一眼レフの終焉

PENTAX K-1 / PENTAX smc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited

さて。先日に引き続きウォッチリストに入れたきりだった『一眼レフに未来はあるか?』赤城耕一 × 佐々木秀人 — [CP+2021 リコーイメージング オンラインセミナー]を視聴。一眼レフに未来はあるか?なんて、なにやら煽情的なタイトルが付けられていますが一眼レフの未来、可能性についてはろくに語られず「一眼レフすごいミラーレスだめ論」に終始していて、率直に申し上げて期待はずれもいいところでした。まあそもそもが主催のリコー(PENTAX)側から一眼レフについてネガティブな発言をしないようにと釘を差された上でのトークイベントだとは思われますが、それにしても話の程度が低すぎやしないかと。一眼レフ、ミラーレス、そしてレンジファインダーのどれもを楽しく使い回すワタクシからすると「今の音楽はクソだ、昔の音楽こそ至高!」みたいな凝り固まった思考のノスタル爺としか受け取ることができず、いやいやキミらの感性が加齢で鈍化してるだけやで…と辟易してしまいました。

これを言ってしまうと身も蓋もありませんが、現状既に成熟段階に近いところにある一眼レフと未だ発展途上のミラーレス。それらを今現在の完成度で論じることに意味なんてありますか?ミラーレスはつまらない。これもまあよく聞くアレですが、カメラに限らずどんな世界でもこの手の「実際に身銭を切って使ったわけでもないのに、文句だけは一人前な手合い」がウダウダ横から腐す構図が技術の進歩を遅らせるのですよ。んなこと分かって使ってるんだよアホなの?、と。そこからどう進化するのか。それを見たいから手にしているわけです。私が一眼レフからミラーレスに移行したきっかけは完成度の高さではなく、その「将来性への期待、未だ見ぬ技術へのワクワク感」だったもので、全くもってナンセンスでした。食べ慣れた味、聞き慣れた音楽。それらが心地いいのは分かってる。でも時には新ジャンルに挑戦してみたくなるではありませんか。レガシー爺には理解不能な感情なのかもしれません。

そもそも「一眼レフもいいよね派」に属する私が聞いていても不快でしかなかったのですが、あれを聞いて「よし俺も一眼レフも触ってみよう!」と一念発起してくれるミラーレス派、あるいはスマホ派の若い世代が存在すると思っているのでしょうか。自分が良いと思って使っているモノを根拠もなしに貶められるなんて嫌悪感しか残りませんよ。一眼レフに対するネガティブキャンペーンでもしたかったんですかね。

SONY α7III / TAMRON 70-180mm F2.8 Di III VXD

世の中に絶対なんてものは存在しないというのは使い古された表現ですが、そんな世の中にも絶対と言いきれることが一つあります。
「他のなにかを貶めることで相対的に良く見せようとするプロモーションは、総じてクソだ!」ということです。
私はこのトークイベントを見終えた後に一眼レフの終焉しか感じられなかったのですがどうなんでしょうね。

私の主観を述べるなら、たぶん一眼レフに明るい未来なんて来やしませんよ。
でも楽しいんです。一眼レフも。やっぱり大勢の人が長年使い続けるモノには何らかの大きな魅力があります。
ヘタクソなプロモーションなんかせずに放っておいても写真文化の一つとして勝手に生き残るのではないかなあ。
本当に良いモノなら感度の高い新しい世代も飛びつくだろうし、そうならなかったとしたら所詮それまでのモノだったと。結局それだけの話です。

4件のコメント

  1. 手厳しいですねぇ(笑)。
    いえ、私もまったく同感です。
    一眼レフユーザーとして非常に気になるタイトルの対談だったので、真っ先に見たのでした。
    しかしまぁ大袈裟なタイトルを付けて客寄せをしたクソ映画を見せられた気分で、途中で見るのを止めてしまいましたよ。
    それなりの立場?なのでしょうから、カメラ業界全体が活気づくような内容にして欲しかったですね。

  2. > RYO-JIさん
    ボロクソ書いちゃいましたけど私、普段の赤城耕一氏のコラムは結構好きなんですよ。褒める点も貶す点も的を射ていて。
    しかしまあこの手の対談は特定の企業が音頭を取っちゃうとダメですね。ユーザーの私ですらPENTAXが嫌いになりそうでしたもん 笑
    カメラ業界全体が右肩下がりの時代に、いつまでレフ機vsミラーレス機みたいなせこい争いを煽るつもりなんだろうとウンザリします。
    どうすればもっと業界が活性化するか?みたいな議論が聞きたかったので本当に残念でした。

  3. 銀塩の終わりにもアサヒカメラが赤城氏呼んで「僕らに未来はあるのか?」ってやってましたよね。
    F6とか持ってきて。これをやるってことはたぶん終わるんだわな。笑
    フィルム/デジタル論争、レンジファインダー/一眼レフ論争を思い出すし、もっと語るべきことってないの? と。
    老舗PENTAXしかり、赤城氏らカメラ評論家しかり、前時代的、老害的とくくってしまえそうですが……まてよ、逆を言えば新宿JUNK BOX的な、かび臭いカメラ屋臭を思い出すことができて、浸れる特集……いや、ダメですね。笑

    世間のライトユーザーはもはや「一眼レフ」って言葉の意味も理解してないはずで、「ミラーレス」が当たり前だから、何のためのミラーかその辺を強調したかったのかも。
    「物理キーボード」とか「汁なし担々麵」とか「昔は我々にも尻尾があったんだよ」みたいな。
    僕も「一眼レフだから使っている」という感覚はかなり薄くて、自分に向いてるカメラがその時K-1だっただけのように思います。
    それを何年も使い続けられるのは良いことなんですが、一方で、それに固執しすぎるのは自分の進歩を止めることにつながるはず。まあ、お金、ないんですけど……笑

    PENTAXが地味なブランドで、伝統を守って頑固にやりたいのは良いと思うんですが、だったらなおさら小さな比較なんかより、もっと本質的で創造的な思考がないとダメですね。
    魅力、たったそれだけ? と思ってしまいます。
    もっと言うと、もはやカメラ全体の魅力も、たったそれだけ? と思われているかも。

  4. > 狛さん
    なんかもうカメラ業界自身が自分たちの世界をぶっ壊そうとしてるんじゃないかと疑いたくなるレベルですよ。
    え?なんなの?あんたら終わってほしいの?と。我々からすると危機感煽ってどうしたいんだろうって本当にわけ分かりません。

    以前狛さんと銚子をぶらぶら撮り歩きながら話したのを覚えてるんですけど、銀塩からデジタルに移行した時もつまんないとか言って
    結構な人がこの趣味から去っていったじゃないですか。結局のところそれで去っていく人にとって写真なんてそんな程度の
    ものだったというだけの話で、それをどうこう言っても仕方ないと思うんですよね。自分はただ生活から写真がなくなると
    非常に退屈なので、それならフィルムが無ければデジタルで撮るし、レフ機が終わるならミラーレスなりコンデジで撮ればいいかなと。
    まあ本当につまんないなってところまで行ってしまったら、カメラ業界がなんと言おうが勝手にやめてしまうと思いますしね。

    PENTAXがレフ機にこだわるという判断自体は悪くない、むしろ「よく言った!」とまで思うんですけど、他人にミラーレスやらんの?って
    指摘されたら社長があからさまにムッとなったり 笑、もしただ意固地になってるだけなんだとしたら非常に残念です。

にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。