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懐古主義者に捧げる鎮魂歌 FUJIFILM X-Pro3を購入


Panasonic LUMIX DMC-GX8 / Panasonic LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH.

「Nikon Z fcに35mm相当のレンズを着けたら、それはもうジェネリックX100Vと呼べるのではないか。」などと世迷い言をのたまいましたが、ここで結論を申し上げましょう。「呼べるか!」と。ええ、もちろん聡明なワタクシですから端から分かりきっておりましたとも。さらにZ fcで撮れば撮るほど、私が欲しかったのは決してAPS-Cセンサーで35mm相当のコンデジなどではなく、あの懐かしきフジフイルムの写りだったことを思い知らされた次第。


こうなったらやはりX100Vか…などと例の如く数多のカメラ店をチェックしていると、徐々に興味がアレへと移り変わっていくではありませんか。そう、アレですよアレ。異端の子、X-Pro3でございます。潔く背面液晶を取っ払ったカメラと言えばライカM-Dですが、そこまでやると爆死確定だから裏側にこっそり液晶画面を残しちゃおうぜ的な?その今一歩突き抜けられない姿勢が、私のように中途半端な人生を送ってきたシャバ僧(死語)の感性をビシバシ刺激するのです。


ワタクシこのX-Proシリーズも次作以降(そもそも出るのか?)に関しては普通の背面液晶に戻してくるだろうと予想しております。X-Pro3が爆発的に売れた!などとは到底思えませんから。もちろんフジもそんなこと承知で発売に踏み切っているわけで、この厳しいご時世にこれだけ尖ったカメラを世に送り出したフジには最大限の惨事…いえ、賛辞を送りたいところです。未だ成仏できない銀塩世代の地縛霊、もとい懐古主義者に捧げるレクイエム。ええ、このカメラはフジフイルムから懐古主義者たちへの惜別宣言だと捉えております。この機を逃せばこのような変態的機種を手にする機会は二度とないはず。チャーリー・パーカー先生もおっしゃいました。Now’s the timeと。そう、今がそのとき。


レンズは以前所有していた35mm F1.4を再び。実のところフジのレンズは身銭を切って過去色々試しましたが、結局これと23mm F1.4以外にイイ!と思えるレンズがありませんでした。優秀なレンズならありましたが、官能的な写りをするXマウントレンズは私にとってこの2本だけ。で、23mmはつい先日Z fc用のものを購入したばかりなので、流石にそこはスルーして35mmということに。久々に近所で試し撮りしたところ、やはりフジのジャンクフード的な画作り(一応褒めてます)にはこのレンズが合うような気がします。まあ今となっては色々と欠点の目立つレンズなので他人様にはおすすめしにくいレンズですけど。


え?X-Pro3ですか?ちょっと使ってみた感想としては「めんどくさいカメラ!」の一言ですね。不便さの極みたるデジタルライカを使う私ですら「めんどくせえ。」と感じますから、これは相当なものです。何というかM10とは不便さのベクトルが違う感じ。M10はどこからどう切ってもレンジファインダーという構造自体が不便なのでそもそも不便であるとすら感じませんが、X-Pro3はどことなく機能制限によって不便さを強いられているようでもあり、その押し付けがましさが鼻につくといえば鼻につくかなと。いやいや、それ課金でアンロックしたら使えるんじゃないの?みたいな。

ただし不便さを承知の上で買っているわけで、その件に対して文句を垂れるのは筋違いだと思うのです。例のバ○ミューダフォン然り、自サイトのPV目当てに目に見えた地雷をわざわざ踏み抜いてクソだクソだと喚く人々の行為を私は良しとしません。あれは品性下劣で無粋な行為です。


FUJIFILM X-Pro3 / FUJIFILM XF 35mm F1.4 R / Film Simulation “Classic Chrome”

