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2023-05

旅の断片


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 110mm F2 R LM WR

もうヤギは増やさない。
つい先月そう聞いたばかりなのに、小屋を覗くと3頭の子ヤギが誕生しているではありませんか。
なんと半年前に最後の雄ヤギを手放した際には既に2頭の雌ヤギが身籠っていた模様。
お腹の大きくなった雌ヤギを見てもまさか妊娠しているとは思わず、最近太ったな程度に考えていたので大変驚かれたそうです。

3日前に産まれた2頭の子ヤギはベテラン母ヤギの下で元気に育っていましたが、問題はこちらの1日前に産まれたばかりの子ヤギ。
母ヤギが若すぎるからなのか育児放棄気味で、乳も飲ませてもらえずとにかく元気がない。
母ヤギは人間の年齢に換算するとまだ中学生くらいなのだとか。


子ヤギを産み落とした瞬間も「うわ、何か落ちてきた!」くらいの感覚で、どうやらそもそも自分の子だという実感がない様子。
それでも自分にまとわりつく子ヤギに対して何か特別な存在だという意識が芽生えてきたのか、一応気にかけているのが見て取れました。


今後の予定など何もないワタクシはそのままじっくりヤギさん鑑賞を続ける。
なんと乳をもらうことに成功した瞬間を目撃してしまいました。いやー感動しましたね。

時間の流れを忘れて、ただヤギをぼけーっと眺める。贅沢な旅時間ってこういうものだよなあ。
忙しなく点と点を移動する旅から、一点を中心にした円の中に留まるスローな旅へ。
きっと今の年齢になったからこそ楽しめる旅。歳を重ねるってのも悪くないと思う。

旅の断片 志々島の大クス 3


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR

レンズをとっかえひっかえしながら大クスの周りを「おお、ここから見たら格好いい!いやここからも!」なんてぐるぐる歩き回るのが最高に楽しい。
いつか単焦点レンズだけ大量に抱えて行ってテーブルにそれらをずらーっと並べて、それこそとっかえひっかえしながら徹底的に撮影するのが私の夢。
いえ、満足する前に感性が死んでしまいそうですが。


どこから眺めてもダイナミック…適当にシャッターを押すだけで格好よく写ってしまう。
それでも出来るだけ心を込めて丁寧にシャッターを押すよう心掛ける。
これは志々島の大クスに限った話ではないけれど、巨樹と向き合い撮影しているとポートレートを撮らせてもらっているような気持ちになる。
私は常にこの「撮らせていただいている」姿勢を大切にしたいし、意識しなくても自然とそんな気分になってしまうのだから巨樹はスゴイ。


GF110mmと同じくこの春から導入したこのGF20-35mm。
最新レンズということもあるのか、性能や解像力は明確に他のGFレンズ群と一線を画すように感じます。

(GFレンズにしては)コンパクトで(GFレンズにしては)優秀なAF、そして他のGFズームレンズの描写から一枚薄皮でも剥いたかのような透明感とキレのある解像力。GF32-64mmも素晴らしい解像力を誇りますが、20-35mmの描写はちょっと役者が違うなという感じ。性格の捻じ曲がったワタクシはズーム全域で単焦点レンズのような描写!なんて評されるこれを鼻で笑ってやろうと思っていましたが、たしかに20-35mmがあればGFマウントの広角レンズは他に一切必要ないかも。20-35mm以上に広角単焦点が求められる場面って、少しでも明るさを稼ぎたい星景撮影くらいしか思い浮かびません。

くそ高い値段ともう少しだけテレ側に余裕を…という点くらいしか欠点の見当たらない名玉だと思います。
間違いなく現時点における最高の超広角ズームレンズの一角。

中華ポケット三脚 Ulanzi M12を購入


RICOH GR IIIx

最近思うところがあって巨樹や風景を撮影する際、できるだけ自分が写り込んだ写真も残しておきたいと考えるようになりました。
サイズ比較用に置かれるタバコの箱的なヒューマンスケールとしての自分の写真ではなく、あくまでも記念撮影としての自分の写真を。
写真をWebに公開するかどうかは別として、その瞬間その場所に居たのは自分なのだと。そしてその時の感動や表情も残しておきたい。
そんな気持ちが強くなってきたわけです。

