- 2023-05-09 (Tue) 16:09
- FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR | FUJIFILM GF 32-64mm F4 R LM WR | ぶらり一人旅
FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 32-64mm F4 R LM WR / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR
志々島に宿泊した者だけが眺めることを許される早朝の大クス。
今回の旅のメインイベントといっても過言ではありません。
前回の志々島旅で「巨木の世界」の小山さんに、絶対泊まった方がいいです。メチャクチャ良かったですよ?と言われたことが頭から離れなくて。
それは行かねばなるまい!と翌月には実行するワタクシ。
いつかやるぞ、などと宣うことは若者だけに許された特権なのです。
そんな言葉を口にする中年は既に老いて灰になっているに等しい。
そこまで言うほど良いものなのか、己の五感の全てで感じてやろうではないか。
ええ。分かってましたとも。良いに決まってるじゃないですか…どんな巨樹だって早朝の姿が一番美しい。
しかしこんなものを味わってしまうと並大抵の巨樹めぐりでは満足できない体になってしまうぞ。
なんと幻想的な。
前日の夕方に大雨が降ったため強烈な霧に包まれており、朝日に照らされた姿を見ることは叶わなかったものの、これはこれでイイ!
寝起きすぐに服だけ着替えてここまでやって来ましたが、自分はまだ夢の中にいるのではないかと錯覚するような美しさでした。
朝靄の中に浮かぶ大クスの姿はまるでこの世に具現化された神様かと見紛うくらい。
ここまで友人とヤバい寝過ごしたわ…などと駄弁りながらやってきたのですが、到着後はお互い無言で写真を撮りまくってしまいましたね。
この至上の空間を誰にも邪魔されることなく占有できる贅沢よ。
それぞれ一とおり写真を撮影した後は、お腹が空いていることも忘れてただただ無心に大クスを眺めていました。
宿に戻る道中の我々の会話。
「今日の予定は?」
「もう終わった。このまま帰っても満足だ。」
「ですよねー。」
一人きりの島時間も味わってほしかったので朝食後はチェックアウトまでの約3時間、お互い自由行動とすることに。
集落をふらふら撮り歩いていたのですが、結局筋肉痛でビキビキ痛む足を引きずってまた来てしまったのでした。
最後にもう一度会っておきたい。(友人も足を引きずって来ていたらしい。ちょうど入れ違いになった模様。)
さらに深まる霧。これがまた美しい。
ここまで来るともう夢の世界を飛び越えて「ここは涅槃か?」と呟いてしまうほどですよ。
この二日間で一体何時間大クスとの時間を過ごせたんだろう。
本当に来てよかった。いや、志々島の大クスに会える人生でよかった。
大袈裟ではなく心の底からそう感じました。
次回は絶対に一人で宿泊しよう、それも近日中に!と心に決めています。
決して友人が邪魔だったという話ではなく、ここで一人きりの時間を過ごしてみたい。
大クスと向き合い、自分と向き合う。そんな時間を過ごしてみたいのです。
友人も絶対に一人でまた来るとのこと。私の志々島大クス布教活動は順調だ。
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コメント:5
- RYO-JI 23-05-09 (Tue) 21:42
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どうも、すっかり灰になった中年です(汗)。
かつて何度も記事にされている志々島の大クスですが、更に前後編と分けて掲載する力の入れようから改めて凄さが伝わってきます。
いえ、そんなことよりもこれらの写真を拝見しているだけで充分過ぎるほどストレートに伝わってきます。
こんな幻想的な光景を見たら憑りつかれてしまいそうです(もちろん良い意味で)。 - れもん 23-05-09 (Tue) 22:09
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霧の中の大クスが満を持しての登場ですね!
日本特有の湿った空気の中に佇む神秘的なその姿。
たっぷり味わわせていただきました。
青空などとは違って、霧というのは狙って行ってもなかなか撮れないもの・・・
そんな霧に包まれたシーンに出会えたというのも、島に泊まったればこそですね。
さあ、次は朝日に照らされた姿ですね。
厳かな、感動的な出会いを私も楽しみにしています。 - to-fu 23-05-10 (Wed) 15:56
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> RYO-JIさん
何を仰いますやら…RYO-JIさんは怒涛の勢いで小豆島を突っ走っていたではありませんか 笑
昔は一度掲載した巨樹は余程変化がないかぎり1枚2枚載せたら十分!と考えていたのですが、最近は
その場で感じた自分の心境を書き残すためにも印象に残った巨樹は何度でもまとめよう!に変わりました。
何度でもまとめたいと思える巨樹自体なかなか出会えませんので、出会いそのものに感謝してます。 - to-fu 23-05-10 (Wed) 16:01
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> れもんさん
そうですね。言われるまで気付きませんでしたが、これって高温多湿な日本ならではの風景ですね。
そしてこんな小さな島国でも、北へ南へ少し出かけるだけで本当に多種多様な気候に分かれていて。
遠出する度に日本って面白い国だなーと実感します。日本に生まれてよかった。
やはり朝日に照らされた姿は見ておきたいですねえ…
また会いに来い!とクスが呼んでいるのかもしれません。(都合のいい解釈) - 狛 23-05-11 (Thu) 20:47
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島の滞在時間をあえて別々に過ごす。それだけ特別な場所、大切な時間なのだと伝わってきます。
「現実にそこへ行ってみる」、それ自体は「ただそれだけ」のことだったりするのに、多くの人がGooglemapとかSNS見ただけで何事か済ませてしまう。
ヘタすれば「ネットで見ただけ」のことをさも自分のもののように拡散させる。
まあ、自分も書き散らしていますが、「ただそこへ身を置く」体験をシンプルにし、「ただシャッターを切る」をした上で、よーく自分の脳で考えているつもりです。これでも。
凄かった・感動したという度合がデカすぎると、表現しきれない。でも諦めたくない。
で、写真をいじったりテキスト書きまくったりを疲れ果てるまでやってみる。笑
「遠いその場に何度も行く」「たったひとりで長い時間向き合ってみる」というのは、まさにそういう探索の先にあるステージですね。
そんな場所を見つけるなんて、人生に何度もあることではないですよね、きっと。
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