Nikon Z fcのファーストインプレッション @片波川伏条台杉群生地

SONY α7RIII / TAMRON 70-180mm F2.8 Di III VXD

Nikon Z fcの試し撮りがてら、またお弁当を持ってハイキングしてきました。ちなみに顔に似合わず少し神経質なところがあるワタクシ、置き傷防止のためにSmallRig製のL字型グリップを購入して装着しております。ニコンさんに少しでも貢献したい気持ちは山々なのですが価格が純正の約1/3、さらにアルカスイス互換があってデザインもこちらの方が上(というかボディとの一体感が確実にこちらの方が良い)とあっては流石に買う気になれませんでした。ガワのデザイン以外にセールスポイントのないシルバーボディのカメラにブラックの純正グリップを合わせるとはこれ如何に、とツッコみを入れつつもデザインには好みもあるとして、今やアルカスイス互換って業界標準では?ただまあ手の平への収まり、グリップ感は純正の方が遥かに上かと思われます。SmallRig製は加水分解不可避でペタペタするウレタン素材、純正品はZ fc本体と同じエラストマーと思われる硬質ゴムのような素材なので。

長くなってしまいましたがテキスト少なめで適当に写真を貼っていこうと思います。

Nikon Z fc / Nikon NIKKOR Z 28mm F2.8 Special Edition

35mm換算で42mmになるキットレンズ。敢えてフルサイズ対応の単焦点レンズをキットにしてきたあたり、願わくばフルサイズ機にステップアップを…というニコンのスケベ心が透けて見えますね。将来的にはフルサイズZシリーズをメイン機に備え、このZ fcをサブ機にという構成は大いに「アリ」だと感じます。ちなみにAPS-Cの42mmという画角でも別に広角的に使えなくはない。

最短撮影距離19cm。結構寄れますね。ただしギリギリまで寄ると著しく解像感が落ちる印象。対象の輪郭が目に見えて緩くなります。写りがもやーっとする感じ。

なかなか良く写るではありませんか。

先週来たときよりも随分と落葉が進んでいました。

ボケボケな写真も撮れなくはない。

明暗差のキツいシチュエーションだと流石にフルサイズ機が欲しくなりました。

難しいシチュエーション2。

緑の発色はペンタックスが美しいのだけど、ニコンも良いではないか。と思った。

全然寄れないライカを持っているとモノの細部まで見なくなりがち(見たところで撮れないから)ですが、寄れるレンズを持っていると細部が気になって仕方ない。

この辺から天気が急変して暗雲立ち込め始める。ボディにもレンズにも手ブレ補正が非搭載なので結構厳しかったです。そしてシャッターショックが大きめ?シャッタースピード1/60秒でも微ブレ写真を量産してしまいました。

スマホカメラからの移行だと、この手ブレに結構難儀するかもです。手ブレ補正のあるα7IIIやK-1なら手持ち1/8秒、同じく手ブレ補正の無いライカM10でも1/15秒余裕な私でもかなり難儀しました。何でこんなにブレるのか、いまだによく分からない。

それとは別に、このレンズが所謂フルタイムMF(AFでピント合わせした後でもピントリングを回せばそのままマニュアル操作でピント微調整ができる)なんですが、ピントリングが緩すぎてAF合焦後に指が触れてピンがずれてしまうことが何度かありました。ちょっとありがた迷惑かもしれない。

描写はとても良いと思います。このサイズ、価格でこれだけ写れば文句なしでしょう。ちょっと逆光に弱くて変なゴーストが出まくりますが、そこはまあレンズの値段とトレードオフなので一切文句はありません。

結論から言うとめちゃくちゃ楽しいカメラでした。スペシャルエディションの28mmレンズも良い。ただ薄暗い場所では非常に手ブレに弱い印象だったので、室内撮りが多い方や初めてのミラーレス一眼だという方には単焦点レンズキットより手ブレ補正付きのズームレンズキットの方が無難だと思います。

何よりも立体感や階調が優先されるネイチャーフォトはセンサーサイズ命なところがあるのでZ fcでは厳しい面もありますが、ストリートスナップやお散歩写真などで持ち歩くならフルサイズのZシリーズよりこちらがおすすめかもしれません。正直ここまで良く写るとは思いませんでした。さあ今すぐZ fcを買うがいい!

4件のコメント

  1. サー! イエッサー! って、いや、買えませんがな……。笑
    数百年単位で荒ぶり続ける野生の王国の写真を楽しみながら最新機種のレビューを読めて、大充実です。
    相変わらずものすげえところだ……。
    このカメラはストレートにFMシリーズと同じ感覚で受け止めれば良いと思う一方で、台杉群生地はフルサイズや中盤の画質を最大限活躍させられるある意味難しい題材だったと思います。
    まあ、写真学生サンはFMで何でも撮ったのだと思いますし、性能段差は確かにニコンのスケベ心かもしれませんがね。

    昔のカメラって、味がありましたよね。カメラカメラしてて……まあそりゃカメラだもの、みたいな。
    このZfcを見ていると、当時誰もが抱いた「あの名機のデジタル版」とか「パトローネ型デジタル撮影素子」みたいな妄想を思い出します。
    それに対してのまさしくアンサーとして、歓迎したくなってしまいますね。

  2. Z fcのファーストインプレッション、楽しく拝見致しました。
    一番印象に残ったのは、「めちゃくちゃ楽しいカメラでした」、これにつきますね。
    結果が求められる仕事なら最新の高性能カメラ一択でしょうけど、我々写真趣味人間は〝楽しんでナンボ〟ですからね(笑)。

  3. > 狛さん
    仰るとおりで、これは撮ってて楽しいカメラだぜ!と思いながら、同時に三脚立ててフルサイズで撮りたかったな…とも 笑
    大自然を相手にするならセンサーサイズこそ正義である!これは我々が身を持って痛感させられた事実ですからね。
    よく今のAPSはフルサイズにも負けないと言われますが、それは半分正解でまだまだ撮る写真によると思います。

    昔のカメラを触って思うのは、フラッグシップではないFMのような普及機でもモノとしてすごく質感が良いんですよね。
    手に持ったときのズシッと来る重みとか、シャッターを巻上げてボタンを押したときのあの感触とかすごく心地良い。
    何十年も使うことを想定しないデジカメ時代になって、質感よりもまず画質優先が続いていましたが、既にスペックが
    成熟しつつある今だからこそ、今後10年20年モノとして愛せるカメラがどんどん出てきてもいいのではないかなーと思います。

    ペンタもぜひフルサイズでLXモデル、APSでSPモデルを…ペンタならそのままM42も使い回せますし。

  4. > RYO-JIさん
    楽しいカメラ。ここ数年爆発的に売れたfpやGR IIIも、まず撮影体験の楽しさを大切にしていたように思いますね。
    写真にどっぷり浸かったおっさんに売るだけでは未来がありませんから、とにかくこの撮る楽しみをもっともっとアピールして
    もらいたいものです。本来ならスマホ1台で済むのに馬鹿でかいカメラを持ち出す労力って、我々写真好きやカメラ業界の人は
    慣れてしまってますけど、これ結構大変なことですからねえ。キレイに撮れる!くらいの押しでは持ち出してくれませんよ。

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