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徳島県小松島市 櫛渕天満神社のクスノキ


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 35-70mm F4.5-5.6 WR

丸亀市のホテルで目覚めて三豊・詫間エリアを散策。そのまま東みよし町の「加茂の大クス」に年内最後の挨拶を交わして午後はどうしよう…ということで向かったのが、こちらの新規巨樹でした。徳島市の南側に位置する小松島市。この巨樹は以前巨樹サイトで見かけて以降ずっと気になっており、密かにマップにチェックを入れていたのでした。

現地に駐車スペースなし。しばらく周囲をうろうろしたものの駐車場らしきスペースが見つからなかったため、結局邪魔にならない道路の端に停めさせていただきました。神社手前から見上げた時点で…うーん、これはデカい!自分の目に狂いはなかったと歓喜し、早速クスの麓へと向かいます。


おお。こちらから見るとさらに凄い。(強烈な逆光の時間帯だったため写真にコントラストが付きすぎてしまい、見辛くて申し訳ありません。)一見株立ちの合体樹のようにも見えますが、合体樹ではなく単体のクスノキが根本から複数の幹に分かれているようです。


横に並んでみる。これは素晴らしいクスノキ!
しかし根本には「クスノキ」と書かれた杭が立つのみ。そう、まさかの天然記念物無指定なのです。幹周12mを超えるクスが無指定とは流石クスノキ王国の徳島県。無指定ながらも周辺一帯は落ち葉や雑草など見られず綺麗に手入れされており、地域の方に愛されるクスであろうことが想像できます。


裏側に回ってみても実に健康そう。しかし最大の幹(こちらの写真だと右側)が前方にぐぐっとせり出すように成長しているため、倒壊を防ぐためにもそろそろ天然記念物指定して支柱を立ててあげるなり、何らかの対策を講じた方が良いのではないでしょうか。

根本にはタヌキか何かが掘ったと思われる大きな穴があり、少し顔を近づけてみると独特の強烈な獣臭が感じられました。ええ、飛び出してきて噛まれたりすると洒落にならないのでそのまま後ずさり、です 笑


年末ギリギリの訪問でしたが実に暖かい一日でした。それこそ上着なんて要らないくらい。この爽やかな樹冠と青空を見上げていると一足先に春を味わっているかのような気分になります。冬場に落葉した巨樹ばかり眺めているとどうも気分が落ちてしまうため、そんなマイナス感情を吹き飛ばしてくれる巨大クスノキはそれだけでも貴重な存在と言えますね。


樹勢は文句なし。それこそあの加茂の大クスのような美しい樹形のクスノキ…とはちょっとカテゴリーが違うような気もしますが、素晴らしい迫力であることは間違いありません。人間のサイズが大体根本の杭と同じくらい。そのスケールが少しでも伝わるとよいのですが。


健康そうとはいえ腐朽している幹も見られる。


辺りをうろうろ。巨樹を眺めたり、周辺の景色を見下ろしたり。一番のお気に入りはやはりこの正面?からの姿なのでした。


何の由来も逸話もなく、ただただ静かに集落を見守る巨大なクスノキ。とても徳島らしくて良いのですが、ここまでのクスが天然記念物指定されることなく放置されているのはどうも腑に落ちません。いや、クス自身がそれを望んでいるかは分かりませんけれども。

地元の人が散歩ついでにやって来て、ごくまれに物好きな愛好家連中がやって来る。この静かな集落の守り神にとっては、それくらいが居心地いいのかもしれません。


麓の農道に繋がれていたヤギさん。
クスも素晴らしかったですが長閑な櫛渕集落もいいところでした。
近くを通る際は是非また立ち寄りたい。

2022/12/27訪問
「櫛渕天満神社のクスノキ」
樹齢 不明
樹高 約20m
幹周り 12.6m

徳島県小松島市櫛渕町油免84

コメント:6

23-01-22 (Sun) 10:23

この、巨人の手の甲みたいな(アタカマ砂漠かどっかのモニュメントにも似てる)大胆なフォルムと、ヒューマンスケールで感覚をさらに覆される大きさ。まさにクス巨樹の醍醐味ですね。
面白くもアンバランスなこの樹形でよくつんのめらずに長年生きていられるものです。
と、それだけになおさら、これほどの巨樹とごくフツウな感じで接しているらしい地域の空気感、旅行者の目からすればアンバランスですね。笑
天然記念物の条件、要件、レベル等、誰がどこを見て設定したんだろう? みたいな素朴な疑問は自分も度々感じます。
この樹を見ていると、まだまだ知られていない本当の天然記念物だって無数にあるんだろうな……と思います。

