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2016

Tudor チュードル ヘリテージ ブラックベイ 79220R 再レビュー

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Web上にレビューが少ない腕時計のレビューシリーズ。今回はチュードルのブラックベイ赤。
自社ムーブの新作ではなく旧型の79220Rです。新品購入後、約1年半着用しています。

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さて、いきなりぶっちゃけましょう。クオリティに関して多くを語るような時計ではないです。自己完結型のガワ時計ですわ。
言っておきますがブラックベイを着けていて「おっ、良い時計してますね」なんてまず言われませんよ 笑
そんなこと承知の上でデザインに惚れ込んだなら買えばいい。そういう時計です。

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公式の画像だとのっぺりして見えるものの、この文字盤の陰影がまた色気あるんですよね。
ザラザラしたマットブラックの文字盤に風防の縁の影が落ちて、紙がふわっと膨れたかのような優しい表情を見せます。
ヘリテージ(遺産)の名に恥じないヴィンテージスポーツの香りがしますね。

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赤ベゼルに金縁インデックス…合わせる服装を選びそうなカラーなのに色味が落ち着いているからか意外とどんな服装にもマッチしてくれるんですよね。
実際に着用頻度も結構高いです。

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チュードルというブランドの立ち位置から、どうしても本家ロレックスのサブマリーナーと比較されがちです。
エッジやヘアラインの仕上げなど時計好きが見れば一目瞭然に細部のコストカットが窺えますが、他人が遠目に見る分にはそこまで質感の違いは分からないと思います。

しかし、私が一番気になるのはその着け心地の違いです。
同じようなオイスターケースにこれまた同じようなオイスターブレス。
もちろん金属の質の違いもありますが、ブラックベイはブレスの縁のエッジを立たせすぎているのか装着感が良くないんですね。
数万円のセイコーダイバーズよりも明らかに装着感が悪い。
これは実際に身に着けてみないと分からないことなので、購入前に一度は試着されることをおすすめします。

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自社ムーブ搭載の新型モデルはこの小薔薇ロゴから通常の盾ロゴに変更になりました。
この控えめに文字通り華を添える薔薇ロゴが好きだった自分としては少々残念に思います。

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デザイン以外は別段褒めるべきポイントが見当たらない(失礼)ブラックベイですが、これは感心しました。
クラスプをパチッと留める凹凸部分、ここは凹凸共にステンレスで出来ているものが殆どですよね。
ブラックベイは凸部分の経年劣化によるすり減りを無くすため、高硬度のセラミックボールが用いられています。
(実体験として昔、オメガとボーム&メルシエはここが馬鹿になったのを理由に手放しました。流石に最近のものは改良されてそうですが。)
見せかけや所有欲のためのスペックアップでなく、こうした使い勝手の向上や長く使ってもらうための工夫を怠らない姿勢には好感が持てます。

ロレックスのディフュージョンブランドとして見ると比較対象がロレックスになるため色々と粗が目立つのは事実。
ただ単体の30万円前後の時計としてみた場合、非常に雰囲気のある良い時計です。

この価格帯だと検討対象はオメガやタグホイヤー、ボールにジンあたりでしょうか…
一生物にしよう、くらいの気持ちで1本目を選ぶなら個人的には無難にオメガ、2本目以降の色物枠ならチュードルですね。
(タグホイヤーは長く使うにはデザインが少し若い印象、ボールとジンは代理店がどうなっているか将来性に不安有り。)
初めての機械式時計は誰しも少なからず「良い時計してるね」と言われたいというスケベ心があると思うので、メジャーどころをお勧めします。

メインで1本!という方にはあまりおすすめ出来ませんが、外しの時計にもう1本くらいの気持ちで購入すると長く付き合っていけるんじゃないでしょうか。


ヴィンテージな顔つきですから、もちろんレザーベルトもOK。

2016/11/4 福井県西某所 アジング

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ロッド: テイルウォーク アジスト TZ 58/SL
リール: ダイワ 13セルテート 1003
ライン: エステル(サンライン鯵の糸)0.3号+フロロ3lb
釣果: アジ×6、セイゴ×1、チャリコ×1

待望の釣り。16:30着。
下手くそになってますな…レンジとか潮のうねりとかさっぱり分からん。
いつの間にやら良型のアジが入ってきているみたいで、日が暮れてからは22〜23cmがアベレージでした。(このエリアだと通常18〜20cmアベレージくらいだと思います。)

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20cmオーバーになるとフッキング後まずバラさないので久々の釣りでも安心して楽しめますな。

