Home > 巨木たち(地域別) > 兵庫県

兵庫県 Archive

兵庫県篠山市 辻の四本杉


FUJIFILM X-T20 / XF 10-24mm F4 R OIS / Film Simulation PROVIA

京都府側から訪れると篠山市の玄関口とも言える「安田の大杉」を通り過ぎて小野新の交差点を左折してすぐ、辻の集落で待ち受けるのがこの「辻の四本杉」。


詳細な所在地がかなり分かりにくいのですが、集落最奥にある稲荷神社の境内にひっそりと立っています。集落奥地の農道入口にこの案内板が立っているので見逃さないよう注意して下さい。つまりこの案内板が立っていない農道はハズレということです。(ある程度大きな車の場合、農道を塞ぐ形でしか駐車できないかもしれません。トラブル回避のため国道沿いに駐車して歩いた方が無難かも…)


篠山市指定天然記念物。


一部空洞化して洞のようになっていますが樹勢も強く、先達の方々が公開されていた写真からイメージする事前の期待値を超える迫力でした。ただこれは、どうなんだろう。「それぞれの枝回りが4m」とありますが、4本のスギの合体樹であるような気がしてなりません。まあ実際対面した感想として立派な4本の幹が天を衝かんとする様には文句の付けようもなく、まあ細かいことはいいじゃないかと納得してしまうわけですが。


うん。本当に清々しい立ち姿。晴天の日中でありながら夕方のように薄暗い境内です。そこでこの巨樹に光が差す光景には、何やら神聖な空気を感じました。


4本の幹は太さも高さも大差なく、仲睦まじく見えながらも互いを刺激し高め合っているという最良の人間関係の見本のように見えるのでした。いや本当にそう在りたいものです。


集落の奥に位置するだけあって本当に静かな神社でした。
手水として利用されている小さな沢から聞こえる水の音も心地良い。
ここはまた寄るだろうなあ。


さて、今更ではありますが立ち入るにあたって最大の難関がコレ。
入口のゲートに電撃トラップが仕掛けられています。何とゲートを開けると太ももの高さくらいまでに3本の高電圧ワイヤーが。攻略方法は…各自の判断でお願い致します。知恵と勇気を振り絞って乗り越えて下さい…ということで。

辻の四本杉
篠山市指定天然記念物
樹齢 推定700~800年
樹高 各約30m
幹回り 約9m

兵庫県篠山市 藤坂の大カツラ 訪問3回目


FUJIFILM X-T20 / XF 10-24mm F4 R OIS / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak
FUJIFILM X-Pro2 / XF 23mm F2 R WR / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak


天気は雨。これはもう行くしかないなとウッキウキで身支度して篠山へ。
藤坂の大カツラに会うのはこの短期間で3度目なので文章は少なめで行きます。


 


ダメだ…何度来ても飽きない。
京都市内からだと結構な距離なんですが、何かもう遠く感じなくなってきました 笑


到着時はしとしと降っていた雨も30分後には本降りに。
X-T20とXF 10-24mmはどちらも防滴仕様ではないのでバッグに放り込んで防滴タッグとチェンジ。


雨降りの森林は陰影が際立って実にフォトジェニック。


しかし最近のズームレンズって凄いですね。
重さとサイズさえ無視してしまえばもう単焦点なんて要らないくらい良く写る。しかもこれ、結構軽いんだよなあ。普段使いなら単焦点が楽しいけれど、撮影を楽しむよりむしろ対話に重きを置きたい巨樹に限ればズームだけ持ってくれば事足りるのかもしれない。


びしょ濡れになりながらも結局1時間以上滞在してしまいました。
森の中で聞く雨音ってどうしてこんなに気持ちいいんだろう。
そしてこのカツラ…本当に好きだわあ。


拭いても拭いてもきりがないくらいに雨足が強まってきたので帰ることに。


さよならの1枚。
近いうちにまた来ます。

兵庫県篠山市 藤坂の大カツラ 再訪


FUJIFILM X-T20 / XC 16-50mm F3.5-5.6 OIS / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak

友人とちょっと山歩きでもしようか…という話になり、そういえば昨日鞍馬に行った際もうカツラの木に新芽が出ていたなあと思い出しまして、様子見がてら藤坂の大カツラに会いに行きたいと提案。ちなみにこれが前回の藤坂の大カツラ探訪です。雨上がりの前回とは違い今回は雲一つない晴天。霧がかった神々しい姿に感動したけれど、さてさてあの神秘的なヴェールを剥がれたカツラはどんなものなのか。


