京都府亀岡市 御霊神社のムクノキ

FUJIFILM X-Pro2 / XC 16-50mm F3.5-5.6 OIS / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak

先日大阪府能勢町にある野間の大けやきを訪れた際の帰り道、少し脇道に入れば寄れそうだったので急遽寄り道することにした御霊(ごりょう)神社、御神木ののムクノキです。大けやきでアホみたいにパシャパシャ写真を撮ったのでX-T20のSDカードがパンパンになってしまい、ズームレンズをX-Pro2に換装。これなんかも全部JPG撮って出しなんですが、巨樹に関しては一応RAWデータも残すようにしてまして、流石にRAW+JPGで撮影していると数十ギガバイトなんて一瞬で食い尽くされてしまうわけです…データの管理が大変だぞ、これ。

さてこの御神木。案内板があるにはあるものの、残念ながら完全に擦れてしまって解読不可能な状態になっています。案内板の木材自体は比較的新しいようにも見えるのですが。あぁ、案内板が綺麗に残っている場所は巨樹そのものだけでなく、実は案内板や注連縄に対しても日頃の手入れを欠かしていないんだろうなあと関心するのでありました。

なになに…少しだけ解読できそうですぞ。
このムクノキの実、ムクの実はかつて童(こども)のおやつとして愛されていたと。鳥だって食べに来るんだぜ、ということです。ムクドリが食べに来るというのは有名ですね。

立派なムクノキではあるのですが、もう可哀相なくらいに内部が腐って空洞化しており、主幹も高さ数メートルのところから欠損しているのが伺えます。

根元から高さ数メートルまでは円形ではなく不思議な形をしているのです。
案内板の面、朽ちた面、そしてこの比較的健康そうに見える面の三面を貼り合わせた三角錐のような形状をしています。

根っこの形状が良い。なかなか見応えがあります。

10mくらいのところで完全に折れてしまっているのかな?と思い込んでいましたが、遠くから眺めると意外にも結構な高さがありました。後から知ったところによると京都府下で最大級のムクノキだということです。

裏は遺跡の発掘現場…というよりも住宅地として整備しようと思ったら遺跡掘り当てちゃったよ、マイッタナーのパターンかと思われます。雄のキジが顔を覗かせていました。キジって美味いらしいですねえ。鹿や猪は毎年堪能してるけどキジは未経験。キジ鍋食べてみたいなあ。

本当に痛々しい。でも一番心を捉えるのはやっぱりこの空洞なんだなあ。
ヤドリギの根が張っていたり落雷の被害と思われる焦げ痕が見つかったりと、この傷跡をじっと見つめていると数百年生きるということの重みや痛みがズシッとのしかかってくるのです。

とてもじゃないけど健康状態良好とは言い難く、さらに個人的な感想としてはこのムクノキを将来にわたって大切に守り続けていこう…という意志をあまり感じることが出来ませんでした。様々な薬剤を注入して空洞はコーキング剤で埋め、折れた箇所は綺麗に切断してあげて金属で覆う。そんな半分サイボーグのような状態にしてまで木を生かすことが正しいことなのか僕には判断がつきません。木はただあるがままに、自然の摂理に従って朽ちていくことを望んでいるのかもしれません。しかしこうして千年近く(一説には千年を超えているとも)生きて、集落を見守ってきた立派な御神木です。ちょっとくらい手入れをしてあげてもバチは当たらないんじゃないのかな、と個人的には感じますがどうなんでしょう。でもなあ…自分が体中管だらけ、意識不明の植物人間になってまで生にしがみつきたいかと問われれば、ごめんなさいと答えてしまう。処置を施さないという愛の形もあるわけで、難しい問題ですね。何にしても長生きしていただきたいですね。ホント。

御霊神社のムクノキ
「亀岡の名木」指定
樹齢 推定800年以上
樹高 約22m
幹周り 約8.5m

4件のコメント

  1. キジ鍋、いいですねぇ。
    キジはまだ食したことがないので興味津々です(笑)。
    それはまぁともかく、痛み具合が残念ではありますが立派なムクノキですね。
    そして看板など荒れた状態が悲しくすらあります。
    少なくとも6年前までは看板もちゃんと立っているし、文字も読めるのに(他の方の写真を参考)、
    なんでこうなっちゃったかなぁ。
    私も自分自身に当てはめると、サイボーグ状態で生きながらえるのは勘弁願いたいですね。
    もちろん巨樹自体も自然のまま、ありのままが一番いいんでしょう。
    それでもその姿を一目見たいがために、人工的な処置をしてでも生き延びてほしいと思ってしまう
    自分がいるのも事実です。
    このムクノキの生命力に期待せずにはいられません。

  2. 雉はうちの方にも多くて、昔一度食べた記憶があるんですが……どんなだったか忘れました。
    改めて味わってみたいですね。
    雉、飛ばないで走るんですよね。車に突撃してきたことがあります。
    幹の不朽の割に樹高がある。となると、配慮されていずれ伐られてしまうかもしれませんね。
    しかし、無事なムクの巨樹を見たことがない。どこにいるんだろう。
    やはり生きているんだな……と感じる一端ですが、樹も突然枯れたり倒壊したりしますよね。
    生命力の限界というものなのか、あるいはなにがしかの諦観があるようにすら思えます。
    人工的に手当して大切にするのは、やはり人がその樹を必要としている場合なんでしょうね。

  3. > RYO-JIさん
    食マニア(勝手なイメージです 笑)のRYO-JIさんですら食べたことがないとなると
    関西圏では食べられるところが少ないのかもしれませんね…

    その方のサイトは私も拝見しました。
    幹の傷み具合も明らかに進行していますし、たった数年前のログだとは思えませんよね。
    完全にこちらのエゴなのかもしれませんが、延命処置を施して長生きさせてあげてもらいたいものです。
    何百年も生きてきた木が人間のせいで環境が変化して急激に弱ってしまう。これはやっぱり残念に思います。

  4. > 狛さん
    おぉ、キジを食べたことがありましたか!凄い!
    機会があればRYO-JIさんと三人でキジ鍋ツアーでも組みたいですねえ 笑
    しかし何で野生動物って車にタックルしたがるんでしょうね…僕
    僕は二度被害に遭っているので、二度あることが三度あったらイヤだなあと警戒しています。

    そうですね。横の遺跡の発掘が終わって住宅が建つと、倒木の可能性があるということで伐採されてしまうかもしれません。
    本当に健康なムクの巨樹って見つからないですよねえ。ムクは総じて巨体ですし、空洞化した幹であの重量を支えるのはなかなかに大変なことだろうと思います。僕たちの爺ちゃんの爺ちゃんの、そのまた爺ちゃんの…な時代から長年生き続けている巨樹が自分の生きる時代に突然息絶えていく様は本当に嘆かわしいですよね。上手く共存していきたいものです。

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