アタリが遠のいたなあと飽きてきた頃、何かがヒット。
30cmくらいのセイゴでしたがアジングタックルだとなかなかスリリングで良いですね。

ここで完全に満足したので20:00終了。
お湯沸かしてコーヒーブレイクしてから帰宅しました。
やっぱり夜の海を眺めながら飲むコーヒーは格別ですわ…また来よう。

グランドセイコー スプリングドライブ SBGE001のレビュー

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Web上にあまりレビューがない時計のレビューシリーズ。
購入して半年ほど経ちました、グランドセイコー マスターショップ限定 スプリングドライブ SBGE001のレビューです。

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正直なところ、ここ数年内に買った時計の中で一番気に入っています。
身に着ける頻度は文句なしのNo.1。
(あ、セイコーのGMTムーブは止まると日付やGMT針の修正が面倒臭いから止めないような頻度で身に着けているという理由もあります。)

SBGE001の購入を検討されるほぼ100%の方がサファイアベゼルに惚れてのことだろうと思いますが、これは本当に美しいです。
キラキラと光を反射したかと思えば光をスッと吸収して漆黒の表情を見せたり。眺めていて飽きないんですね。

新しい腕時計を手に入れた感動なんて買って1週間…下手したら3日で薄れてしまうものですが、この時計は未だにぽけーっと眺めることが多いです。

SSブレス、20気圧防水という仕様から着ける季節を選ぶこともなく、まさに最高の日常時計を謳うグランドセイコーらしい1本。
この価格帯だとロレックスのDJやサブあたりと悩む方が多そうですね。私はサブ(114060)よりもこちらの方が圧倒的に出動回数が多いです。
画像で見る以上にキラキラ光りますので、お堅い職業の方がオン用に考えられているならオススメしませんが。絶対やめといた方が良いです 笑

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工作機械の精度向上によって同価格帯の舶来品も外装のクオリティを上げてきているためパッと見て惚れ惚れするような質感ではありませんが、充分すぎるクオリティでしょう。曖昧さのないエッジ処理、均一なヘアライン。サイドのポリッシュ部の反射像にも気持ち悪い歪みは見られません。(カメラを持った私がはっきり写り込んでますね…)

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GS一番の見どころはココだと思ってます。
このインデックスと針の研磨に関しては…もう変態でしょう、これは。
光を多方向に反射させるためにインデックスを多面カットしているだけでなく、さらにその上部に細かい筋目まで彫り込む念の入れよう。
秒針の押さえの部分まで丁寧に磨かれてますからね。

こういった細部の仕上げは流石HENTAIの国ニッポン。
ジャーマンともスイスとも違いますよね。この神経質とも言える美的感覚は。
緻密な装飾で表現する直接的な美ではなく、反射する光の美しさを追求するあたりに風情や情緒を重んじる日本らしさを感じます。

ちなみにグランドセイコーの外装を語るときザラツ研磨というキーワードだけが先行しますが、複数回の冷間鍛造によって造られた目の詰まったステンレスケースに複数回のザラツ研磨を施すことに手間とコストがかかっているという話で、希に見かける低価格なのにGSと同じザラツ研磨!と謳っている時計が研磨に同等の手間をかけているわけではありません。切削ステンレスケースに単発ザラツ研磨なら、そりゃ低価格で行けるでしょう。

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ブレスは三連。裏側は腕に沿うように丸みを帯びていて、汗でペタペタ張り付かないようにヘアライン加工されています。
腕の形に沿ってクネクネと自在に動き、上質なステンレス特有のしっとりとした着け心地で、装着感は決して悪くありません。

が、恐らくブレスそのものは他モデルとの汎用品なのではないかと思います。
デカ厚といっても過言ではないSBGE001に対して造りが華奢すぎる感が否めません。

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ケースとの重量バランスが悪く、腕を振って歩いていると時計に引っ張られているようにすら感じます。
気をつけて扱っていても自分の感覚以上に腕を振りすぎてしまい、壁にガツッとぶつけてしまうことも多々。
着けていることを忘れるような一体感?そんなもん一切無いっすわ…

また、クラスプは「これで大丈夫なのか?」と問いたくなる普通のワンプッシュバックル。
私が以前所有していた軽量薄型のクレドールノードと全く同じクラスプなんですが、本当に何年もこのクソ重い時計を支えてくれるのでしょうか。
今のところ脱落した経験はありませんが、いずれバックルが馬鹿になってくると脱落する可能性もあるのでは…という気がします。
不細工になってでもダブルロックのクラスプにすべきだったと思いますが…どうなんでしょう。

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このように不満な箇所もあります。ただ、その辺のデメリットを差し引いても余りある、本当に美しい実用時計です。
買って後悔はしないはず。

あ、流れるような美しい運針…スプリングドライブについて書くのを忘れていました。
絶賛する方が多いですが、私は1日で飽きました 笑
精度は抜群に良いです。私の個体は半年間で+2秒くらいですね。