昼光逆光での巨樹撮影はほんとに辛い……。
そこは最高の一枚をモノにするために時間調整だろ! が正論ですが、旅路ではなかなかそうもいかないし。
で、数年経って見返して、無性にやり直したくなってしまうんですよねえ。

to-fu 23-01-22 (Sun) 14:22

> 狛さん
地面から巨人の手のひらが突き出してきたかのような形状をしていますね。
同じ樹種、似たような開けた環境であっても、巨樹は多種多様な成長の仕方を見せてくれて本当に飽きません。
(いや、流石に数日間クスばかり何本も見てたら少しは飽きますけれども 笑)
天然記念物指定の要件って一体何なんでしょうね…巨樹に限らずお前が?本当に?というものも散見しますし、対象そのもの
よりも申請者が地元の有力者であるとか、そういう如何にも日本的なアレも多いのかなあと邪推してしまいます。

仰るとおりで、巨樹撮影は撮影条件の良し悪しが大きく影響しますよね。
天気予報を見て時間を調整して、事前にロケハンしたり…とか考えてると巨樹以前に旅そのものがつまんなくなっちゃいますし、
最悪の条件がむしろいい思い出になったり、なんてこともあるのでなかなか難しいです。
まだまだ長い人生ですから、次こそはこれ以上の写真を!くらいの気持ちがちょうどいいのかもしれませんね。
しかし、あの道に迷って目的のブツを発見したときの感動はどうしても再訪だと薄れてしまうという…ああ、本当に難しい。

123 23-01-23 (Mon) 15:10

窓木の特徴を持つ珍しいクスノキの巨木ですが小松島市はこの他にも巨木がいくらかあるのですが
いずれも天然記念物指定無しで唯一されているのもここから近い櫛渕八幡神社の3.5m程度の台湾フウ
これも巨木だからではなく他国との交流の結果みたいな指定ですし・・・同神社内の9m近いクスノキも当然無指定

あまりこの地方に住む方々は巨木の天然記念物や保存木指定には積極性が無いのかもしれませんねえ

RYO-JI 23-01-23 (Mon) 21:27

この冬は小さな野鳥を撮る機会がめっきり増えているので、しばらく遠ざかっている巨樹写真はとても新鮮です。
野鳥という人気カテゴリーを齧っていると、その愛好家の多さに納得してしまいます。
一方で不人気カテゴリーの巨樹ですが、最初の一歩を踏み出せばみんな愛好家の仲間入りになるカテゴリーだと思うんですけどね。
最初の一歩を踏み出す機会が壊滅的にないのと、わざわざアチコチ出向かないといけないというハードルの高さがネックでしょうか。

そういう点でも最初の一歩はクスを推したいですね!
加茂の大クスなんか最高だと思うのですが、この櫛渕天満神社のクスノキも実際目にしたら誰もが驚く存在でしょう。
樹齢や幹回りなどの細かいことは置いといて、ただその存在に圧倒される、あるいは樹形の美しさに見惚れるクスだと感じました。
我々のようにカメラ機材や撮影経験もそこそこ持っていても、動かない相手なのに「うまく撮れなかった」という悔いが残るような巨樹ですね。
だからこそまた会いに行きたくなる訳ですが、やっぱり巨樹撮影は難しいですねぇ。

to-fu 23-01-24 (Tue) 11:01

> 123さん
小松島市も巨樹巨木の多いエリアですよね。
わざわざ遠方から巨木目当てにやってくる物好きは別として、天然記念物の肩書があれば一般の方も「ちょっと寄ってみようか」と
考える可能性だってあると思いますので、もう少しアピールしても良いのではないかと感じます。
徳島の平野部はあまりにも普通に大きなクスが生えているので、希少なものだと言われてもピンと来ないのかもしれませんね。

櫛渕八幡神社にも立ち寄りましたので、また時間のあるときにまとめたいと思います。

to-fu 23-01-24 (Tue) 11:16

> RYO-JIさん
コロナ禍に入って以降どうせ遠出するならお気に入りの巨樹に会いたいという気持ちが強くなり、あまり新規の巨樹には
足が向かなくなってしまいました。しかしこうして新しい巨樹を眺めてみると、やはり知らない土地を巡るワクワク感は
格別だと感じますね。巨樹撮影はジャンル的に滝撮影なんかに近いのではないかなーと思います。
もっと広まってもいいのでは?と思う反面、立地の特性上駐車スペースなんかも限られているので、今の知る人ぞ知るくらいの
立ち位置でいてほしいというワガママもあったり。集中してるときに誰かやって来ると萎えてしまいますしねえ 笑

野鳥撮影はとても面白いのですが、映えるオオモノ的な鳥を狙うとどうしても他人とバッティングするのが難だなあと感じています。
まあ完全にワガママなんですけど…他人と並んでカワセミを撮るくらいなら誰もいない田んぼ道でモズやキジバトを撮っている
方が楽しいやと。私みたいな人間はこのジャンルで自分の満足の行く写真を撮ることは難しいのかもしれません。
気長に楽しみながら、他人と被らずオオモノを狙えるスポットを探すのが今年の目標になりそうです。

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