まあ巨樹撮影にはまともなカーボン三脚と本格カメラがあるので基本不要ですが、足場の悪い場所でもコンデジ+ポケット三脚なら気軽に持ち込めるなと。
そこで購入したのがAmazonのタイムセールで1,300円だったこのUlanzi M12。
旅先でGRをセットして記念写真を撮影しよう程度の思惑でしたが、LEICA M10までならギリギリ行けそうなのは嬉しい誤算でした。


以前所有していたManfrottoのポケット三脚(このジャンルの走りみたいなやつ。既に紛失。)と違い、気持ち程度の高さ調整ができるのは魅力的。
ただしポール部分にはロック機構が存在しないため、M10+Summilux 50mm級の重さを支えるとやや安定感に欠けるように感じます。
個人的には実用レベルなのはLEICA QやFUJIFILM X100Vみたいな大型コンデジ?くらいまでかと。
大型のコンパクトカメラとか自分でももう何を言ってるのか訳が分かりませんが、まあその辺が限界です。


本体135g。むっちゃ軽いです。一眼機用の交換バッテリー1~2本分くらい。
Manfrottoのアレは190gだったようですが、手に持ったときの感覚が明確に違います。本当に軽い。
旅のお供にGRとこのポケット三脚のセットはかなり活躍してくれそう。買ってよかった。

安すぎるけど耐久性とかどうなの、ですって?
シンプルな構造なので不具合の心配をしたくなる前に、恐らくどこかに紛失するのではないでしょうか。
カメラをセットしたまま旅先にカメラごと忘れてくることだけは十分にご注意を。

旅の断片 志々島の大クス 2


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 110mm F2 R LM WR

間違いなく2023年の買ってよかったものベスト5に入るであろうこのGF 110mm。
描写が優れているとかそんなことより、とにかく撮影していて楽しいのがいい。
まあ、描写が優れているから撮影していて楽しいのかもしれませんが。

最近の巨樹撮影は20-35mm、32-64mm、110mmの3本を携行するのが基本スタイルになっている。
おおまかな撮影は32-64mmだけで十分なのだけど、どうしてもそれだけでは拾いきれないディテールを残りの2本で補完する感じ。
くそ重い上に焦点距離は中途半端、あまつさえ薄暗い場所のAFは旧世代レフ機並みという三重苦ですが、フルサイズ画質には戻れそうもありません。


最近は1本の巨樹と向き合う時間が増えました。巨樹をめぐるとしても日に3本くらいでいい。
単純に昔より三脚を使ってじっくり構えることが増えたのもあるけれど、カメラを置いてただ巨樹の周りをぶらぶら歩きながら眺める時間が増えたなと。
これは別に成長でも何でもなく一つの心境の変化だと思うわけですが、この先自分が巨樹と、そして写真とどのように向き合うことになるのか。
そんな来たるべき変化が楽しみで仕方ないのです。

旅の断片 志々島の大クス 1


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 32-64mm F4 R LM WR

早朝まで雨が降り続いていたが宮ノ下港で乗船時間を迎える頃にはすっかり青空が広がっていた。
なんと幸先の良いスタート。これも日頃の善行の賜物に違いない。
志々島上陸後まずは荷物や食料を拠点となるきんせんかに置き、早速大クスへと向かう。

既に幾度となく記事にまとめてきた巨樹なので、今回は旅先の一風景として断片的に掲載していこうと思います。


やはり雨上がりのしっとりした巨樹も美しい。
そよ風が吹く度にふわっと香るクスの花の香りが心地よく、到着後しばらくはテーブルの上にカメラを置いて香りを楽しんでいました。


珍しくGRで大クスと向き合う図。
結局サブ機としてX-H2 + SIGMA 18-50mm F2.8のセットとGR IIIxを持ってきました。
X-H2があるとX-H2ばかり使ってしまうのでGRの出番はごく僅かでしたが、正直持って来たのがGRだけだったらそれはそれで不満はなかったかもと思わなくもない。どうせほぼ全ての写真をメイン機のGFXで撮ってしまうわけで。しかしその覚悟を踏みとどまるだけの退屈さがGRにはあるんだなあ。

何にしても旅先にどの機材を持って行こうか、と思い悩むことも旅の醍醐味の一つ。
そう考えるとこれが旅用セットだ!と決まらないくらいの方が写真人生面白いのかもしれない。
どんなときだって選択肢は多いに越したことはないのだから。

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