Sinn ジン Ref.556Mを購入

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WatchGeckoのパイロットウォッチを買ってからパイロットウォッチに目覚めました。
Sinnの556Mを購入。初めてのSinnです。

パイロットウォッチって自称玄人様が「見る人が見れば分かる渋み、質実剛健な造り」みたいな胡散臭いキャッチコピーを謳ってるイメージがあって何となく手に取ること自体避けていたんですが、実際身に着けるとスッと馴染むと言いますか、どんな服装にもマッチしてくれそうな懐の広さを感じます。

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3・6・9・12がアラビア数字になっている556Aと悩みましたが、決め手はこの光沢文字盤でした。556Aはマットブラックなんですよね。
無骨なデザインの中の光沢感、そして針の影が作り出す立体感…こちらのモデルの方が品があるかなと。

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高級感皆無、外装のクオリティにも内部的にも特筆すべき点無し。
それでもこの時計には何とも言えない雰囲気があるんですよねえ。
この静謐な湖の水面を思わせる世界は公式サイトの正面撮りでは絶対に伝わりませんわ…
青色の無反射コーティングも確かに美しいですが、この556は無色コーティングで正解でしょう。
文字盤と針・インデックスのコントラストが際立ち、これぞ機能美!といったジャーマンブランドの神髄を感じます。

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ブレスモデルかレザーベルトモデルかは悩みませんでした。純正ブレスの形状が好みでなかったので。
海外のサイトに556用の5連ブレスが$390で出てます。夏前に購入するかも。国内正規店でも同じ物が売られていますが、8万円はボッタクリだと言わざるを得ません…)
ベルトは即、黒クロコに換えてます。無骨さを強調するならカーフでしょうが、秋という季節もあって品のあるクロコの方が合わせやすいように思います。

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ムーブメントはETA 2824-2。
説明不要の自動巻きムーブですが、弄ってみた感じだとポン乗せではなく若干のチューンを加えているのかもしれません。

リューズを弄ってみると針の遊びがほとんど無いんですね。
ポン乗せETAの時間調整後リューズを押し込んだ際に分針がピュッと飛ぶあの感じ。あれがありません。
1段目、2段目の抵抗も非常にしっかりしています。月初、日付だけ進めたいのにうっかり2段引いて秒針がズレる…といったことが起こりません。

リューズの操作感はねっとりとしていると言いますか、やや重めな印象です。
20気圧防水なのでパッキンが影響しているのでしょう。
ロレックスのサブマリーナーの操作感に似ています。

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エッジの面取りもされておらず、決して丁寧に磨かれたムーブだとは言えません。
それでも操作面では手抜きがないあたり、ジャーマンらしい真面目さを感じます。

ETAなので当然ですが、特に繊細な感じもなく初めて機械式時計を持つ方でも安心して使用できるでしょう。

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Geckoも気に入ってるんですけどね。
ただやっぱりシンプルな三針は40mm未満が一番シックリ来るのも事実…

EPSON スマートキャンバス ムーミン

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エプソンのスマートキャンバス。
色々なシリーズが出ていますが、ムーミンシリーズのスナフキンモデルです。
これは面白い!と勢いで購入したものの流石に30半ばのオッサンには純正ベルトがアレ過ぎたため、ベルトを交換してようやく着用可能になりました。

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既に多くの方がレビューを書かれているので省きますが、ニョロニョロ時計、日めくりモード、時間の経過ごとにイラストが変わっていくモードの3種があり、ぽけーっと眺めていると飽きません。液晶もとても綺麗です。スリープ機能は存在せず、これを常時表示して電池寿命約2年って凄いなーと感心します。

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ラグ幅は26mm。購入にあたってベルト交換前提に考えていたのでラグ幅が知りたかったんですが、レビューを漁っても書かれていなかったので…
まあ普通は純正の交換ベルト(工具無しで交換できるやつ)を買いますよね。
純正は値段のわりに品質がイマイチな感じがするのでパネライ用に売られているカーフを着けました。
ちなみにラグ横に穴を細い棒で突っつけば簡単にバネ棒が外せます。

あと皆さんマイナス面はあまり書かれないみたいなんですが、1分ごとに液晶の表示が変わる際、液晶が約1秒ホワイトアウトします。僕はこれが結構気になる…というか鬱陶しいんですが神経質すぎるんでしょうか。

とまあ不満に思う点もありますが、これぞデジタル!という面白い時計だと思います。
スマートウォッチと真逆の方向性ですよね。
「別に便利じゃなくてもいいじゃない。ゆるーく生きましょう。」みたいな感じがして非常に良い。

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