はい。ということで、当初の目的であったフジの写りには大いに満足しております。フジのJPGは紙にプリントすると本当にいい感じなのですよ。Z fcのJPGはツルツルとしたデジタル感が強く、私の好みではなかった。もちろんRAW現像で近い画作りに持っていくことは可能ですが、日々の家族スナップをRAWで撮影して一枚一枚丁寧に現像するような方と私の価値観の間には絶望的な乖離があるので話になりません。ではフジの写りと言うならX-E4ではダメなの?絶対にX-Pro3でなければダメなの?と言われるとぐうの音も出ませんが。


うーん。改めて考えるとこのカメラ、一体誰が何の目的で買ってるんだろう。買った私にもよく分かりません。分かりませんが、実のところ満足度は非常に高いです。より新しくお値段も若干手頃なX-T4でもよかったような気がしますが、何故だかX-T4を買っていたらここまでの満足感は得られなかったような気もしますね。ライカM10を買ったときに理解していたことではありますが、必ずしも高性能かつ高機能な機材を使うことが楽しい撮影体験に繋がるとはかぎらないなと。別に最新スペックの高機能カメラが悪だと言いたいのではなく、道具の選択肢は多い方が楽しくね?というだけの話。各々どう撮りたいかなんて違って当たり前なわけで、そこに豊富な選択肢がある方が幸せではありませんか。

意外とこのカメラ、後世になってエプソンのR-D1シリーズやパナソニックのGM5のように価値が見直されて、名機扱いされる日がやってくるのかも。かも、ですよ?

コメント:4

RYO-JI 22-02-07 (Mon) 21:10

おおー、これは意外でした。
X100Vはあるのかなぁと予測していましたが、完全に読みが外れましたよ(笑)。
X-Proシリーズはずっと欲しいと思えるカメラでした。
GRⅢを買ってからその欲望は消滅しましたが、今思っても他には無い唯一無二のカメラですね。

to-fu 22-02-08 (Tue) 11:46

> RYO-JIさん
自分でもビックリしてますよ 笑
X100Vはやっぱり買ってもまた手放すだろうなと…手に持ったときの質感をどうしてもライカQと比べてしまうんですよね。
X-ProシリーズはPro2を手放したことをわりと後悔してたんです。当時は主に巨樹用だったので粗ばかり目立ちましたが、
コロナ時代に入って近所スナップがほとんどになったこともあって今なら活躍するかなと。楽しいカメラだと思います。

22-02-09 (Wed) 21:19

うおお、X-Pro3じゃないですか。
まさに鎮魂歌的。さすがの僕もヨドで触らせてもらった際「誰が買うんだこれ?」「何のためのカメラだこれ?」と混乱しました。
しかも、完成度が高くてコストかけてるのもわかるから、余計混乱するんですよね。
フィルムシミュレーションはいつ見ても試してみたい機能に思えます。濃いカメラだ。
(そしてなぜかR-D1を飛び越えてヘキサーRFを思い出してしまいました。なぜだ……)

ネーミング問題もつきまといますね。なんのプロなんだ一体……。
このフォルムにはもっと古風なカメラらしい名前が良かったと思うんですけどねえ。
とかPENTAXユーザーが申しておりますが、「K」だって「キング」のKですしね。くそだせえ!笑

to-fu 22-02-10 (Thu) 15:24

> 狛さん
何なんでしょうねこのカメラ。やりたいことは分かるけどこれはねえだろうっていう。
しかしまあ本気で造られたわけ分からないカメラには不思議な魅力がありますね。
ヘキサーRF…我が家のボスが神社の階段で落としてしまい、ボコボコに凹んだ挙げ句カメラのナ○ワに雀の涙のような
金額で引き取られて行ったのをいまだに覚えています。ああ、ヘキサーよ 笑

というか、えっ!ペンタのKってキングのKだったんですか?
って気になって調べてみたらマジでした。一眼レフの王様ってすごいなホント。
こういうのをおじさんたちが会議で真顔で言い合ってるのを想像すると何とも言えない気持ちになりますね…

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