香川県東かがわ市 白鳥神社のクスノキ

FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR

2023年10月に訪問したクスノキの巨樹をご紹介。
何度も近くを通過していながら、このルートを抜ける時点で既にクスノキ巨樹で満腹になっていることが多く…
ええ、決してこのクスノキが悪いわけではなく、私の個人的事情で後回しになっていた巨樹です。

三豊市の志々島から海沿いを走ってのんびり鳴門市のホテルに向かう途中、眺めるならこの機会しかあるまい!と立ち寄ることにしたのでした。

とは言うものの、そもそもこの白鳥神社自体が香川県東部では有名な神社ですから、巨樹抜きにしても十分立ち寄るだけの価値がある。
ちなみに白鳥神社は「しらとり」ではなく「しろとり」と読みます。近くにはホワイトタイガーで有名なしろとり動物園もありますね。

白鳥神社はかの日本武尊の霊が白鳥となって舞い降りた場所に神陵をつくったのが始まりだと言われる由緒ある神社。
開運厄除けにご利益があるとされ、年中本厄のような人生を送る私にとってまさに最高の神社と言えましょう。
もちろん巨樹を眺める前に参拝させていただきましたとも。

こちらでは日本一低い山、御山(標高3.6m)に登ることもできます。大阪の天保山(標高4.53m)がまるで日本アルプスのようだぜ。
社務所ではしっかり登山証も発行してもらえますから、話のネタにはピッタリかと思われます。

さて肝心のクスノキの巨樹ですが、白鳥神社の境内ではなく神社を正面に見て右手の広場にそびえていました。

これは…デカい!スラッとして非常に美しいクスノキです。
幹周7.6mということで、正直申し上げると10mクラスがわらわら生えている徳島平野部エリアから近いこともありイマイチ食指が伸びなかった私。
しかしこれはイイ。ボリューミィな根回りの迫力もあって実際目の前に立つとかなりのインパクトがありました。

それにしても、これほどの巨樹が天然記念物無指定とは恐るべし。
天然記念物には指定されていないものの、境内のクスノキ巨木群が環境省の「かおり風景百選」に選定されています。
かおり風景?と思われるかもしれませんが、クスノキの樟脳の香りがふわっと香る心地よさをもって選定されたのだとか。

たしかにこの場に立つと例の何とも言えない香りがふわっと鼻の奥に抜けていって気持ちがいい。
なんかもう私は樟脳中毒なのでは?と思わなくもないのですが、最近は定期的にあの香りを嗅がないと禁断症状が出るようになってきました 笑
新緑の時期に訪れたら最高にトリップできる…いえ、心地いいのだろうと思います。

今回私としては珍しい夕暮れ近くの時間帯の訪問。
写真撮影的にはちょっと難のある時間帯ではあるけれど、西日が差し込む大クスは実に神々しい表情を見せてくれました。
健康そのもので今後もまだまだ成長が期待できるクスノキだと思います。

これだけデカいと流石に他の参拝客も目を留めて、おお…これはすごいねえ、なんてスマホでパシャパシャ撮影されていました。
クスノキの巨樹はいかにもご利益がありそうでキャラ的に御神木というポジションがよく似合いますね。
これがマイナー樹種だと私が撮影していても「こいつは一体何を撮ってるんだ?」と訝しんでスルーされますから。拝んであげてよ 笑

すみません。ちょうどいい位置関係だったのでヒューマンスケール的な写真に使わせていただきました。

すぐ裏手が海ということもあって、潮風と樟脳の混じり合ったほのかな香りが本当に気持ちいい。
地獄の酷暑だった昨年は10月の終わりだというのにやたらと暑く、蚊の猛攻が厳しすぎたのが残念です。
それでも結局1時間以上はこのクスノキの麓に立って過ごしてしまいましたが。

由緒ある神社、そして日本一低い山、クスノキの巨樹、さらに初代宮司の邸宅として建てられた家屋がそのままの形で残る熊野邸。
ここだけでも見どころたくさんな上に、目の前の街道沿いにはノスタルジックな町並みが広がり裏手は瀬戸内海!立ち寄らない理由がありましょうか。

私もまた立ち寄って、今度はもっとのんびりカメラ片手にぶらぶら撮り歩きしてみたいと思っているエリアです。
もちろんクスノキも素晴らしいものでしたが讃岐白鳥の町並みそのものがおすすめ度高し、です。

