兵庫県美方郡香美町 荒滝

SONY α7RIII / SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
PENTAX K-1 / PENTAX HD PENTAX-D FA★50mm F1.4 SDM AW

「小長辿の大トチノキ」を訪問した際に駐車させてもらったのがこの看板目の前のスペースでした。荒滝入口。確かに随分と下の方から轟々と水の流れる音が聞こえてくる。いや、そりゃまあ行きたいですよ。しかし実は大トチノキの目の前に三脚を忘れ物してしまい取りに戻って疲れていたこと、そして本日一発目に立ち寄った「猿尾滝」が思ったほどではなかったことから、ちょっと面倒くさいなあ、どうしようかなあと悩んでしまったわけです。当たり前ですけど降りたらまた登ってこないといけませんから。しかしここまで来る機会なんて次はいつになるか分からんぞ?と無理やり気持ちを奮い立たせ、滝へと向かってみることにしたのでした。

途中まではよくある「使われていない登山道」でしたが、先人が張ってくれたロープを伝って降りないと進めないくらいの急斜面に変わってきました。この時点でテンション急降下な方もいらっしゃるかと思います。しかしながらワタクシ俄然元気が出てきましたよ?ええ、こういうの大好きなんです 笑

このワイルドな奴らを降りてこなければなりません。女性は嫌がる方が多いかもしれませんね。少なくともうちのヨメは絶対「車で待ってる。」と言うであろうことは間違いありません。まあ皆さん最低でもスニーカー装備だろうとは思いますが、雨の日は特に要注意。それにしてもこんな山奥にまで丁寧にロープやはしごをかけてくれている善意の先人方には感謝です。

谷底まで降りるとこれは凄い!落差は30mということで猿尾滝の約半分ですが、直瀑型でズドドドド!!!!と轟音を響かせながら滝壺に打ち付ける様にはついつい一歩尻込みしてしまうほど。そうだよ、これが滝だよ。この迫力を見たかったんだ。

滝をどう撮っていいか分からず…迫力の1%も伝えることが出来ないのがもどかしいばかりですが、とにかく形状の美しい滝です。荒滝なんて名前が付けられているのが信じられないくらい流れに気品がある。もちろん大雨の後などは荒滝本来の牙を剥くのかもしれませんが。

美しい。巨樹もいいけれど滝もいいぞ。大自然の偉大さ、決して写真には写しきれないモノと対峙して、これを100%写し取るなんて無理だと頭で理解しなら、それでも四苦八苦しながら足掻いてみるというドン・キホーテ的なアプローチは巨樹も滝もよく似ているように思います。

スローシャッターにしてみたりハイスピードにしてみたり。色々試してみるんだけど、どれを見てもいやいや実物はこんなもんじゃなかっただろ、とがっかりするのです。五感で感じたもの全てがそれの記憶を形成してるわけで、視覚だけに頼った写真でそれら全て写し取ろうなんて到底不可能。でも立ち向かうその行為が面白いんですよねえ。

満月の夜はこの滝壺に満月が映り込み幻想的な光景が見られるのだとか…いやあ。夜にここまで来い、と?私には無理ですわ 笑

まるでアマゾンの奥地にでも来たかのような…行ったこと無いんですけど…周辺環境も素晴らしいですね。水の流れの他には一切音のない空間。まあたまにピョエェェー!!(たぶん鹿)とかヒョイヒョイヒョイ!!(こいつは分からん)とか色々聞こえてきて、頼むからこっちに来るんじゃねえぞとばかりに無駄に声を出しながら咳き込んだりと慌ただしく、決して心が安らぐというわけではないんですけどね。でもこの山奥でしか味わえないドキドキ感がクセになる。

見て下さいこの神秘的な景色。滝も素晴らしいけれどこの緑がまた心地良くてですね。クマ来るなよと祈りながらも結局カメラを置いて30分くらいはのんびりしてしまいました。

滝を撮っていると超広角レンズを持ってくればよかったと後悔しますね。滝本体を撮る分にはあまり困らないんですが、周辺の景色まで一緒に撮影しようと思うと収まりきらないことが多くて。

私の場合、滝そのものの迫力・希少性よりも滝までのアプローチ含む周辺環境の良さが大きく滝の採点に加点されるようです。やっぱり秘境感のある滝はそれだけで評価が高くなるし、素直にイイ!知名度的には荒滝よりも猿尾滝なのだと思いますが、個人的にはこちらの方がずっと良い滝でした。近くを通る際には是非また立ち寄りたいものです。

2020/9/10訪問
「荒滝」

兵庫県香美町小代区佐坊

4件のコメント

  1. to-fuさんに影響されて私も最近は滝に興味が湧いてきています、というか色々撮り始めています(笑)。
    対峙すると様々な感情や想いが溢れてきて、巨樹と似たような面白さがありますよね。
    そして同様に撮るのが難しいのなんの。
    私自身技術的にも機材的にも足りない要素が多くてまだまだ納得できる写真は撮れていないですが、
    悪戦苦闘・試行錯誤で楽しんでいければなぁと思ってます。

  2. 一途な僕は巨樹のみで笑……いやいや、巨樹を追ってると滝も出てきますよね。
    あと、ダム!笑 東北をやりだしてからダムだらけです。なんでこんないっぱいあるんだと。

    しかし、このワイルドな道のり……冒険心を掻き立ててくれるじゃありませんか。
    ぱっと見、このハシゴに身を委ねて使っていいものかどうか迷いますが、据え膳食わぬは武士の恥と言いますし(間違った使い方)、そうまでして行く先にあるらしきもの、見たくなるってもんです。
    滝があるということはすなわち切り立った環境なわけで。滝仙人になろうとすると、マタギのような山歩きテクを身につけることになるかもしれませんね。それもまた面白そう! ←軽く言うな。

    綺麗な滝。巨樹もそうですが、自然の中に身を置いて五感をフル活用する喜び、ほんとに素晴らしいと思います。

  3. > RYO-JIさん
    こんな事態になってしまい気軽には遠出できなくなってしまいました。しかし近場でもいいからとにかく出かけて写真は撮りたい…
    とはいえ近場の巨樹なんて毎週撮りに行けるほどの数ないんですよねえ。そんな苦肉な策での滝でしたが、これまた面白いですね。
    巨樹も天候や季節で表情を変えますが、滝もまた然り。まるで生きているかのように表情を変えてくれるので一期一会な感が強いです。
    巨樹を探してGoogleMapを眺めていると近場に滝があることが多く、どちらも撮影するとメリハリが付いていいかもな、なんて。
    自分から世界を狭めてしまわないよう、目の前のものは何でも撮ってやるくらいの気持ちで楽しみたいものですね 笑

  4. > 狛さん
    そうなんです。巨樹の近くで看板を見かけることも多くて、これは巨樹撮影との親和性が高いんじゃないかなと。
    ダム!ダムももちろん撮りますよ!比較的近くの宇治市にでっかいのがあって、パンを買ってよく眺めに行ってます。
    近場の巨樹だけ繰り返し回っていても楽しいんですが、やっぱり冒険心的なモノ(童心?)が満たされないんですよねえ…

    この手のワイルドな道が出てくると俄然テンションが上がってしまいます 笑
    しかし滝はガチになりすぎると毎年死人が出ているような沢登りテクニックが必要になってくるので、ただでさえ重い機材を
    携行しているわけですから深入りしすぎないように!と心に決めています。でもいざ目の前に凄そうなのを見つけてしまったら…
    やっぱり危険承知で行ってしまうのかも。いやいや、本当に自然相手は引き際を見失わないように気をつけないといけませんね。

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