和歌山県伊都郡かつらぎ町 十五社の楠(十五社の森)

FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 35-70mm F4.5-5.6 WR ・ Nikon Z f / VILTROX AF 20mm F2.8 AIR STM ASPH ED IF

この日の巨樹めぐり一番の目的だったのがこちら「十五社(じごせ)の楠」。
私もRYO-JIさんも既に何度か訪問している巨樹ですが、やはり何度対峙してもその巨大さには驚かされます。
環境庁によると”近畿地方最大の巨樹”。その迫力は伊達ではない。

周辺から大きな樹冠が目立つものの住宅街の入り組んだ路地の先にあり、何度来ても同じように迷っている気が。
笠田小学校の真裏に位置し、立地自体がややこしいわけではないのでご安心を。

この地に立った私がどれほど興奮したか。
ええ、普通その電柱は被らないように撮影するだろ…というところに意識が向かなくなっていた点からもお察しください。
何となく頭の中に「十五社の楠は凄かった」という記憶は形成されているのですが、実物はそれを容易に上回るから凄い。

「私は、600年以上もの間生き続け、平成23年3月で10,928人の笠田小学校の卒業生を見守ってきた。」
書き出しからロマンを感じるではありませんか。こういう解説板は大好物です。
画像は圧縮して掲載しているので、もし読みにくい場合は画像を右クリック→別タブに画像を表示してみて下さい。
(別にカッコつけて斜めに撮影したわけではなく、正面からは反射がものすごかったのです。すみません。)

元々は十五柱の神様を祀る十五社明神の御神木。
しかし明治時代の神仏習合で宝来山神社に合祀され、クスノキが冠する十五社の名はその時代の名残であるようです。

近畿市の大樹、県指定天然記念物「十五社の楠」。
幹周は13.5mということですが、この場に立つといやいや、もっと大きいのでは?と思わされる。
どこまでを根としてどこで測定するかで数値が変わりそうな樹形ではありますが、15mと言われても驚きませんよ私は。

根本から一斉に幹が分かれる形状から初見では合体樹?と疑いましたが、単体のクスノキで間違いないようです。
たった一本の巨樹にして遠目には神社の社叢のようにも窺えるその姿はまさに「十五社の森」の呼称に相応しい。

第二室戸台風で大枝が欠損。その際に大枝が家屋に被害を出したことから枝が手入れされている箇所が目立ち、遠目には健康そうに見える幹にも痛々しい落雷の跡が見られます。いつまでも元気でいてくれるといいのですが。

最近はモラル、マナー的にも変化があって難しくなったのだろうとは思いつつも、向かいの小学校の児童たちがクスによじ登って遊ぶ姿を想像してにんまりしてしまう。実際に昔の子供たちは木登りして遊んでいたのだろうなあ。すぐ裏手がちょっとした崖になっているので、たまに落ちて怪我する子がいてメチャクチャ怒られたり。そういうのもまあ身をもって危険を学ぶ人生勉強で、個人的には子供の木登りくらい大目に見てあげても…と思うのだけど。(あまり大声では言えない)

11月の訪問ということで少し寂しい樹冠ですが、それでもクスノキの樹冠を見上げていると穏やかな気持ちになります。
疲れているとき、ストレスが溜まって鬱気味なときには迷わず巨大クスノキを処方すべきだ。
何かとストレスの溜まるコロナ時代、平静をキープするために「志々島の大クス」へ通っていた私が言うのだから間違いない。

新緑の時期に超広角レンズを持参して真下から樹冠全体を撮影できたらさぞ壮観なことでしょう。

どこから眺めても素晴らしい姿。似たような写真ばかり量産してしまいます。
今になって思い返すと、あんな風に撮っておけばよかった!とアイデアが多々浮かぶのですが。
もちろん次回訪問時にはとっくに忘れていて、また馬鹿みたいに似たような写真を量産するという。

こちらは7年前、2018年10月に裏手の住宅街から撮影した勇姿。
長々と記載してしまいましたが、極論言ったら対峙して「デカい!すげえ!」と叫んで帰ってくればそれでいい。
そんな巨樹だと思います。ただただ圧倒されることに意味がある。

たまに無性に圧倒されたくなることがあって、そんなときはこのクスの巨樹を目指したくなります。
考えてみたら私がやって来ると何故か毎回曇天なので次回こそは青空の下で眺めてみたい 笑

2025/11/13訪問
「十五社の楠」
和歌山県指定天然記念物
樹齢 600年以上
樹高 20m
幹周り 13.5m

和歌山県伊都郡かつらぎ町大字笠田東字拾五社(563)

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