再会直後のファーストショット。
いや、やっぱり凄いわ。言葉が出ない。
まごう事なきカツラの神様ですわ。


まだまだ新芽が芽吹き始めたところ…といった感じですが、それでも前回とは違う生命観溢れる姿にやはり感動してしまうのです。


朽ちて命尽きる支幹を横目に「自分こそが次の幹だ」とでも言わんばかりにニョキニョキ成長するひこばえ。1個の巨大生命体の中にも生存競争があるのかもしれません。


人間ってちっぽけですよねえ。でもちっぽけだからこそ、このような巨樹の偉大さに感動できたりもするわけで。しかしソロプレイと違ってヒューマンスケール撮影が楽ですねー。基本集団行動があまり好きでないのでどうしても単独で動くことが多いto-fuさんですが、三脚立ててタイマーセットして走って…なんていう恥ずかしい姿を晒さずに済むなんて!と感謝の気持ちで一杯なのであります。ヒューマンスケール用に等身大のアイドルのポスターでも持ち歩こうかしら 笑


カツラは水辺でよく育つそうですが、この大カツラも横を流れる小さな沢の付近に根が集中していました。よくよく考えると凄い嗅覚だよなあ。


聞こえるのは小鳥のさえずりとカツラの幹が立てるギギギギ…という音のみ。
やっぱりここ、好きですわ。友人にも感動してもらえたようで何より。


去るのが本当に名残惜しい。
でもまた来ればいいのです。カツラ様はいつだって暖かく迎え入れてくれるから。
次回はまた雨上がりか、大雨の中のカツラ様に会ってみたい。

藤坂の大カツラ
兵庫県天然記念物指定・新日本名木百選
樹齢 不明
樹高 約20〜38m(30m強ではないでしょうか。)
幹周り 約13m

兵庫県篠山市藤坂 藤坂の大カツラ


FUJIFILM X-Pro2 / XF 23mm F2 R WR / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak
FUJIFILM X-T20 / XC 16-50mm F3.5-5.6 OIS / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak

安田の大杉前のローソンからさらに車を走らせます。国道173号線(綾部街道)を5kmほど北上して左折、県道300号線に入ってまた数km。すると「ここから幅員減少。走行注意。」みたいな看板のある区間に入ります。幅員減少区間を抜けてすぐの左手に藤坂の大桂の看板が見えるので、この付近のスペースに駐車します。近くにはナビに登録するような目印が一切無いので参考になれば幸いです。


農道をちょっと歩くと鉄扉で封鎖されているポイントに辿り着きます。
これは山中の野生動物が集落に降りてこないようにするための防護柵なので入ってしまってOK。ただし内側からまた栓をかけて施錠しておきましょう。(轍が見えますがあくまで地元の林業従事者のための道です。車で進入するのは止めましょう。見つかったら怒られると思います。)


林道を少し歩くと看板が。林道を逸れて沢沿いに登っていきます。


おぉ…結構先まで階段が見えるぜ…
実際登ってみると大した距離ではありませんが、かなりの急勾配です。転倒しないように注意。


おや、何か見えてきたぞ?
たぶんこの辺で興奮を抑えきれなくなると思います。
僕は転倒とか滑落とか一切頭から吹っ飛ぶくらいテンションが上がってしまい、自分がおっさんだということすら忘れて一気に駆け上がりました 笑


おぉぉ…あなたが神か!
荘厳なその姿はあまりに神々しい。これはもうカツラ神だ。
言葉にならない。ただただ呆気にとられてしまいました。


当然ながら事前に分かっていることですが、カツラは常緑樹ではありません。
正直なところあまり期待していなかったのです。
まあ場所も分かりにくそうだし篠山に行くなら下見程度に見ておこうかな、くらいの気持ちでした。


1〜2kmほど離れた春日神社の御神木とされていて、毎年5月10日には24本の小枝を切り取って祭礼用に用いているそうです。村の人々に親しまれ…の言葉どおり周囲はカツラのためのスペースがしっかりと設けられ、ここに至るまでの道程を見ても本当に大切に保護されていることが伺えます。


十数本の幹やこのひこばえに葉が茂ると、さぞかし生命観溢れる表情に化けるのでしょう。
祭礼用に切り取られるのは恐らくこのひこばえなんでしょうね。
どんなお祭りなんだろう。遠くからでいいからコッソリ見てみたいなあ。


空を見上げるとまるで幹が光に溶けていくみたい。
本当に美しい。


先程の安田の大杉とは打って変わって、このカツラを眺めていると時間の概念までが溶けて無くなっていくようです。
見て愉しむだけではない。吹き下ろす風を肌で感じ、霧を深く吸い込み、木々の奏でる音に耳を傾ける。
身体の五感がフル活動しているのが分かります。あぁ、こういうのを味わいたくて巨樹を回ってるんだよなあ。