2023/10/26訪問
「白鳥神社のクスノキ」
環境省・かおり風景百選に選定
樹齢 推定800年
樹高 30m
幹周り 7.6m

香川県東かがわ市松原69

6件のコメント

  1. このサイズのクスが後回しになってしまう四国はほんと恐ろしいです(笑)。
    誰が見てもデカくて目を引くでしょう。
    そりゃあ一般参拝者もスマホで撮りますよね。
    神社に御神木のクスはテッパンではありますが、そう思うだけあってやっぱりしっくりきますね。
    ただでさえ見ていて前向きになれるクスが神社にあると更に有難味が増しますもの。
    最後の写真に写ってて気になってググったら、〝香川の保存木〟って100本以上あるんですねぇ。
    枯死や倒木などによって指定解除されたのは50本以上あるのにも驚きましたが。

  2. > RYO-JIさん
    四国、九州のクスノキ巨樹5番手6番手は普通に生活していたら回る機会がありませんよね…
    このクスにしてももし京都や奈良に生えていたら、観光客を集める貴重なパワースポット的存在になっていると思います。

    クスにスギ。お寺だとイチョウもでしょうかね。シンボルツリーとしてはこれ以上ない存在だと思います。
    ムクやカヤなんかがシンボルツリーの寺社では本当に何度「この人何撮ってるの?変な人!」という目で見られたことか 笑
    京都市内にもこれくらい立派な御神木があれば、私の散歩もはかどるんですけどねえ。

    県の保存木みたいなものは私も訪問する度に調べるんですけど、悲惨なことになっているものが多いですね。
    新日本名木や森の巨人たちにも言えることですが、指定して放置ではなく定期的に内容を見直していただきたいものです。
    興味を持ってくれた方が行ってみたら何もなかった…ではあまりに酷すぎますから。

  3. 全ての写真が明るく良い雰囲気で、陽気があふれていますね。いいなあ。
    to-fuさんはクス巨樹ソムリエになりつつありますね。笑 もう少しレベルが上がってくると、匂いや音だけでどのクスだか判別できるようになってしまうかも。
    ヤマトタケルが死んで大きな白鳥と化す。古事記でも指折りのエモ場面ですね。妃とかが泣きながら追うんですけど、切ったばっかりの笹の茂みを踏んだり、その足で塩水に浸かる、磯を歩くなど、ハードな描写も印象に残ってます。

    それはいいとして(いいのか)、こちらにはもちろんクス巨樹は一本もないので、県一とか全国一でなくていいから、そろそろこういう良いクスを拝みたいもんだよなあ、と。
    日本の植生の差も面白いもんで、関東でも茨城くらいまで来るとクスはないし、西と言っても日本海側ではスギばかりですしね。
    かといって四国ではこのクスでも無指定か。いつかきっと、再びそういう土地に旅行するつもりです。笑

  4. > 狛さん
    ちょうど今まさに大雨で空がどんよりしている真っ最中で、たまには大雨の中の撮影も悪くないよな…と考えていた自分は
    間違いだったと感じていたところです。お日様浴びながら巨樹を眺めて撮影するのが一番イイに決まってますね 笑
    四国九州は歴史的に見ても結構おいしいエリアなんですよね。いかんせん歴史が古すぎて文献のない神話の時代がメインに
    なってくるので、眉唾モノのネタが多すぎて観光資源としては微妙なのかもしれませんが。まあロマンには困りません。

    ついついメルカトル図法に惑わされますけど実際日本って普通に広大な国ですよね。
    鹿児島と青森の植生の分布だけ見たらとても同じ国とは思えませんよ 笑
    私としても逆に昨年夏に見た東北のブナなどが忘れられず…まったく、隣の芝生は青く見えますねえ。

  5. お疲れ様です
    白鳥神社のクスノキ良いですよね
    自分が計測した時は8m超えていましたし県を代表するクスノキと言っても良いと思います
    香川県は他の四国県に比べて雨量が少ないのが影響してるのか巨木が少ないので
    何かしらの指定を受けていても何ら不思議では無いんですけどねえ

    知名度の問題なのか管理者が好きに処置にくくなるから拒否をしてるなんて事もあるかも

  6. > 123さん
    こんにちは。恐らく123さんの生活エリアからそう遠くないのでは?と想像しており、
    きっとこのクスも見たことがあるのだろうな、と勝手に感じていました。
    8mを超えていましたか!あの数値は随分古いものでしょうから納得です。

    なるほど、雨量の影響は大いにありそうですね。
    白鳥神社の歴史とクスの迫力を考えると県天だと言われても全く驚かない存在感だと思うのですが…
    最近は気候の変動などすさまじいものがありますので、何とか積極的に保護していただきたいものです。

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