → 「三重県尾鷲市 曽根飛鳥神社社叢の巨樹群 2 県下第3位のクスノキ」
2020/2/5~2021/9/13 複数回訪問
「曽根飛鳥神社社叢の巨樹群 拝殿前の大楠」
和歌山県指定天然記念物(社叢全体が天然記念物指定)
樹齢 推定500年以上
樹高 27m
幹周り 8.8m
三重県尾鷲市曽根町610
コメント:4
- RYO-JI 21-10-02 (Sat) 21:51
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やはりこちらの神社も訪問済みでしたか。
何度も熊野那智方面に行かれているのに一向に記事が掲載されず、ずっと待ってました(笑)。
広くない境内に見応えのある巨樹が乱立していると知ってはいましたが、想像だけではうまく理解できないので、
to-fuさんの記事は本当に参考になって有難く感じます。
海辺にある巨樹・・・最高のシチュエーションですね。
勝手な思いですが、初回訪問はできれば夏が良いなぁと思いました。
どれもがそれ一本だけで記事にできそうな巨樹なのが素晴らしいです。
巨樹の門のスギとクス、地中はどうなっているかすごく気になります。 - to-fu 21-10-03 (Sun) 9:44
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> RYO-JIさん
お察しのとおり、この辺りの海岸線近くの巨樹はほとんど回り尽くしてしまいました 笑
先の「佐野のホルトノキ」をなかなか書き進める気になれず、しかし飛ばすのもなあということでなかなか気が乗らず…
個人的には三重県の巨樹の中ではトップクラスの満足度の高さを誇ります。
圧倒的ボリュームとロケーションの良さ、欠点は周囲に食料を確保できる場所が皆無なことくらいでしょうか。
夏場のスカッと抜ける青空に、眩しいまでの緑。そして海。夏の飛鳥神社は良かったですよ。
ただ…次回書こうと思ってるんですが、蚊の猛攻が半端じゃないです。襲い来る蚊の量は過去最高かもしれません。
ゆっくり眺める、過ごすことを目的にされるなら、蚊のいない時期がベターかも、です。 - 匿名 21-10-08 (Fri) 12:00
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ちょっと取り組むものができるとネット離脱してしまう悪い癖がついてしまい、遅ればせながらでスミマセン。
和歌山県の紀行、どこもかしこも良い風景で素晴らしいですね。
海と巨樹の取り合わせが目に眩しいかのようです。
ホルトノキはほとんど港! 風景画に描いてもよさそうなこの風景……。
気に入ってちょくちょく足を運びたくなりますね。(ああ……でも蚊……)
プロディジーのカニがいるのも納得だ。笑
大クスの大胆な形状も十分に驚かせてくれますね。
引きこもり後に訪ねるならこういうところがいいなと思わせてくれる風景です。
東北はこれからすぐ冬に向かうのがつくづく残念でもありますが……。 - to-fu 21-10-08 (Fri) 13:12
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> 狛さん
やはり我々世代はカニといったらプロディジーですよね…いや本当にそうなのだろうか。
いえいえ、忙しいというのは良いことです。私なんか最近貧乏暇ありという最悪の状況が続いているので…何とかしないと。
海と巨樹のタッグというと房総半島も連想してしまいますが、気候風土ともに何となく似ているような気がします。
本当に蚊の猛攻さえなければ最高のロケーションなんですけどねえ。市街地の蚊と比べてやばい病原菌を保有している奴も
いるので要注意です。(数年前、夜釣りで刺された箇所が化膿して全身に広がり、完治までに1年近く要しました…)
コロナ禍になって以降訪問した巨樹のほとんどがクスノキなんですよね。8~9割はクスノキかもしれません。
仰るように、気分が落ちているときはこういうドーン!どや!以上!みたいな底抜けに明るい巨樹に惹かれてしまいます。
姥樫みたいなのはちょっと厳しい… 笑
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