何時間でもいられる。山を下りてしまうのが勿体ない。本当にそう思わされます。実際に2時間近く滞在していました。


幹が1本欠損していますね。
真下にその幹と思われるものが横たわっていましたが、恐らく20m近いのではないでしょうか。
その他の幹にも20m近いものが数本見受けられ、強めの風が吹く度にギギギギギ…と音を立ててしなっていました。
これがまた凄い迫力。


これは葉っぱの茂った季節にも絶対再訪しないと!
近所だったら毎朝見に来るのに…というくらい惚れてしまいました。
ここまでの感動は狛さんと京北の伏状台杉を発見したとき以来だ。


これはもうカツラの神様と呼ばせていただきたい。
再訪する時期だけが悩ましいのですよ。どうしようかなあ。当然葉っぱが茂ってから来たいのだけど、沢が近いこともあって梅雨〜夏頃にかけては致命的にヒルが多そうなのです。ヒル地獄だけは避けたいし4月末くらいかな。

このカツラは本当に文句無しにオススメですが、自分のようなソロプレイの場合クマとの遭遇と滑落には充分ご注意下さい。滑落に関してはろくに車どおりも無い県道にずっと車が停まっていれば誰かが不審に思ってくれる可能性が高いですが、クマ避け鈴を忘れた場合は一人カラオケでもしながら登山した方が良いでしょう 笑

– 追記 –
2018/4/19 再訪しました!

2022/5/2 何度か再訪していますが、本日訪問したところ大枝の折損を確認しました。詳細はこちら。残念ですが、身体の一部を欠損してなお素晴らしいカツラの巨樹です。

兵庫県篠山市藤坂 藤坂の大カツラ
兵庫県天然記念物指定・新日本名木百選
樹齢 不明
樹高 約20〜38m(30m強ではないでしょうか。)
幹周り 約13m

兵庫県篠山市 安田の大杉


FUJIFILM X-Pro2 / XF 23mm F2 R WR / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak
FUJIFILM X-T20 / XC 16-50mm F3.5-5.6 OIS / Film Simulation PROVIA / Grain Effect weak

天引の八幡神社からさらに国道372号線を直進。
国道173号線との交差点にこの安田の大杉がそびえ立っています。

ちなみに僕の友人は何度指摘しても篠山市を「しのやまし」と読むのですが、正しくは「ささやまし」です。


兵庫県指定天然記念物。
遠くから見るとまるで森のような大きさだということから「甚七森」と呼ばれているのだとか。


こんなことを書くのは何とも恐れ多いのですが…実は自分、この杉はどうもしっくり来ませんでした。
確かに大きい。迫力も申し分ない。歴史ある本当に立派な杉です。
しかし何だろう。巨樹と出会った瞬間のあの喜び、高揚感が沸き上がってこない。
こうして立っていても何故か落ち着かず、さっさと撤収しよう…としか思えないのです。


原因は分かりきっています。ええ、杉は何も悪くない。
とにかく立地がよろしくない。国道の車がやかましいのです。
これはタイミングを見て撮影しましたが、常に車が行き交っていてどうも落ち着きません。


杉そのものは本当に見応えがあります。
グワッと幹が傾きながらも不安定さを全く感じさせず直立する屈強さは圧巻です。


しかしその傾きは、やかましいエンジン音や体を蝕む排気ガスを避けようと藻掻いているように見えてしまうのです。


完全に妄想の世界なんですが、何故だかイマイチ撮影にも気持ちがこもりません。
撮影するときは精神統一して1対1で向き合いたいのです。
結局滞在時間は10分ほどでしょうか。今までに見た巨樹の中でもダントツで短い滞在時間となりました。


Web上に何点か「ここが最も落ち着くスポットだ。」という意見が見られました。当然それを否定するつもりは全くありません。安田の大杉そのものも流石は県の天然記念物!と思わせる立派な杉です。ただ僕とは立地の相性が最悪だったのです。この杉がどこかの物静かな集落に生えていたならお気に入りスポットの一つになっていたかもしれませんが、率直な自分の感想でオススメ度を付けるとしたら星一つを付けざるを得ません。

駐車場代わりに使わせていただいたローソンでせめて駐車料金分は…ということで昼飯とコーヒーを買い、テンションも下がってしまったし家に帰ろうかな…なんて気分になりながらも最終目的地へ向かったわけですが、想像以上の感動が待っていました。ああ、巨樹巡りってこういうのがあるから止められないんだろうなあ 笑

兵庫県篠山市 安田の大杉
兵庫県天然記念物指定
樹齢 約700〜800年
樹高 約33m
幹周り 約8.4m

ホーム > 巨木たち(地域別) > 兵庫県

CATEGORIES

Return to page top